長崎市の子育て支援センター

長崎市で行われている子育て支援センターを見てきました。
訪れた先は、JR長崎本線西浦上駅近くにある「ぴよぴよ」。学校の教室ひとつ分程度の広さで0歳から3歳程度の子どもを育てている親同士の交流、悩み相談などを行っています。スタッフの方といろいろと話しましたが、武蔵野市でもヒントと思えたは、ほどよい“狭さ”でした。以前、スェーデンの社会学者、ブライアン・アシュレイさんが来日されたさい話を伺ったのですが、彼も子育て支援施設には“狭さ”が必要だと話されていたからです。

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長崎市は、06年度から子育て支援事業のひとつとして子育て支援センターの設置をスタートさせています。「ぴよぴよ」は第一号として06年7月にオープン。10月には他に3ヶ所がオープンしています。将来的には市内東西南北と中央の各地区に1~2ヶ所程度を開設し市内に7ヶ所の開設を目指しています。

運営は、市内に事務所がある法人や団体(法人格の有無は問わない)を公募。10月~3月までの運営助成金は175万円を上限としていました。施設の維持管理費は市の負担です。

「ぴよぴよ」を運営しているのは、公募で選ばれたNPO「長崎いのちを大切にする会」。昭和59年から活動し産前産後の母親を支援する活動をしてきている団体です。他の支援センターもNPOか社会福祉法人です。

支援センターの役割りは、次の三つ。
・親や子どもが交流したり仲間づくりをしたりする「つどいの場」の役割
・親同士が子育ての悩みや不安、疑問などを相談し、お互いに助け合う「相談の場」の役割
・地域の子育ての情報を提供したり、親同士が情報交換をしたりする「情報提供の場」の役割

スタッフの方に話を伺っていると、話相手がいることが最も喜ばれているのでは、と話されていました。転勤で長崎に引っ越してきて、誰も知り合いがいない中で子育てをしている人が多く、スタッフと話したたり、ここで仲間が見つかった人も多いのだそうです。

また、週に一度、小児科や助産婦さんが定期的に訪れることになっており、予約不要で相談ができます。お弁当を持参すれば昼食を食べることができますし、ベッドもありお昼寝になっても大丈夫。シャワー施設があるのでおむつ交換ができるなどいろいろと配慮されており、気軽に立ち寄れるようにも考えられていました。
「ぴよぴよ」は駅前にあり、商店街も近いので買い物ついでに訪れることも可能です。イベントなどもあります。

スタッフの方と話して面白いなと思ったのが、程よい“狭さ”のことでした。ある程度の“狭さ”によって訪れてきた人たちが子どもを遊ばせながら自然発生的に話をし始めることができるということです。広すぎてしまうと散らばってしまうので話のきっかけづくりが難しいのではと思いました。

以前、スェーデン在住の社会学者、ブライアン・アシュレイさんが来日したさいに話を伺ったのですが、同じようなことを話されていたことを思い出しました。
アシュレイさんは、スコットランド初の冒険遊び場づくりに携わり、IPA(子どもの遊ぶ権利のための国際協会)の創設メンバーの一人。スェーデンの政府機関にも携わり、「オープン・プレスクール」という子育て支援施設を1970年代にスェーデン国内に広めた人です。この成果もありスェーデンの少子化に歯止めがかかったとも言われています。

この「オープン・プレスクール」のポイントは、歩いていける距離にたくさん作るが施設は小さくしておくことだ。程よく狭くしておくことで集まってきた親たちが自然と話せるようになる。グループができて動き出せば、先輩グループが新米の親たちにアドバイスをしていき新たなグループを作る手助けをしていく。こういう仲間グループが広がっていくとことで地域コミュニティにもなり、子育てがたいへんだとの思い込みがなくなっていく、と話されていました。スタッフは、見守りながら、時には相談を受けるなど黒子的な役割りを担うとしていました。

武蔵野市には、0123という大型施設があります。0123については一定の評価はできると思いますが、小型で身近な施設という方向も考えていくべきでは、と思えました。「ぴよぴよ」は、使用していなかった公共施設の空き部屋を活用したもの。駅前の空き店舗を活用したような小型子育て支援施設は各地で広まっています。

写真は、「ぴよぴよ」の室内。ベビーベットなど遊具は寄付で集まったそうです。利用料は一回100円。遊具などの購入費用を考えているそうです。