武蔵野市の図書館の戦略は(一般質問より)

 武蔵野市の図書館について、先の6月議会の一般質問をしました。市民一人当たりの資料費や貸出数、蔵書数などのデータから武蔵野市の図書館の現状認識をしたうえで今後はレファレンスを強化すべき。レファレンスをベースにして図書館に戦略性を持たせるべきだとの提案です。
 プレイスもそうですが、図書館が無料の貸本屋という時代でありません。
 以下に議事録から、話し言葉を書き言葉に書き直した質問内容と答弁内容を記載します。具体的な進展はありませんが、レファレンスをどう考えるかとの議論はこれまでになかったと思います。これをきっかけに武蔵野市の図書館がステップアップすることを願っていますししたいと考えています。できる環境にあるのですから。


(06年6月議会一般質問より)
●川名ゆうじ

 図書館の今後の戦略について伺います。

 今日ではインターネットが普及し、さまざまな情報を手軽に入手できるようになりました。このためか、情報の提供手段であった書籍の発行部数が減り、出版業界の先行きが不透明となっています。また、自治体の財政は芳しくなく、公共図書館への費用を削減する自治体がふえていると言われています。削減理由は財政難としていることが多いのですが、一部本好きのための施設、暇つぶしの場所、税金を使うだけで見返りがない施設という本音もあるようです。本市では、武蔵野プレイス(仮称)が動き出していくことを考えると、今後の図書館をどうしていけばいいのか、今の時点で中期的な視野に立ち、戦略を考えていくべきだと思います。

 そこで、武蔵野市の図書館の現状認識として、社団法人図書館協会発行の図書館統計2005に掲載されている数値で多摩26市と武蔵野市を比較してみました。
(2005年度当初予算額で比較)

●市民1人当たりの資料費(図書購入費+映像資料費) 

1位:稲城市 2,021円
2位:武蔵野市 738円
3位:東大和市 638円

 稲城市が1位なのは、ことし7月1日に新たに中央図書館が新設されるための資料費だと思われます。平成16年に出された武蔵野市図書館運営委員会選書部会報告書でも同様なデータが出ておりますので、本市が実質的には1位であることは確かでしょう。

●市民1人当たりの年間貸出数

1位:福生市 12.9冊
2位:調布市 12.7冊
3位:武蔵野市 12.0冊

●図書館職員1人当たりの市民数 多い方から武蔵野市は6番目。

●市民1人当たりの蔵書冊数

1位:福生市 12.9冊
 
12位:武蔵野市 4.5冊

●図書館数

三鷹市:5館に自動車図書館1館
西東京市:6館

(以下、人口規模が同じ市)
東久留米市:4館
多摩市:6館
青梅市:11館

多摩26市の平均図書館数が6館であることを考えると、図書館数では少々見劣りしてしまいますが、図書館数が少なく蔵書も多くはない中で、図書貸出数がトップレベルであることは、高く評価すべきだと思います。しかしながら、貸出数だけで図書館を評価するべきではありません。

書籍を貸し出す、言い方は悪いかもしれませんが、無料の貸本屋施設であってはならないはずです。さきに述べましたように、インターネット時代、財政難という時代を迎えて、本を貸し出す施設だけではなく、新たな戦略を今こそ考えるべきではないでしょうか。

 そこで、いろいろな資料を探したところ、平成2年8月に出された武蔵野市立中央図書館基本構想という報告書を見つけることができました。この中の中央図書館の性格を見ますと、専門性の高い資料を幅広く収集し、提供する。それらの資料に基づいて行う充実したレファレンスサービスやニューメディアの活用による情報提供によって、市民の生涯学習や生活・仕事に関するものから、やや専門的・学術的なものまでを含めた市民の情報ニーズに対応していく。また、資料・情報を提供するだけではなく、活動の場を提供し、援助する機関としていました。
 また、報告書にはサービス計画も書かれており、レファレンス、情報提供の充実を図る。生涯学習活動の核として、思い切って多彩な文化事業を計画し、市民参加による文化創出の場としての図書館をアピールするとありました。

 この目標項目は、書籍の貸し出しだけではなく、市民活動や文化の担い手を支援する役目が図書館にもあるべきとの考えではないでしょうか。平成2年という今から16年も前にこのような構想があったことは、高く評価すべきだと思います。

