まちづくり条例の課題

2月14日に「武蔵野市まちづくりシンポジウム」が開催されました。
武蔵野市では、大型マンションや高層ビルの建設にともない住民との紛争が起きていますが、起きた原因のひとつには、規制をする根拠がないことがありました。そのため、建設前に協議ができることを規定するまちづくり条例に期待が高まっています。市では、21年度4月から施行したいとして、現在、パブリックコメントを募集中です。
期待したい条例ですが、課題もあるとこのシンポジウムを聞いていて思いました。


まちづくり条例は、武蔵野市都市マスタープラン(平成12年6月)には、「公私協働のまちづくりを、武蔵野市のまちづくりの体制として確立するとともに、多様な主体が役割を担い、互いに協力してまちづくりを進めていくことを明確に位置づけるために、まちづくり条例を制定する」と記されているように以前から考えられていた条例であり、もっと早くから考えておくべきだったとも言えるでしょう。

とはいえ、やっと形になり、今年の9月議会に上程し来年の4月から施行という日程も明らかになったのですから、大いに期待としたいと思います。

このまちづくり条例ですが、これまで議会には

・法制度の適切な活用に基づくまちづくりの推進
・住民主体による地域でのまちづくり活動の活性化
・開発業者に対し条例による事前協議や意見調整の仕組み、手続の制度化
・市民、開発業者、市の適切な役割分担と協働関係の構築に向けた「作法」の提案

と目的については説明されています。

しかし、この日のシンポジウムではパネラーから、条例ができたからといっても安心はできない、との発言がありました。確かに条例ができれば良いのではなく、課題は残されています。

そのひとつは、まちづくり条例の先例として練馬区と狛江市の担当者がパネラーとして参加されていましたが、練馬区の場合は、施行されてもすぐに改正を行っているなど完成された条例ではないこと。狛江市の場合は、条例に基づいて住民が望むような計画ができたのは、まだ1ケースしかないという事例報告があったことです。

条例はあくまでもツールであり、活かすかどうかは、運用する市、そして、当事者でもある市民にかかっているということになるからです。

二つ目としては、今回の条例の最も特徴的なことに、事業者と市民との間に調整役として公平な立場から調整や判断を行う「まちづくり委員会」が作られることがありますが、具体的にどう作っていくかが、今ひとつ明確でないことです。

このような中間的な組織が必要であることは、これまでにも私は提案してきていますし、制度化しようとのこの条例は歓迎ですが、施行される時点で委員会が動き出せていないと条例が機能するのか不安に思えてしまうことです。

「まちづくり委員会」は、多くの場合、有識者だけでなく公募市民などで構成されますが、その市民がどの程度まで法律について理解ができているかなどが課題になります。そのため、武蔵野市のまちづくり条例でも、まちづくり協議会に対して専門家の派遣、情報の提供、活動費の助成などを行うとしています。
これは当然のことですが、まちづくり条例を施行後すぐに実効性をもたせるとなると、条例施行前に支援を始めて行く必要があるはずです。しかし、現状ではまだ、のロードマップが見えていないのです。

もうひとつは、この日の会場発言であったのですが、「まちづくり委員会」のような中間支援組織を行政が下請け機関と考えてしまう課題があります。これは意識の問題ですから、具体的に何をどうするとはになりませんが、大きな課題であることは確かでしょうl。

課題は多いと思いましたが、あくまでもツールです。活かせるように今から戦略も考える必要があるでしょう。特に「まちづくり委員会」を早急に具体化すること。支援体制を明確にする必要があると思ったシンポジウムでした。課題は多いと思いますが、期待をしたい条例です。