セカンドスクールの“危うさ”

e9cb0307.jpgセカンドスクールを視察してきました。視察先は、遊佐町と酒田市に出かけていた市立桜野小のセカンドスクールです。昨年、視察した三小の片品村とは異なり、民泊ではなく青年の家に集団で宿泊する方式で、同じセカンドスクールでも内容が異なっています。

桜野小のセカンドスクールは9日間。その行程の中の二泊三日、それも朝から晩まで一緒ではありませんので、ほんの少しだけで表面が分かった程度かもしれません。ですが、子どもたちの元気な様子とは異なり、現地の受け入れ態勢が大丈夫なのかな、と思えてしまいました。


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遊佐町、酒田市とも自然が豊かな場所ですし、自然体験、農林水産業体験のフィールドとしても問題はないと思います。しかし、スキー合宿などで以前から都会からの人を受け入れてきた地域ではありませんから、片品村のように民泊(民宿での宿泊など現地の家庭での宿泊)の体制や人材が整っているとは言えないのです。

現地では、ハイキングや自然体験、うどんづくりやワラ細工づくりなど地元の人が教えて下さったり、手助けしをしてくださっており、セカンドスクールとして考えれば現状では大きな課題はないと言えるでしょう。

しかし、地元のJAが協力してくださっているので組織として対応しているので良いとしても、他のプログラムは個人的なつながりが基本であり、組織体制とはなっていませんでした。あくまでも、個人の善意に大きく寄りかかっているのです。

個人とつながることで、地元のことや自然のことがよりよく分かったり、親睦が増すことは確かですし、良いことだと思います。ですが、家庭規模の個人的なつながりであればまだしも、学校教育として考えるとこのままで良いのか疑問です。もし、その人が何かの事情でできないとなると、その次からは続けられないように思えるのです。毎年、場所を変えるのも継続性として考えれば、調査の手間がかかるという事務的な面だけではなく、年数を重ねることで現地への思い入れも強くなるはずですし、それが交流であるはずです。

企業化するほどではないにしろ、現地の受け入れ体制がある程度整い、持続できることが必要だと思います。現地で考えれば良いこと、言ってしまえばそれだけかもしれませんが、桜野小以外にも訪れている武蔵野市の小学校があるのですから、武蔵野市としても考える必要があると思いました。

現在進行中の第四期長期計画には、「都市の窓を開こう」との目標があり、都会の富を地方に還元するという考え方もあります(地方自治体の役目と考えると疑問。ですが、この前提で交流やセカンドスクールが行われているのですから)。お客さんとして訪れるだけではなく、現地との交流を深めること、継続性を持たせるにはどうしたら良いのか。システムとして考える必要があるのではないでしょうか。

セカンドスクールには、期間の長さを含めて様々な意見があります。現地を見ることで、良い悪いだけでない課題が分かったと思いました。セカンドスクールの見直しを市では行っており、近く報告があると思います。

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宿泊先となってるのは、山形県立海浜青年の家
 青年の家は武蔵野市にもありましたが、山形では今でも活動が盛んで、いろいろなグリーンツーリズムのプログラムが組まれており参加者も多いようです。

参加者は、地元の小学生や中学生。
武蔵野市から訪れるほどのフィールドですが、地元も自然体験が必要ということなのでしょう。
そういえば、農業委員会で視察した飯山市でも農家の子どもが農業を知らないと話していました。
考えさせられました。

国も学校でのグリーンツーリズムや自然体験などを進めようとしています。
事業としては、良いことだと思いますが、そもそも子どもの生活自体を見直す必要もあるようです。

セカンドスクールには、期間の長さを含めて様々な意見があります。
それらだけでなく、行けばそれだけで良い観光客ではなく、どのようなプログラム、システムが必要なのか。遊びだけで訪れるのではなく、なぜその自然が保たれているのか。第一次産業の現実はどうなっているか。都会に住む人々になにができるのか。ソフトを提供してくださる現地の方に相応の対応をしているのかも含めていいところは伸ばす、ダメなところは改善するという見直しが必要だと思います。
 

現地を見ることで、良い悪いだけでない課題が分かったと思いました。
セカンドスクールの見直しを市では行っており、近く報告があると思います。
内容を見てからあらためて考えたいと思います。

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酒田市には、ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟で運営を一緒にやっている佐藤丈晴市議がいます。視察のさい、現地で会うことができました。佐藤さんは、海岸に漂着するゴミを除去するNPOを立ち上げるなど議員になる前から環境問題や環境教育に取り組んでいます。彼の所属するNPOだけではなく、酒田周辺にも自然体験や環境教育などに取り組む市民団体が増えてきているのだそうです。このような地元の団体や市民とネットワークをつなげることで、セカンドスクールの幅を広げても良いのではとも思いました。

写真:上から

・カントリーエレベーターの見学。何の施設のことか分からず、カントリーベアと関係あるスゴイ施設なのか思ったら、もみを乾燥しサイロに保管した後、もみ摺りをして米を出荷する施設のことでした。勉強になりました。

・お米の検査を体験する子ども。地元のJAが協力。

・うどんづくり。地元の人(高齢の方が多い)が訪れ、方言などを教えていた。この後、ワラ細工の指導もある。

・山形県立海浜青年の家