福祉公社解散は、見直しを

9月14日の厚生委員会で武蔵野市福祉公社を解散させずに存続させて欲しいとの陳情が四本出され審議が行われました。その結果、利用者や福祉三団体の意見を聞き陳情の趣旨を尊重したうえで行財政改革を進めるべきだというような内容の意見が付き、全会派一致で採択(賛成)となりました。

三団体の再編と福祉公社の解散は、18年1月に庁内ワーキングチームが出した報告書に書かれていました。しかし、現場の声も聞かずにこの段階で一定の結論をなぜ出していたのか。あえて騒がれる前に解散の道筋を付けたかったのでは、と思えるほどで大きな疑問が残ります。


福祉三団体とは、福祉保健部が所管している財団法人武蔵野市福祉公社、社会福祉法人武蔵野市民社会福祉協議会、社会福祉法人武蔵野のことで武蔵野市が財政援助として出資している団体です。行財政価格のひとつして団体のありかたや事業内容を検討することは第四期長期計画の「健全な財政運営の維持」の項目に以下のように記載されているように、長期的な課題でもありました。

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『財政援助出資団体は、基本的に市政の代替・補完機能を担っている。そのため、団体の設立者である市は、各団体がその設立目的を的確に果たすよう、指導監督する立場にある。
 そこで団体の財政運営や組織・人事制度、定数などについて適切な関与を行うとともに、経営評価制度を導入し、事業の効率化や運営の適正化・活性化に向け、自己点検、自己評価など団体の主体的な取り組みを促進する。
 また、団体のあり方については、再編も含めた抜本的な見直しを行う』
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また、20年度には公益法人改革が行われるので公社の事業内容を見直す必要があること。全国的に見ると公社の役目が終わりつつあることは確かでしょう。

この流れから、18年1月に福祉保健部所管三団体調査研究ワーキングチーム報告書が出され、18年6月からは、再編等の方針を検討するための有識者会議がスタートしていました。

委員会の審議では、これほど大きなことをするのに議会に報告がないのはおかしい、との主張が多くありました。

これに対して、庁内で検討するためのたたき台を作るためにワーキングチームを作った。市の方針が決定したのではないため報告をしなかった。
有識者会議が始まってから所管の厚生委員会が開かれていなかったので報告する機会がなかった、と市は答弁していました。

しかし、これまではワーキングチームの報告書でも議会には資料として配付されていましたし、委員会がなくても文書で知らせするなどの対応は他の事例では行ってきているのですから、福祉三団体再編についてだけ資料提供をしないのはおかしいと思います。知らせずにことを進めたいと思われても仕方がないでしょう。

とはいえ、方向性は長期計画で出ていましたし、有識者会議開催は市のサイトに書かれていたので注意をしていれば気が付いたはずです。私もある市内の勉強会ですでに再編と福祉公社の解散の方向性が出ていることは伺っていましたし、報告書も見ていました。8月の有識者会議を傍聴しましたが、ここまで進んでいるのかと驚いたほどでした。

いろいろと調べていくと、現場の話や利用者への調査をしていないこと。何も知らしていないこと。福祉公社内部でも経営改善へ向け動きだしていることなどが分かりました。
何よりも福祉公社は、武蔵野市の福祉の象徴的な存在ですし権利擁護事業や成年後見制度があり機能しているなど他の自治体の公社とは異なっています。福祉公社へ財産を譲るなどの遺言などがあり、これまでの効力や今後の効力をどうすれば良いのか法的にも解散するのが難しい現実的な問題もあります。

ワーキングチームであれば、解散という結論だけを記すのではなく、いくつかの選択肢を示したうえで、後に開かれる有識者会議などで結論を出せるようにするのが通常の考え方だとも思います。

なぜ急いで福祉公社を解散させて再編を急ぐのか理解できません。
市の体制を考えると、前市長の辞職、新市長の誕生という空白期間にワーキングチームの検討が進められたことで市の方針の責任者がいないことで暴走してしまった、あるいは恣意的な指図があったのかと思えてしまいます。

今回陳情が出されてことで議会内でも大きな関心を呼ぶことになったのは結果として良かったと思います。行財政改革は進めるべきですし、聖域はありません。福祉公社も同じです。しかし、手順の拙速さ、明確な根拠を示していかない限りは何のための改革なのか分からなくなる危険性が高いのです。

有識者会議が動き出していますので、今後の慎重な検討を期待したいと思います。
次回の有識者会議は、9月19日(火)18時30分から市役所。渦中の三団体へのヒアリングが行われますので、武蔵野市の今後の福祉をどうなるかの“山場”になるかもしれません。