 しかし、現状ではどのようになっているのか、少々疑問です。図書館運営には費用がかかり、税金が当然支出されます。であるならば、どのような成果をもたらしているのか、持たせようとしているのか。目標となる成果(アウトカム)、それと戦略が必要であるはずです。

 残念ながら本市の現状では、予算をかけ、人員も多く、貸出数はいいものの、ほかの成果について明確な戦略性が見い出されていないように感じます。

 そこで先日、同じ会派の砂川議員と千葉県浦安市にある中央図書館に伺いました。この図書館は、「浦安図書館にできること-図書館アイデンティティ」という書籍で知られている、日本でも最も先進的な図書館です。

 浦安市の図書館は、さきの図書館統計2005によれば、市民1人当たりの年間貸出数は13冊と、全国的にトップレベルにあります。また、本の案内が年間12万9,000件、レファレンスが年間7,000件、アウトリーチサービスと呼ばれる学校などへのサービスが年間925回で、約2万6,000人の参加者となっています。この浦安図書館にできることには、個別サービスで高い水準の図書館は少なくないが、すべての分野である程度の実績を上げるのは難しいとしていました。

 予算もかけている、図書館職員もいる、それでもずば抜けた実績が生まれないのは、図書館としてのコンセプトがないこと、それと職員のスキルに問題があるのではないかとしていました。浦安市の図書館の職員数は、さきの図書館統計2005では83人となっています。これは、正規、嘱託、臨時を含めた人数です。武蔵野市は74人。職員1人当たりの市民人口は、浦安市が1,747人で、武蔵野市が1,770人ですから、さほど差がないことがわかります。

 しかし、最も異なっているのは浦安市の正規職員38人の全員が司書の資格を持っていることです。多摩26市で比較しても、全員という市はほかにはありません。これは、図書館としてのサービス目標として、全市民へのサービスと専門職による質の高いサービスを実施することを市としての政策に打ち出していること、これにあります。

 そして、公共図書館として最重要の機能は、市民に対する知識・情報の提供にある。市民情報提供が図書館のマーケティングコンセプトにあるとしていることです。マーケティングコンセプトとは、顧客のニーズをつかみ、商品を提供することによって企業価値を高めていく、いわゆる民間的な考え方ですが、これと同様に図書館も考えるべきではないでしょうか。商品をそろえておくだけではなく、市民ニーズを調べ、必要な商品を積極的に提供していくこと。つまり、レファレンスを最重要とすること、これが求められているのではないでしょうか。

 この浦安図書館で図書館長に話を伺いました。すると、まず職員には必ず地域を歩かせていくこと。そして、地域特性を知る、来館者を知る、そしてどのようなニーズがあるかをまず調べさせる。つまり、マーケティングを行うことをさせているというのです。
 その上でニーズに合わせた本をそろえていくこと、これが図書館の大原則だという話もされていました。

 レファレンスという言葉の定義は明確ではありませんが、浦安市のことを考えてみますと、本を探すというだけではなく、情報や資料を提供していく、積極的にやっていくということを浦安市ではレファレンスとしているようです。いわゆる本を紹介していくということもやりますが、浦安市の場合は本の案内という機能に分けていました。

 また、この資料や情報を提供していくということは、例えば市内の業者や会社員に何が必要かを調査し、情報をそろえていくこと。つまり、これがビジネス支援にもつながるわけです。この提供先は市民だけはなく、政策決定にも役立てるように、市長や教育長あるいは市議会議員にも情報提供を図っている、これも図書館の仕事だとしておりました。

 浦安市で、この資料提供についてはおもしろい例がありました。
 浦安市のかつての市長は8期29年という長期政権を続けていた市長がました。その市長が郷土博物館の建設を進めていたところ、この博物館はムダだだから見直すと公約した市長が新しく当選した。しかし当選したものの、どう転用していくか、いろいろな法的な問題があり困難を抱えてしまった。そのときに図書館の人たちが、例えば東京都が都市博を中止したときの資料を集めてきた。こういう資料をもって政策を考えてみてはいかがと提案をしてきたそうです。

 つまり、本好きだけの施設、無料貸本屋ではなく、必要な情報を的確に提供できる図書館、こういう図書館が浦安市の図書館であったわけです。いろいろな市政の情報は、こういうことだけではなく、例えば市議会議員が配っているビラも全部収集して図書館に置いてあるほどです。市政情報としては非常に重要なことではないでしょうか。

