調整計画は財政計画から

調整計画原案について、市議会全員協議会では時間をムダに使われ策定委員と議論できなかったのが心残りですが、その前にこのような計画策定で、なぜ財政、つまりは、お金の話を先にしないのか不思議でなりません。

あれもこれも欲しいというウイッシュリストの計画から、いったいいくらの財源があるのか。全体のパイを見越した上で、何ができるのかを考えることのほうが先ではないかと思うからです。全体のパイ、使えるだろうというお金を考えておかないと、それぞれの事業は公がやるのか、自助でやるのか、協働でやるのか。あるいは民間か。何でもいいから民間にすればことが済むとの論もあるようですが、事業目的、成果目標を想定するには、費用面も考える必要があるはずです。

家の家計で考えてみれば、新しい車を買おうとか新しいパソコンを買おうと思ったら、自分たちの給料の総額から家賃や電気代など必ず払う経費(義務的経費)を除いた残りの額でいくら使えるか(投資的経費)を考えるはず。自治体の財政は、単純ではないと思いませんが、もっとシンプルに考える必要があるはずです。


今回の調整計画原案を見ると、平成20年度~24年度の5年間で投資的経費として考えられている額は、488億円です。つまり、新規事業やこれまでの事業のランニングコストも含めて、この額からどう使うかで計画を考える必要があるのではないでしょうか。

この額から補助金を省くと一般財源は196億円。補助金に頼らない市独自の財源でできるのは、年間約40億円というパイになります。

また、17年~21年度の計画額が365億円ですから、この原案に書かれているような事業を行うとなると、この年度よりもプラス123億円が必要になることになります。

さらに488億円の内訳を見ると、基金からの繰り入れが5年間で127億円、市債が98億円となっています。家庭の財布で考えれば、貯金の切り崩しと借金で225億円を作り出すということになります。

市債は、施設の建設費などを今の市民だけではなく、将来の市民も負担することなり、今と未来の市民とで共に負担するとの意味もありますから、全面的に悪いとはいえませんが、借金であることには変わりありません。将来の市民が減る可能性もあるのですから、闇雲につくるわけにはいかないでしょう。

このような数字は、本文とp127に表で出てはいます。予測が難しい中でせっかく計算しているのですから、もっと分かりやすく示すべきではないか、と思います。あくまでも推測であり、財源が足りないからと言って、急に増やすことはできないことは十分理解できますが、家計と同じで財布の中身はしっかりと把握するべきであるはずです。

この数字が一人歩きすると、財政担当は、足りない、あるいは余っても推測が甘いなど後から言われてイヤな思いをするかもしれませんが、行政や議会だけではなく市民も数字として把握をするべきだと思います。

原案に示されている額は、原案どうりに調整計画を進めるとなるとこの程度の予算だてになる、との考えで計算されているようです。でも、事業ありきではなく、今後の見込みはいくらぐらいとの発想で財政計画は先に作るべきだとも思います。

そして、使えるであろうとの額、パイを先に想定してから、今回の調整計画で示されている事業はそれぞれいくらぐらいかかる。必要のない事業は何か。もっと効率良くできる事業は何かなどを市民も一緒になり議論することが必要であり、その仕掛けとしても調整計画に分かりやすく書き込みが必要ではないかと思います。

事業を行うにしても、お金ではなく場所を提供するだけでいい、規制を変えるだけでも十分できるなど手法はさまざまあります。優先順位考えることも必要でしょう。納税者でありサービスの受け手でもある市民と行政、それに議会も一緒になりアイデアを出し合うことででより発想は豊かになりよりよい市政になるのではないでしょうか。それが協働なのだと思います。

要望だけを言ってあとはお任せ。誰かがやってくれる。やないからおかしいと批判するのではなく、なぜできないのかの理由も市民と行政、議会が一緒に考えることも重要。計画の重箱を突くだけ、足を引っ張ろうとしているだけでは、何もよくならないはずです。