コミュニティゾーン 通過車両よりも歩行者優先ゾーン

14dce543.jpg建設委員会視察二日目は、北九州市熊西・青山区コミュニティゾーンを視察しました。
コミュニティゾーンとはある一定のゾーンを歩行者優先とし歩道の拡幅、車の通行量を減らす、通過速度を下げるなど安全なゾーンとする事業です。住民、行政、警察が一緒に協議しながら事業を実施していました。


ゾーンとなったのは、二つの小学校と一中学校や福祉施設がある住宅地域。二方向を国道、一方向を交通量の多い市道に囲まれているため渋滞を抜けようとした車が入り危険な状態になっていた地域、約80ヘクタールです。ゾーンとする前から安全な街にしようとの声が高かった地域だったのだそうです。

住民と行政、警察が一緒になって問題点を整理。その上で歩道の拡幅や一方通行の新設、ハンプをセットし車の速度を落とす。歩道を拡幅できない道路にはハンプの設置や道路を湾曲させて車の速度を抑えるなどの多様な対策を実施したところ、通過車両が減り(微減から半減)、平均速度かが8.6km減。駐車違反が7割減、交通事故の発生件数が三割減ったとの成果が出ています。

担当者の話では、この事業のメリットとして以下を上げていました。
・住民参加を行ったことで、より利用しやすい施設整備につながる。
・住民意見を反映することで住民から喜ばれ施行にあたって協力を得やすくなる。
・安全への住民意識が向上する。

事業の説明を聞きポイントだと思えたのは、すべてを制限するのではなく通過交通を誘導する道路を設定したことだと思います。流入を少なくすることは当然の目的ですが、規制ばかりだと車がどこへ抜けて行くか分からず、意外なところに新たな危険が生まれるかもしれません。歩行者を最優先するエリアと流入を少なくはするもののある程度は通行を認めることことで車の流れを新たに作ったことだと思います。
実際にこのゾーンの中央部分を通る道路の交通量が若干増え、当初の目的どおりとなっていました。

もうひとつは警察の積極的な参加でしょう。規制を新たに作ろうとすると協力が得難いのが警察です。以前から危険が指摘されていた地域なので協力が得やすかった、自治会などの協力があったからではと市の担当者は話していましたが、歩道などのハードだけでなく規制も同時に行えるように警察の協力があったことが成果につながったのではないかと思います。

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しかし、良いことだけではないようです。規制を行ったことで通過車両からなぜ規制するのか、ハンプが危ない、車の腹をするなどの苦情があったとのこと。市としては、速度を出さなければ腹をすることはなく危険は少ない、と説明し納得を求めていると話されていました。コミュニティ・ゾーンの住民は納得しやすいと思いますが、周辺住民ではないとなぜ作られたのか理解できないのかもしれません。住宅街を走行するときには注意深く運転する、入っていかないようにするなどドライバー側の意識向上も必要なのだと思います。

減った交通量がどのようになったのか正確なデータはないようでしたが、ゾーン以外の地域から車両が増えたなどの苦情がないことを見ると本来走るべき国道などを通過しているのではないか、と北九州市の担当者は分析していました。

道路幅や地域特性が武蔵野市と同じではないので、この手法を武蔵野市にそのまま取り入れることは難しいと思います。ですが、様々な手段を同時に考えて行くこと。住民と行政、警察が協力するが必要であることは改めて痛感しました。また、武蔵野市議会建設委員会には、吉祥寺東町への車の流入を改善して欲しいとの陳情が継続審議となっていますが、今回の視察でヒントを得られたように思いました。

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写真上:コミュニティゾーンの標識。
中:道路を湾曲させた道路。
下:ハンプ。高さは約8センチ。アメリカや南米ではよく見かけますが、車がぶつかる衝撃音がうるさいとの苦情があり止めた自治体もあります。