伝わらない沖縄

沖縄で行われた教科書問題での集会の報道を聞いて思い出したのは、本土には沖縄の情報、真実が伝わっていないと話されていた、桜井国俊沖縄大学学長の言葉でした。

桜井さんの話は、9月9日に開催された講演会「基地の島 沖縄から憲法を考える」(主催:むさしの憲法フォーラム)で伺ったものです。本土のマスコミから無視されている現状では、戦争と背中合わせで暮らしてきた沖縄の感覚が伝わっていない。本土の沖縄化も現実の問題になる。今は、憲法9条で首の皮一枚がつながっているが、これからはどうなるのか、との危機感を桜井さんの話からは感じました。



沖縄では、米軍ヘリが沖縄国際大学に墜落した事故があった。この事故の後、学長でさえ事故現場に入れなかった。事故の原因は整備ミスとされたが、整備をした兵士の名前は公表されず、氏名不詳のままでの起訴となっている。米軍は、犯人の名前を聞いてどうするのか、と開き直りとも思える発言をしており公表する考えがない。

他の学校内に装甲車が勝手に入り込むこともある。
米兵の性暴力事件が、これまでの35年で通報されただけでも5000件に上ると言われている。

普天間基地の問題も注目されているが、同時にヘリ基地を作ろうとしている。環境アセスが行われているか、どのようなヘリになるのかで、アセス内容が変わるのに、ヘリの記載さえなくアリバイのようなアセスだ。これは、配備しようとしているヘリが「オスプレイ」だからだろう。「オスプレイ」とすれば、反対されるからでオスプレイ隠し、新たなる沖縄密約ではないかと批判されている。

なぜこのようなことが許されるのか、といえば、沖縄だからだ。

「オスプレイ」とは、米海兵隊が現在使用しているCH46輸送ヘリに代わる兵員輸送機。エンジンの角度をかえることで垂直離着陸が可能になり、ヘリコプターと飛行機の長所を持つ航空機です。しかし、開発に20年以上がかかっており、これまでの30人が死亡するなど安全性に疑問が持たれ、大型化されることで周囲への騒音などの問題も指摘されています。

確かに東京にいるとマスコミからは伝わってこない情報ばかりでした。

勉強不足と言われれば、それまでですが、今回の話を聞くまではおぼろげな沖縄の姿しか分かっておらず、現実はもっとシビアなのだろうと思いました。教科書問題で多くの人が集まり、声を上げているのには、教科書だけではない沖縄だからこその理由があるのだと思います。

沖縄には日米地位協定があり、本土の常識とは異なるのかもしれませんが、明らかにおかしな状況だと思います。

また、沖縄では、軍隊が民衆を守らないと思っている。これは、戦時中に兵隊がいなければ敵も攻撃しないとの信念で日本軍の駐屯を拒絶し、事実、米軍を攻撃せず、犠牲者を出さなかった前島の例があるからだ、との話があり、本土の人とは基地に対しての感覚が違うとも思いました。

そして、
戦後平和になっているのは沖縄の犠牲によるものだ。
そして、基地は沖縄にある理由はない。予算が付く、思いやり予算があるから作っているだけだけだ。本土でもかまわない。これから進行するのは本土の沖縄化ではないか。 
とも桜井さんは話されていました。

教科書問題については、沖縄では「集団自決」とは言わない。「強制集団死」を使うようにしているのだそうです。

桜井さんは現状の沖縄や歴史について、多くのことを話され全てを書くことはできませんでした。書き落としたこともたくさんあります。上記は、私が気になったことにだけついて書いてみました。
沖縄の情報が伝わらない、伝えようとしないことで、次の何かがあるのかもしれません。

戦争は情報を操作して開始される。イラク戦争がまさにその例。為政者はガセネタで開戦し参戦し弁明はしない。これを知らないと…

との言葉も耳に残っています。

【参考】
iza! 「MV22オスプレー 時速500キロ、驚く機動性
沖縄タイムス 「やはり政府はうそを」オスプレイ配備隠し
琉球朝日放送 「検証動かぬ基地76 オスプレイ配備と高江の現状」
YouTubu  「V-22 Osprey Crash」