和光市の市民参加条例

8e261b4f.jpg市民参加の仕組みを確立し、保障をすることを目的とした和光市市民参加条例の話を伺ってきました。この条例を元に市民参加を進めるだけではなく、参加できたかどうかをチェックしていることが特徴です。また、住民投票の規定があることも注目です。


和光市市民参加条例は、平成16年1月から施行。条例ができたきっかけは、市長のマニフェストによるものです。和光市では、この条例により施策や事業を行うときに市民参加を行うように規定しており。具体的に対象となるのは、下記のような事業となります。

・基本構想や基本的計画(都市マスタープランなど)の策定や変更
・条例制定や改廃(環境基本条例、空き缶のポイ捨て条例など)
・おおむね10億円以上の大規模施設の建設
・市民生活に大きな影響がある制度の導入や改廃(小中学校の通学区域制度など)

ただし、災害など緊急対策や税金や料金の徴収などは対象にしていません。

これらの事業以外でも、市民参加を求めることが“できる”となっています。ですが、市が行う事業は山ほどあり、どの事業が規定されるのかは明確ではないようで、全ての事業で必ず市民参加をするのではありません。担当の方に伺うと、どの事業が対象になるのか議論になっているとしていました。

市民参加の手法はさまざまですが、和光市で規定されているのは下記。

・市民政策提案手続
・パブリック・コメント
・公聴会
・審議会など
・その他(アンケートなど)

この条例で特徴と言えるのが、まず、評価シートを導入して、どのように参加をしたのか、チェックをしていることでしょう。年に一回、公募市民、団体代表、職員も入っている市民参加推進会議が開かれ、市民参加の実施及び実施予定を取りまとめ公表しています。このことにより、市民参加が適正に行われているかチェックができることと、市民がこれから行われる市民参加に準備ができるようすることが目的となっています。

9条に、市民政策提案手続が明記されていることも特徴です。18歳以上の市民が10名以上で行える手続きで、市は提案のあった政策について検討し、検討結果と理由を公表しなくてはならないとなっています。しかし、現在のところ、実現はされていないとのことでした。

14条には、住民投票の規定もあり、1000人以上の連署と条例案を提出することができることも特徴でしょう。

これらのことは、武蔵野市でも通常行われていることですし、議会への陳情などで政策提案や政策の是非を市民が問うことができ、特に目新しいことを実施したとは思えません。しかし、明文化し評価をすることで、市民も行政も市民参加が前提であることが分かり、市民参加が前提で施策を考えるようになると思いました。
市民参加は、よく使われる言葉で目新しさはありませんが、このように条例化することで、本当にやっていると言い切れるのでは、と思います。

しかし、公募市民への応募が少ないことや職員側もどう活用すればいいのか迷っていることもあるようで、市民参加が“市民権”を持つには、まだ時間がかかるようです。

住民投票の規定があることで、議会を無視するのかと議会から反感をかいそうに思いますが、4条に「市の機関は、市民や議会と協働し、市政の公平、公正で効率的な運営を行わなければなりません」とあるように、情報は市と議会が共有するようになっていること。5条には「議会は、市民と情報の共有を図り、市民や市の機関と協働し、市民参加を進めるよう努めるものとします」とあり、議会の役割りなどを明記することで無視してないことになり、反発はないようです。

このことは、今後の武蔵野市でも参考になるかもしれません。

条例とは直接関係はありませんが、職員が猫のキャラクター「タマ」をつくり、市民参加に親しみを持ってもらおうと努力していることには好感が持てました。
計画や施策だけを作って、はい終わりではなく、知ってもらい理解し活用していくことで、条例も事業も生かされていくはずです。親しみやすく、という手法は参考になると思います。

担当の職員が、「条例が目的ではない。なぜ市民参加が必要なのかという視点が必要だ。市民参加には、担当によって意識の差がある。文句ばかりで汗をかかない市民もいる」と話されていました。これは、どこの自治体でも同じでしょう。市民参加の本質をついている言葉だと思います。
自分たちが住むまちのことは、自分たちで考えてきめていく。代行してもらうことはあるにしても、その心構え、市民自治の精神が必要なのだと思います。“おまかせ”では、市政はどうなるかわかりません。そのためには、文句だけではなく、自ら考え、少しでも自分ができることを行動して行く。そんな想いを和光市の条例から感じました。

【参考】
和光市 市政情報「市民参加条例」とは
和光市市民参加条例文

写真は、市民参加条例のPRのために作成されたハンカチ。市も市民も一緒に汗をかこう、と意味がある。猫はキャラクターの「タマ」。なぜ、猫かといえば、人にこびないからが理由。本当は、単に前任の職員が猫好きだったから。この感覚は好きです。