外環道路武蔵野地域報告会

7月3日に、国、都、市のよる東京外かく環状道路武蔵野地域報告会が開催されました。
地上部道路(外環の2)の計画は残されたまま、本線が地上部から大深度地下へと計画変更されて以降、正式な説明がなかったこともあり開催されたのがこの報告会でした。

内容は、これまでに議会に報告されてきたことでもあり目新しさはありませんが、道路ができることでの新たなメリットが強調されてていたとの印象が残った会でした。


建設計画などは、外環道路(外かく環状道路)の公式サイト、東京リングステップをご参照下さい。

この日に示された資料には、外環道路ができることによって、約2~3万ヘクタールの植林に相当するCO2の排出抑制になる。築地からの移転がどうなるかは分かりませんが、生鮮食料品が集まる中央卸売り市場への円滑な流通が確保できるなどのメリットが記載されていました。

最近の話題となっているCO2や食の問題への対応といえますが、昭和42年に凍結された前の計画でそこまで考えていたのか。後付に理由を加えたのでは、とも思えてしまいます。

また、細かな表記にも気になる点がありました。例えば、地下水への影響は小さいと<考えられる>、地盤沈下の影響も小さいと<考えられる>、シールド工法は、地下水へにおよぼす<影響が小さい>などの表記が多く、ないとは言い切っていないのです。後から問題が起きたとき、当時は考えられなかったと言い訳できる微妙なテクニックと言えるかもしれません。

このようなことがあると、影響について本当に考えているのか。できることをやっているのか、との疑問が出てきてしまいます。
例えば、市議会でも指摘されており、市としても国や都に求めている地下道路による地下水への影響についてのデータが示されていないことです。

パンフレットには、阪和自動車道路でモニタリング孔を設置したことで周辺への障害は起きていないと記載されていますが、市議会や市が求めている環状八号線の井荻トンネルによる地下水脈への影響、外環道路と同じく地下40mの大深度を走る都営大江戸線での地下水への影響など必用と考えられるデータは未だに示されていないのです。

説明会では、武蔵野地域について、地下水への影響、換気所による大気への影響、災害時などにおけるトンネルの安全性、通過交通による影響、地上部街路(外環ノ2)について
課題がある。
今後、武蔵野地区検討会(仮称)を設置し、地域における課題を整理し共有化して『対応の方針』を策定。この方針に基づき、具体的な検討を行っていく、としていました。

この検討会は、外環道路について武蔵野市長からの検討のプロセスを明らかにして欲しいと意見が出されたために設置したいともしていました。

課題について、国、都も認識しており、地域住民と検討を行っていくとしていることは評価できると思いいます。しかし、検討会にどの程度の権限があるのか、何時までに行うのかなどは、この日の説明では明かにはなっていませんでした。

また、地上部での建設が土地買収の課題や地域を分断するなど困難な課題があり本線(高速道路部分)を大深度に変更したのに、地上部の道路(その2・測道部分)は計画として残っており、建設を検討しているのもおかしな話です。地上部を作るのなら、地上に外環道路本線も作ることのほうがコストがかかりませんし、計画変更する必用もないはずです。
この最も大きな矛盾についての説明もありませんでした。

会場の出席者からいくつか質問があったのですが、その中に、国会審議で現在の道路計画は古いデータを基にして作られている。新たなデータで検証すべきとの質問があり、国土交通大臣が、今年の秋のデータで再調査すると答弁していた。外環道路についても、新たなデータを出して欲しい、との質問がありました。

返答は明確ではなく、出すかどうか確実とは思えませんでしたが、新たなデータがあれば示すのは当然です。まだ先のことでどうなるかは分かりませんが、必要と考えられる調査データを開示していくことが、道路の必要の是非を含めて考える前提であるはずです。

今後、地域住民との協議が始まりますが、データを示すなど当然のことを行うことが大前提だと思います。たんなる通過儀式として、説明会や検討会を行うべきではありません。

この日の説明会で新たな展開はありませんしたが、地域住民との協議が始まるこれからが大きな正念場となりそうです。