車椅子用トイレは議会にふさわしいか

11月26日に市議会各会派代表者会議が開かれ、議会棟にあたる市役所7階に車椅子対応のトイレを設置するかどうか話あわれました。
結論は出ず。議会に車椅子対応のトイレがふさわしいかどうか、見解が一致しなかったためです。



市役所には現在、車椅子対応の多目的トイレ(オスメイトやベビーベッドを併設)が1階と8階にあり、法的にはこの数で十分となっています。

しかし、今年の4月に車椅子に乗る斉藤シンイチさんが議員となったことで、議会機能が集中している7階に車椅子で使えるトイレがないこと。本会議場入り口に階段があり車椅子で入れないこと。一般質問などを行う本会議場の演壇にも階段があることや立って話すことが前提となっていることから、車椅子では演壇に隠れてしまうことなど議場には多くのバリアがあることが分かりました。

そのため、議場をバリアフリーにしていくことになったのですが、大幅に議場を変更するには多額の改造費がかかります。本人が多額の税金を使うことを望まないこともあり、どこまで効率的にできるかでこれまで議論が続いてきました。

本会議場への出入りは、簡易スロープを付け、議会事務局員か議員が手伝うこと。演壇は、昇降する椅子をレンタルすることでこれまでは対応してきており、今後もよりよい方法を検討していくとの結論にこの日の会議ではなりました。

しかし、車椅子対応のトイレを作ることだけは、一会派だけが場所について了承しなかったため結論がでなかったのです。

代表者会議は、規則により設置している正式な議決機関ではありませんので多数決による意思決定はせず、話し合いにより全会派一致として決定することにしてきていますので、一会派だけでも反対すれば決定はできないのです。

ですが、これまでは多数の会派が賛成すれば、よほどのことがない限り、反対の会派も了承する、あるいは妥協点を見出す運営としてきたのですが、召集した議長がこうしたいと示しても、見解が違う、議会棟としてふさわしくないとの理由で納得しない会派があったのです。

市役所の7階(増築した西棟を除く)には、本会議場の入り口近くと委員会室にトレイがあり、市の施設課が車椅子対応のトイレを作るとなると可能性があるのは、この二箇所を改造するか、本会議場入り口近くにある給湯室を改造する3パターンしかないとしています。

このうち、給湯室は、議会へのお客さんへのお茶出し(他自治体からの視察や会議など。武蔵野市議にはなし)を考えると他の場所では不都合になる。委員会室前は、下のフロアがトイレではないので大幅な改造が必要であり、漏水があった場合にも困る。
そのため、本会議場入り口前にある男子トイレを改造する案が有力となりました。
この場所であれば、市民との協働スペースもある西棟7階からも近く利用しやすいことも考えられます。男子トイレが狭くなり、便器の数が減ってしまいますが、歩いて他のトイレを使えばいいだけですので、私もこの場所で良いと思いましたし、一会派を除く他の会派も同じ見解ともなりました。

しかし、7階は本来は議会棟であり一般市民が対象ではない。本会議場正面にそのようなトイレを作るのはおかしい。委員会室前なら了承する、との見解が出され全会派一致とならなかったのです。

自治体によっては、市役所と議会棟が別棟になり独立している議会もあります。しかし、武蔵野市の場合は、市役所と同じ棟です。市民の税金で作られているのですから、議員が優先されるべきだと私や私の会派では考えられないのですが、見解はまったく異なるようです。

市役所の西棟を増築する理由のひとつに会議室が不足していることがありました。それなら、稼働率の低い本会議場や全員協議会室、委員会室を使えばいい。市民にも開放したらどうかと提案したこともあるのですが、議会棟だからとの理由で実現とはなりませんでした(特別な事情があるときは市役所向けへ貸し出しは行われるようになっている)。
議会が開催中であればともかく、使っていないのであればもったいないと思うのですが、このときも見解が違っていました。

現在は歩けていても、交通事故を含めて誰でもが車椅子になる可能性はありますし、もっと車椅子を使う議員が増えるかもしれません。バリアはなくすべきですが、見解というバリアは非常に高いようです。

西棟を増築し、市民との協働スペースを作るのだから、多目的トイレも必要だと当時の所轄委員会であった総務委員会で質問したのですが、法的には現状で十分との答弁でした。
市役所の設計という思想のバリアも今後は低くする必要があると思います。