アフガニスタンへの支援は海上給油だけか

国際テロ対策として、日本による海上給油などへの「謝意」を記した国連安全保障理事会決議が採択されましたが、ロシアによる棄権など、すっきり納得できない決議です。9月21日の新聞各紙は社説で取り上げるなどで、それぞれの主張を論じ、海上給油を続行すべきか否かが、政局の大きな争点になるのは間違いがないでしょう。

これらの報道を見ていて疑問に思ったのは、日本がアフガニスタンで行っていたDDR(Disarmament, Demobilization and Reintegration。兵士の武装解除・動員解除・社会復帰)について報道がないことです。海上給油だけではなく、他にも重要な平和貢献活動を行っているに、なぜ報道がないのでしょうか。


DDRは、以前、武蔵野市内で講演をお願いした伊勢崎賢治さん(東京外語大教授。元アフガニスタン武装解除日本政府特別顧問)が紛争解決の重要な任務として紹介されていたことで知ることができました。

平成17年7月7日に町村外務大臣談話「アフガニスタンにおける元兵士の武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)計画における武装解除完了について」が発表されています。

このなかには、
「極めて困難な状況の中、同国のDDRが進展し、旧国軍約6万名の武装解除に至ったことは、同国の治安分野改革における最初の大きな成果である。アフガニスタン政府の努力に対する国際社会の支援を国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)と共に主導したわが国として、本事業に取組んできた同国政府(特に国防省)関係者、国連関係者、DDR実施機関である「アフガニスタン新生計画(ANBP)」関係者などの労苦を評価する。

今後、武装解除・動員解除された元兵士の社会復帰支援が来年6月まで継続される。また、同国にはいまだ多くの武器が残っており、非合法武装集団の解体が重要課題となっている。このため、アフガニスタン政府の努力に対する国際社会の支援は不可欠であり、わが国としても引き続き最大限の支援を行っていく考えである」

と書かれており、海上給油だけが支援ではないことを外務大臣も認めていることになります。
アフガニスタンには、JICAも支援を行っているのです。

この支援は、テロ対策として実施されたのではありませんが、海上給油もDDRも本来の活動の目標はアフガニスタンに平和をもたらすことではないのでしょうか。
この目的ではなく、自衛隊を海外で活動させたい、そのためにいろいろな理由を考えている、としか思えません。

紛争は、武器があるからより悲惨になります。すべての武器をなくすことはできないでしょうが、少しでも平和に近づくために危険な作業を日本が担っていた。この事実をもっと知るべきではないでしょうか。そして、海上給油の意義は認めますが、他にも支援があるので、と思います。

【参考】
日本国際問題研究所 DDRとDIAG 

JICA アフガニスタン(PDF/908KB)

魂の仕事人 伊勢崎賢治氏

東京新聞「伊勢崎賢治さん 平和構築 軍事こそ直視を」