NPOの止め時

市役所西棟7階に新たな開設された市民協働サロンで、12月1日に開催された「武蔵野市NPO・市民活動フォーラム」~武蔵野市が目指す協働とは~(主催:武蔵野市/市民活動フォーラム実行委員会)に参加してきました。
この会の最後に、NPOの止め時は何時なのか、との質問が会場からあったのですが、この質問にはいろいろと考えさせられました。目的を持って作られるのがNPOですから、目的を達成したらどうなるのか。考えなくてはならない課題だと思います。



このフォーラムは、新川達郎同志社大学大学院総合政策科学研究科教授による基調講演の後、健康福祉、子育て、環境、まちづくりの部門に分かれて分科会を行い、分科会報告をあわせてのパネルディスカッションとの構成となっていました。それぞれに、時間が足りないと思えるほど、密度があったと思います。分科会の報告事例も参考になると思いました。
このような形式のフォーラムなどはいろいろな自治体で行われていますし、今や珍しい内容ではありませんが、武蔵野市内ではあまり見かけないように思えていました。今回、市が主催者として名を連ね、しかも市役所で開催したことは非常に大きな意味があると思います。今後のパワーアップを期待したいと思います。

今回の基調講演では、市役所が何でもやる時代ではない。市役所がいらないのではなく、市民と行動していく時代になった。新たな公共と地方自治を考える視点が必要だ。

そのためには、住民、地域に民主意識(議論し討論する、意見交換できる場を持つ)が必要。しかし、地域には限界がある。志を持った人は限られているしお金も時間も限られている。だから、足りないことは協働していくしかない。
これまでは、提供する側と、いただく側であったが、生産者であり消費者になる市民になることが必要になる。これが、パートナーシップの基本だ。

行政側にも、言葉だけの協働や下請けにはしない考え方が必要であり、住民に力を与えること。あるいは、応援をするとの姿勢が重要と話されていました。

これらは、協働を考える場合にとても基本的なことであり、重要なことだと思います。足りないところを補うというよりも、住民のNPOを安上がりな労働力としてしまうことがよくありますので、注意が必要です。

新川教授は、行政がそうならないためには、市民の力が必要であり、行政と連携できるNPOが必要になる。そして、NPOのミッションが重要になるとも話されていました。

全国調査で3000の事例を集めて調査したのだそうですが、行政が答えた協同事業なかには、単に補助金を交付しただけという場合も含まれていたのだそうです。協同、協同とはいうものの、そもそもの協同、パートナーシップとは何かを定義する必要もあるのだと思いました。

これは基調講演会での話ですが、分科会の後のパネルディスカッションで会場から、NPOは何時やめるべきなのか、との質問がありました。

パネラーからは、スタッフを雇用している場合もあるので簡単に止めることはできない。しかし、ミッションが達成したのなら止めてもいいはずだ、との意見が返されていました。

止めることが正しいのかどうかの見解は、まとまってはいないようです。

■ある場所の管理運営など行政の事業を委託したNPOが他に場所の委託を受けるなどの事業拡大や独占しようとすること。そのことにより理事者の名誉欲を満足させるためにNPOが使われてしまうことはありえることです。本来の目的、ミッションを達成したあと、どこまで拡大するのか、あるいは、どこまでが適正規模なのかを考える必要がNPOにはあるのかもしれません。

行政も特定NPOとばかり協同するのでなく幅広くいろいろなNPOとの協同も考えるべきなのでしょう。NPOと協同していればいい、とは単純ではないはずです。そもそも、非営利ではあるけれども何を目的としているのかも協同の相手として考える必要があるのでは、と思いました。

そういえば、極端な例ですが、ミイラ化した遺体をそのままにして生き返ると考えていたカルト宗教団体がNPOを申請していたり(却下)、NPO運営のテレクラもあったのですから、NPOなら何でもいいというワケではないのです。自治体の事業も同じですが、何を目的にしているか、何のミッションを持っているのか、いつまでに達成するのかなど想定しておかないと、単にお金を使っているだけ、長年続けていることだけが目的となり成果が分からなくなりがちです。協同も同じようにしてはなりません。協同が目的ではないのですから。
何のための協同なのか。目標とミッション、そして、期限も必要では、とも思えた質問でした。考えさせられました。