新潟市の中学校給食

e5daf168.jpg市議会文教委員会で新潟市の中学校給食を視察しました。
新潟市には、現在は57の公立中学校がありますが昭和43年までに4校で中学校給食を実施していらい他の中学校では長年にわたって実施していませんでした。市民要望を受け、平成14年から順次全校で実施しています。

武蔵野市でも試行が始まり中学校給食の実施が待たれていますが、路線が変更され実施されたことで課題があるのが、何が変わったのかなど現状の成果などについて伺ってきました。


新潟市では、小学校給食は実施されてきたものの、昭和30年から昭和43年にかけて4校のみで自校方式の中学校給食を実施しましたが、昭和40年代に中学校給食を進めると行政計画には書かれたものの整備は行われず、牛乳給食の実施のみで昭和50年には計画にも盛り込まれない状況となっていました。

その後、市民からの要望が高まり、平成6年に「中学校給食懇談会」を実施。「家庭からの弁当持参を認める形での実施が望ましい」との報告が出され、平成10年に「中学校給食に関する市民意識調査」を実施したところ、弁当に意義を認めるも完全給食(牛乳+給食)に賛成が63%あったことから平成12年に、弁当併用、民間委託、早期実施を基本に実施することが表明されました。

その後、平成13年に2校でモデル実施を行い14年に試行の検証。15年~16年にかけて市内全校で実施となっています。

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現在では、視察先の中学校のように給食センターで調理され、ランチルームで全生徒が給食を食べることができる(弁当も可)方式とランチボックス(給食が入った弁当箱を配送)方式、順番でランチルームを使う中間の方式。さらに先行実施されていた自校方式も残っています。
また、小学校給食には、直営の給食センターがあるためさまざまな方式で実施されいるのが新潟市の学校給食となります。これは、合併により旧自治体の方式がそのまま移行されていることも理由となっています。

現在の新潟市の基礎データは下記。

中学校公立中学校数=57校。
全生徒数=2万2473人。
自校方式の中学校給食実施校=8校(うち親子1校)。
センター方式の中学校給食実施校=20校。
ランチルーム実施校=28校。
 

民間委託されている給食センターの場合は、食材やメニューを決める栄養士などは行政が行い、指示書を元に民間業者が食材を調達し調理、配送、配膳、回収、洗浄、保管を行っています。調理員は民間が雇用し夏休み期間中などは休み。
この民間の給食センターは中学校給食実施のために新設されたものですが、給食以外にも施設は利用できる契約となっています。そのため、一社のみですが、チルド食品の製造に給食センターを使用しています。

給食メニューは2種類。
事前に「ポイント」として給食費を払い込み、一人ひとりの生徒が持つカードに記録。校内に設置されている専用の機械で事前に公表されている日付ごとのメニューを見ながら、必要な日を予約していくシステムとなっています。

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学校給食法に基づく給食ですので費用は食材費のみとなるため、一食が260円(プラス牛乳代40円)。

ランチルーム方式は、業者が調理済み食材を運び、校内にある配膳室で盛り付けてランチルームで食べるもの。ランチボックスは、配膳室がない学校(整備途中)では、弁当箱に入った給食を教室で食べるものです。全生徒がランチルームに入れない学校は、グループごと順番でランチルームを利用し、利用できないグループは、ランチボックスとなります。市内には、都合、4種類のメニューがあることになります。

食材に地元食材を使うことについては、国産を基本になるべく地場産を優先させるように指示しているとのこと。
ただし、必要な数を揃えられるかとの課題があること。食材選定は民間の業務となっていますので強制することはできず、地産地消給食とはなっていないようです。

平成19年度予算での中学校給食事業費は、6億700万円。内訳は、調理などの委託費が5億2844万8000円、予約システムリース料が6743万3000円など。

気になる利用率は下記。

年度  ランチ   ランチ    計
    ルーム校  ボックス校
    
16   57.7%    45.9%   49.0%
17   55.9%    44.8%   48.6%
18   59.4%    49.3%   52.0%
19   63.7%    53.5%   56.2%

(19年度は4月~9月)

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■利用率が思ったほど高くないな、が率直な感想でした。給食には量の加減がし難いとの課題がありますが、ランチルームの場合は、ご飯の盛り付けで対応でき、お代わりも可能ですので、この課題はないことになります。給食を利用すると手抜きと思われる精神的な負担から利用されてないケースもありますが、新潟市の場合は、保護者の声が聞けませんでしたので詳しくは分かりません。

弁当との選択方式ですので、食材を準備する都合で5日前までに給食を予約しなくてはなりません。そのため、予約を忘れていたり、当日に弁当が作れなくなってしまった場合には、給食を食べることができないデメリットがありました。
そのような場合は、コンビニ弁当に頼ることにもなります。また、菓子パンで済ませてしまい、残りをお小遣いにしてしまうケースもあったようです。

成長期に必要な栄養を摂取する。学習の一環と給食を位置づけると好きなものだけを選ぶことができることになる選択方式には課題が残ることになります。弁当の意義は否定しませんが、利用率をどう見るかで給食の意義が問われるように思えてなりません。

新潟市でも、当然ながら実施をしていますが、栄養士などにより食がいかに重要かを子どもに伝えていくことが、さらに必要ではと思いました。

ランチルームの利用率が高いことにも注目すべきでしょう。楽しく会食することも重要だと思いますが、ランチボックスという弁当箱で食べるよりも、同じメニューでもよりおいしく見えるからではと思えるからです。給食を食べることでバランスの取れた食事を食べるという目的を考えれば、より利用率は高くするべき。強制ではなく、と考えるとこのような見た目、雰囲気作りも重要だと思います。

また、ランチルームのほうが、ざんさいが少ないのだそうです。先生や指導員の人に見られていることが理由ではないか、と栄養士の方は話されていました。

これらは、武蔵野市でも参考になるのでは、と思います。

ちなみに、中学校給食実施の説明のさいに、長年にわたって中学校給食を実施しなかったのは、市長のポリシーか。市長が変わったから実施になったのか、と質問があったのですが、学校整備などを優先した結果ではないか。実施してこなかったのも、実施を決めたのも同じ市長なので、ポリシーではないと思う、とのことでした。
実施するさいに、愛情弁当のほうが良いとの声がなかったのか、議論にならなかったのかの質問には、そのようなことはなかったとの返答でした。

武蔵野市議会では、中学校給食を実施するべきか。すべきではない。愛情弁当のほうが良いとの議論が二年前までにはありましたが、今ではまったく聞こえません。
中学校給食の実施が早期に求められている昨今です。

【参考】
新潟市中学校スクールランチ

写真・上から

・ランチルームでの給食。二つのメニューから好きなほうを予約できる。

・ランチルームの様子。生徒数が少ないこともあり、全生徒と教師が一緒に毎日、ここで給食を食べている。

・給食の予約機

・ランチルームの配膳室。センターで調理された食材をここで盛り付ける。ご飯の量はここで加減する。