武蔵野市の争点は自治基本条例?

9月18日から18年度決算特別委員会が始まりました。初日には、人事(正副委員長決め)だけですので、実質的な初日となる19日は、総括質問、人件費、歳入、議会費が審議されました。

18年度予算が執行されたことで、市民生活などがどのように変ったのかなど、予算の執行は適正だったのかを審議する委員会ですが、この日は総括ということもあり、細かなことの審議はありませんでした。
その中でも注目すべきと思ったのは、現在、市が進めている住民基本条例について疑問を持つ意見があったことです。自治基本条例の制定がこれからの武蔵野市政の大きな争点になるのかもしれません。


自治基本条例とは、簡単に解釈すると、主権が市民にあることや具体的な市民参加のシステムを保障するための条例です。市政運営の意思決定に市民が関わるよう明文化することになり、自治体の憲法とも呼ばれることもあるほどです。

日本国憲法では国民に主権があることが規定されていますが、地方自治体にとっての主権は誰にあるかを明確に定めた法令はありません。
また、市民参加を進めるのであれば、具体的な仕組は法令では定められていませんので、市が独自の定めておく必要があります。
つまり、自治基本条例は現在の法令の不備を補うことなり、本来あるべき市民と市の関姿を自治体が自ら定めることになります。

地方分権が進み、地方自治体自らが考え、決定し責任を負う時代となっていますから、自らの市をどうするか、市民自ら決めるために自治基本条例を定めようと多くの自治体で進められています。市民参加を前面に出している邑上市長も制定には積極的です。

自治体によっては、まちづくり条例との名称で同様の規定をしている自治体もありますが、武蔵野市の場合は、建築関連の法令をのみをまちづくり条例としていますので、市の根幹となるのは、この自治基本条例となります。

この日の委員会で自治基本条例についての議論となったのは、18年度から始まった長期計画の調整計画に関連してでした。

質問した委員からは、自治体の憲法と言われるほど重要ならば、議会の議決を必要としてない調整計画に書き込むのはおかしい。
市長の公約にもないしほとんどの市民は知らない、長期計画にもかかれていないのだから、市長がやりたいから進めているだけで強引ではないか、というような見解に私は思えました。

長期計画に書かれていない政策を実施できないとなると、一枚の手紙から実現したとされているムーバスやストリートスポーツ広場。あるいは、吉祥寺シアターなど長期計画に書かれていなくても実施している事業があるのに、批判されていないのですから矛盾が起きてしまいます。

強引に実施すべきとは思いませんが、時代の動きは早く、その時代に必要であるのな長期計画にかかれていなくても実施をすべきではないでしょうか。

私は、住民自治、地方分権を進めていくには自治基本条例が必要であり、早期に制定すべきだと思います。
しかし、自治基本条例には住民投票も含まれることも多く、市民自らが意思決定できるとなると議会の存在意義がなくなる、議会や議員の権威がなくなると考えて反対する議員も多いようです(武蔵野市議会は分かりません)。

その理由には、究極の市民参加が議会である、との考え方からのようですが、もし、そうであるのなら、議会自らが市民の意見を聞く公聴会を開くことや参考人制度を活用しているかといえば、ほとんど活用していないのが実体です(自体議会改革フォーラムの調査より)。

選挙で選んだのだから後はお任せ。どうぞ勝手に決めて下さい、と有権者が考えるのか。最終判断(議決)や政策提案を議会の仕事とするが、意思決定には市民(有権者だけではなく18歳以上などの市民も含む)も参加すべきとするのか。自治基本条例には、じつは議会のあり方、有権者の考え方も問われるのだと思います。

自治基本条例への質問が決算なのか疑問ですが、自治基本条例が注目されているのは確かと言えるでしょう。邑上市長の政治姿勢への評価規準として自治基本条例が注目されていく。つまりは、今後の武蔵野市の争点になるのかもしれない、と今日の委員会を傍聴していて感じました。
自治基本条例は、現状では平成21年度に制定される予定であり、市長選挙がある年でもあるのです。