議員の通信簿

11月25日に開催された「開かれた議会をめざす会『公開シンポジウム』 つくろう!使おう!「議員の“通信簿”」」に参加してきました。

市民代表としての議員が何をしているのか分からない。選挙でどう選べば分からないという意見を聞きますが、議員を評価するシステムがないことがそもそも要因ではないかと思っています。
とは言え、なかなか良いシステムはなく、それぞれの議員が発信している情報を見て判断するしかないのが現状ではないでしょうか。もしくは、政策や行動内容ではなく知り合いだからで投票していることもあるのではないでしょうか。その結果が政治不信になるのではと思いますが、このことは別の機会にして、議員を評価する手法として良いヒントがあったと思いました。


このシンポは、第一部が「議員評価 そのあり方と使い方」と題して森正愛知学院大学助教授の講演。第二部として、実際に評価をしている議員と市民団体のパネルディスカッションとの構成でした。

興味深い話がいくつもありましたが、最も中心となったのが、世襲や利益代表が選挙に強い状況でどのような議員が良い議員で悪い議員はどのような議員か。どう選挙で選べばいいのか、議員評価、通信簿が必要だということでした。

パネルディスカッションでは、具体的な例も示されていました。
例えば、

○望ましい議員とは
 ・首長提出議案の内容が完全に理解できる
 ・諸法律の知識を持ち、条例、法規のの作成能力がある
 ・特定分野の企画政策立案の能力がある
 ・質疑・討論などの言論討論能力がある
 ・行政への批判精神を持つ

●ダメな議員
 ・特権階級意識を持ち行政職員や市民に威張る
 ・首長の与党に徹し、なんでも賛成する
 ・議員個人の主張を持たず、会派の言いなりに動く
 ・関係業界や支持者の利益代表として働く
 ・議会で一般質問や討論を行わない

□評価を行うさいのポイント
 ・公平無私 
 ・実績本位 公約・無駄の使いを見つけ、追及・是正をする
 ・人柄、外見を不問
 ・勤務態度の重視(居眠り、離籍 私語 野次 他議員の発言傍聴など)
 ・能力判定 (説明・説得力、改革姿勢、意欲、知識・調査・分析力)

 などです。

 確かにそうだよな、と思えますが、その評価を知らせる手段も必要になってきます。

 パネラーには、他の議員の評価も載せているレポートを発行している議員もいました。
 他の議員から抗議があるのではと思いますが、抗議があれば自ら反論のレポートを出せばいい。自己満足の記事ではなく、事実を載せていくことで信頼性は増すので大きな問題はない、としていました。

 ただし、載ることを前提に質問などを行う議員や職員に質問内容をチェックしてもらう議員も出てくるなどの弊害が出てきた。議員の質までは評価できない、と課題もあるようです。

 今後の大きなヒントになるのでは、と思えたのが、市民団体として市議会を評価している「多摩市議会ウォッチングの会」と「相模原市議会をよくする会」の活動です。

 多摩市議会ウオッチングの会は、毎議会ごとにレポートを出し一般質問の内容を知らせ、内容についてコメントを付けていました。
 相模原市議会をよくする会では、議員の任期中に公約に基づいてどのような質問を議会で行ったのか回数・内容をチェックしまとめたものを通信簿として公表していました。

 質問だけが議員活動ではない、との反論もあるそうですが、質問は議員の“特権”でもあり、活用できる大きなツールです。市民の福祉向上のために、このツールを活用するかしないかは議員の判断ですが、評価する一つの要素としては分かりやすいのではないでしょうか。他にも評価するポイントはあるとは思いますが、試みとしては意味があると思います。

 議会の様子を知らせるには、議会便りなどがありますが、物理的な制約から表面的になりがちです。議会側からの発信となるとさしさわりがない内容ともなってしまいます。その点、市民自ら議会を傍聴し公平な視点から感想を書き込むようなメディアができれば、今までにない評価システムとなるでしょうし、議会も変わるのでは、と思えました。