認知症高齢者見守り支援事業

全国の認知症高齢者数が2035年には現在の2.2倍の445万人になる(東京は2.4倍)との推計が報道されいます。これからは、地方分権の時代。認知症高齢者対策への自治体が何をすべきか、できるのかが問われることになりそうです。
このことを考えてみると、武蔵野市が7月1日から実施を開始した「認知症高齢者見守り支援事業」は、より評価すべき事業と言えるのではないでしょうか。


「認知症高齢者見守り支援事業」は、介護保険の対象となるサービスは行わず、見守り、話し相手、散歩の支援などを市が認定したケアヘルパーが行う事業です。

対象となるのは、
・おおむね65歳以上の武蔵野市民(若年性アルツハイマーも対象になる)
・認知症の症状がある(日常生活自立度がⅠまたはⅡ)
・身体介護を必要としない
となっています。想定される利用人数は、約1300人。

利用にあたっては、介護認定の有無を問わず、高齢者のみの世帯に限定していません。

利用料金は、一回1時間単位で最長4時間まで。原則、週一回の利用まで。

■介護をする家族の負担を軽くすることが目的の事業としていることから、独居や高齢者のみ世帯だけではなく、家族が同居していても使えるのがポイントでしょう。介護保険の対象とならない軽度、一歩手前のサービスを行う事業だと思います。

また、ヘルパーとなるのは、武蔵野市独自制度となる「武蔵野市認知症ケアヘルパー認定研修」(仮称)を終了した人としています。

提供するサービスは、見守りなど軽度の内容であることから費用は低額ですが、最長4時間使えることから、一回あたり最大2000円の利用料を得られることになり、まったくのボランティアではない収入を可能としているところもポイントでしょう。ボランティア頼みではなく、かといって、収益事業でもない。中間的な、いわば市民事業の可能性も持つ事業と言えるかもしれません。

増えていく認知症高齢者をどう支えていくのか。家族だけで支えるには限界があります。保険制度にも限界がある。かといってボランティア頼みでもできない。
これらの課題の中間、隙間を埋める事業ではないか、と思います。財源は湯水のようにあるのではないのですから、細かなアイデアで克服していくことも、これからは必要になってくるはず。そう考えると、この事業の意義は大きいと思います。

しかし、移動に時間と手間がかからない都市型、独自ヘルパー養成に事業費を出せるなど武蔵野市だからできる事業とも言えます。できない地域はどうすれば良いのでしょうか。

地方分権は進めるべきですが、努力のしようがない自治体格差をどうするのか。認知症高齢者の対応からも、国の役割りも問われてくるのではないでしょうか。

【参考】
asahi.com 認知症、2035年には2倍の445万人に 厚労省推計
武蔵野市 認知症高齢者見守り支援事業 スタートします