【外環道路】市長の意見、都の意見になんだか分からん都計審

12月4日に武蔵野市の都計審(都市計画審議会)が開かれ、地下(大深度)に変更された外環道路の基本計画案への賛否の採決がありました。結果は10票中、賛成=7、反対=2、無効1。

今回の都計審は、外環道路が地下化に基本計画が変わった都市計画に対して市長意見を1月12日に表明することになっているため市長へ都計審としての意見を伝えるのが目的です。ですから、市長意見が決まっていて、その意見について賛否を決めるのなら分かるのですが、議題となっていたのは地下化に変更した基本計画について諮問するというものでこれに賛否と言われてもなぁ、と思える会でした。

外環道路の本線は高架式から地下へと変更されていますが、地上部街路(その2)はそのまま残されています。地上部を廃止す代わりに地下にしたというのであれば、まだ話は分かるのですが、地上部を残したままでの地下化への賛否といわれると、地上部も賛成なのか、と思えてしまいます。
あくまでも地下化に変更した計画だけへの賛否が求められたと善意に考えれば解釈はできます。しかし、武蔵野市にとっては懸案事項である地上部をうやむやにしての採決ですから、地上部はどうなのよ?と聞かれた場合、返答ができない審議でもありました。都計審の委員も困ったのではと思いますが、私が委員であれば、筋道が違うだろう、賛否をとる意味がないと暴れてしまったかもしれない審議でした。


審議のなかでも委員から、我々は何を諮問されているか明確ではない。具体的な内容文書で示すべきだ、との発言があったほどです。市長へ各委員の意見を述べるのであれば、賛否を問う必要はないはずです。
この方式にはどうも武蔵野市独特の方式のようです。もっと明確に筋道が分かる審議にして欲しいと思いました。

採決の後で下記の付帯意見が付けられました。各委員とも釈然としていないことが分かる内容だと思いますし地上部をどうするのかが何よりも先決であることが分かると思います。

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 本来、高速道路部分と地上部街路とは一体として計画されるべきとの意見をふまえ一体化で計画すべきと意見があることを踏まえ、市長意見には下記の点を反映させるよう付帯意見を付す 。

1.東京都は、「外環ノ2」について 廃止することも含め計画の方向性、検討のプロセスと早急に明かにすること。

2.その検討過程においては、地元との協議・対話を重視し、安全面・環境面に最大限に配慮すること。

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さて、この審議会の前に、先に沿線区市長声明が公表されたさい、都に対して返答を求めたことから回答書が来ていました。外環道路特別委員会委員にもコピーが配布されており、この審議でも資料として配布されていました。正直に言えば、御託を並べているだけで実質的な回答にはなっていないとの感想です。

これまでにも特別委員会などで国や都に対して情報公開を求めていますが、情報提供はほとんどなく、疑問点が明かになっていません。
市長意見がどうなるか現時点では確定していませんが、不誠実な対応のなかで意見を述べていいのか疑問です。

また、都市計画審議会でなぜ地下になったのか理由を説明して欲しいと質問があったのですが、都は「環境面を考えて」と答弁していました。

外環道路の計画がある現在の吉祥寺南町と吉祥寺東町を見てみればよく分かりますが、この街に高架式の自動車専用道路と測道を作れば街を分断してしまうのは明らかで、住環境に大きな影響を与えることになります。

しかし、この審議会での回答では、街の分断化よりも環境面を配慮して地下化にした、としていたのです。だから、地上部の道路は残していると、とらえられるような答弁だったのです。

委員からは事業費についての質問もありました。これは今までの外環道路特別委員会などで明らかになっている数値ですが、大深度での事業費は1兆5000億円。高架式のままであれば75000億円との試算となっています。

地下になったからといって自動車の排気ガスの量が減るわけではありませんから、環境面が良くなるわけではありません。まして大深度で作るとなると地下水への影響や建設残土をどうするか(海を埋め立てるのか?)も明かになっていない以上、環境が今以上に良くなるとは思えません。交通の円滑化であれば地上部でも同じはずです。費用だけを考えれば地上部のほうが安上がりなのですから地下にするのか理由が環境面では納得できません。

都市計画審議会に先立って12月2日には外環道路協議会が開かれ、市長自らが出席して1月12日の提出する市長意見への地元住民から意見を聞いています。

さまざまな意見が出されていましたが、圧倒的に多かったのは、地上部は反対という意見です。大深度については評価する意見がありましたが、地上部街路も含めて反対する意見が多数と思えました。

沿線区市長が一定の評価をするとしてが、評価するのはおかしい。
市長は環状道路を機能として必要との認識だがこれも考えるべきだ。
人口が減少していくこれからの時代を考えて道路が必要なのか。
そもそも渋滞を少なくすることを考えるべき。
車を使わないなどライフスタイルを変えるほうが先決ではないかなどの意見が多かったと思います。

この会に参加した人の意見が地元住民の総意とは限りませんが、少なくとも多くの人の意見であることは確かです。

市長は、都計審の開催に先立ち現時点での市長の考え方を文書で示していました。都計審の結果、地元住民との懇談や意見書をうけてどうするのか。残された意見を聞くべき相手は市議会が残されています。外環道路特別委員会でも意見書の調整が続いていますが、意見がまとまるかは分かりません。おそらく12月18日の外環道路特別委員会には委員会としての考えが示されると思います。

12月5日は外環道路協議会と外環道路特別委員会との懇談が予定されています。
外環道路をどう考えるか。市長も市議会も態度を明らかにする時期を迎えています。

【参考】
東京都都市計画道路(外環道路)の都市計画変更案に関する市長の考え方

外環計画における諸課題の解決について(回答)