国分寺市の中学校給食

市議会文教委員会で国分寺市の中学校給食について視察してきました。国分寺市でも長年、中学校給食を実施してきていませんでしたが、昨年の10月から実施しています。その内容だけではなく、地産地消の観点から、地元産の食材を多くと入れようとしている手法について伺ってきました。


国分寺市の中学校給食は、メニューや栄養価、使用する食材は市の栄養士が決め、これに基づいて民間の業者が食材を購入し、調理、学校への搬入をするという民間委託方式の給食として実施しています。

学校給食法に基づく給食となりますので、保護者負担は食材費のみで一食あたり250円。調理のコストなどを入れると一食あたりの総額は500円になる、と市の担当者の方は話されていました。武蔵野市の給食が小学校で一食あたり800円台であることを考えると、この差額は武蔵野市でも大きな課題になりそうです。

ただし、国分寺市の場合は、配膳された給食を学校内で配置する人件費は市が負担していること。給食とはいえ、武蔵野市の小学校給食のように陶磁器の食器を使うのではなく、箱に入った弁当となっていること。そのため、ご飯は保温容器に入ってはいるものの、おかずは冷たいまま。汁物はできないとの制約があります。

武蔵野市の場合は、給食調理職員には市の正規職員がいますが、今後数年で大幅に退職し、嘱託や臨時職員となること。中学校給食を実施することで施設の効率は良くなり、単価は下がることが予想されます。
そのため、コスト比較は単純にはできませんが、課題になることは確かだと思います。

この民間業者ですが、国分寺市では、栄養指導などは市が行い、全中学校の生徒数2000人に対応できることを条件に民間業者を探したのだそうですが、すぐには見つからず、結局は日野市の業者が対応することになっています。日野市には大きな工場がありますから、この工場などを対象とした弁当業者があることで対応ができたのでは、と推測ができます。

そのためこの業者は、自社工場内で皮むきや泥落としなど食材の事前調理施設を持っていません(武蔵野市は給食施設行っている)ので、下準備された食材を納入させて調理を行っており、中学校給食でも同様に実施しているとのことでした。

生産者の顔が見えることでの食育、昨今では移動にかかるCO2を減らすことにもなるので、身近な畑で取れた食材を給食に使う地産地消が給食にも求められていると思います。
国分寺市では、食材を指定するときに地場産の野菜を使うように指示を出しており、民間業者も使うようにしています(契約で決められている)。
国分寺市の小学校給食は自校方式ですが、地元産の食材使用率は約23%。これを30%に高めるように目標設定をしており、中学校給食でも同様の使用率にしたいとしていました。

視察には、市の担当者だけではなく、生産者の方も同席していただきました。
給食への納入については、ある程度まとまっているので納品しやすい。そのため、価格を抑えることができると話されており、給食への納品は歓迎しているのだそうです。

これまで、地場産食材を使うと購入価格は高くなると思っていました。多量に生産できる地域の食材(海外も含めて)使うほうがコストが安くなるのと考えていたのですが、そうではないことになります。市の担当者も、実際に購入費用は安くなっていると話されていました。

しかし、調理の前に下調理の業者に納入する必要があり、地場産でも加工業者へまず納入しなくてはならないため、給食に使用する二日目に収穫しないとならない、と生産者の方は話されていました。

地元産の食材を使うことは、新鮮な食材を使えるというメリットが最も大きいと思いますが、経費の削減にはなるのでしょうが、二日目に納品では少々疑問に思いました。

武蔵野市では第四期長期計画に『桜堤調理場の老朽化が激しく、また、建築基準法等の制限により建替えに困難が予想されることから、建替え、移転あるいは調理など主要部分の民間委託や事業の民営化など対応策を広く検討する』とあります。議会内にも民間委託にすべきとの意見も聞かれます。

もし今後、武蔵野市で給食を民間で、との課題が出てきた場合、武蔵野市周辺で対応できる業者があるのか、民間委託の是非の前に課題となりそうです。

また、武蔵野市では、地場産の食材を小学校給食に多く採用しています。同じ施設を使いますから、中学校給食でも同様になるはずです。

民間委託で地場産食材を使えることになるのか。
以前視察した民間委託(NPOへの委託)をしている十日町市の給食の場合、市場に入る一番良い食材を新鮮なうちに給食で使えるとのメリットがあるとしていましたが、国分寺市の民間委託方式では難しいようです。同じ民間委託とはいえ内容は異なっているのです。民間委託すればそれでいいとはなりません。

武蔵野市の給食が民間委託になるかどうかは分かりませんが、どのような食材がいいのかは、給食の大きな課題でしょう。いろいろと参考になる視察でした。

【参考】
NPOによる給食
再び十日町のNPO給食