 浦安市の図書館の特徴には、時代に合わせてきたこともあります。書籍だけの情報ではなく、インターネットの情報も提供しています。有料のデータベースなどを提供することで、市民だれにでも同じ情報を提供するという公共図書館としての位置づけがあるからです。パソコンを持たない、インターネットを使えない市民へ、デジタルデバイドを生まないようにと図書館のコンセプトがあるわけです。

 これからの図書館には戦略を立て、コンセプトを明確にする必要があるはずです。浦安市の図書館がすべてよいとは限りません。貸出数など、図書館としてレベルの高い武蔵野市の図書館には、武蔵野市の特性に合わせた新たな戦略が必要であるはずです。

 40年前に日本で初めて開架式の図書館をつくり、今の公共図書館の基礎をつくったという日野市の図書館にも伺って聞いてきましたが、ここでも地域に根差した公共図書館は、図書館を利用する市民にさまざまな知識を提供する場と位置づけており、レファレンスを重要な機能としてとらえていました。

 そこで提案ですが、戦略として市民のために役立ち、さらに市民を支援するための施設として図書館を進化させるべきではないでしょうか。そのためには、インターネットを含めた情報を提供するレファレンスを重要な戦略として拡充すべきだと思い、次の質問をいたします。

 1番、本市の図書館の位置づけはどのようになっているのでしょうか。

 2番、16年度個別事務事業評価シートによれば、図書館の内容について市民要求にこたえるための資料と情報の提供をしますとありますが、市民要求とはどのようなことで、どのような情報を提供しているのでしょうか。

 3番、市民を支援していくためには、確かな情報を提供することが求められ、レファレンス機能が重要視されるべきです。中央図書館基本構想にもレファレンスが必要とされ、今の中央図書館の3階が相当されているように考えられますが、表立ってレファレンスとは示されていません。これはなぜなのでしょうか。

 4番、本市でのレファレンスの定義を伺います。

 5番目、市民からレファレンスとしてどのような要望があるのでしょうか。

 6番目、ビジネス支援もレファレンスとして必要と考えますが、本市の図書館ではビジネス支援は行っているのでしょうか。行っているのであれば、内容はどのようになっているのでしょうか。

 7番目、レファレンスを拡充していくべきと考えますが、市長、教育長、それぞれに見解を伺います。

 8番目 情報提供にもインターネットも活用すべきです。図書館としてインターネットによる情報はどのように提供しているのでしょうか。行っているのであれば、どのように書籍情報と区別しているのでしょうか。

 9番目、武蔵野プレイス(仮称)が完成した後、市内の各図書館と中央図書館の関係をどのようにしていくのでしょうか。中央図書館を重点図書館として、ほかを分館的な機能としていくのか、それとも並立した図書館としていくのでしょうか。

 10番目、学校図書館などとの連携をさらに強化すべきではないでしょうか。学校図書室開放事業は評価しますが、テーマを持った本を市立図書館から学校図書館へ貸し出すことや、学校図書質で市の図書館の本の貸し出しや返却もできるようにすることは考えてみるべきではないでしょうか。これは学校だけではなく、病気で長期入院している患者への貸し出しも考えるべきではないでしょうか、見解を伺います。

 11番目、市政情報、資料をさらに拡充すべきではないでしょうか。市役所内にある市政資料コーナーを図書館で行うことも検討してみてはいかがでしょうか。土・日休み、夜もあいていないようでは、情報公開度が低いことになりますので、見解を伺います。

 12番目、現在の図書館業務を担っている職員の図書館勤務年数はどのぐらいでしょうか。

 13番目、レファレンスを拡充するには、専門職としてのスキルが必要と考えますが、より専門的知識を有する職員を配置していく考えはあるのでしょうか。あるいは、専門知識を有する職員や市民と連携していく考えはないのでしょうか。これは、図書館職員がすべて対応することには課題が多いと思いますので、情報提供できる人材をふやし、レファレンスを拡充していくという意味です。

○教育長答弁

 図書館の位置づけは、形式的には本市の図書館設置条例の第1条にありますように、図書館法に定める図書館ですので、第2条に図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存し、一般公衆の利用に供し云々とございます。
 ただし、議員の御指摘のように、ますます高度化する情報化社会の中にあって、市民がより文化的で充実した生活を送るために必要な情報とか、知的欲求を満足させる、あるいは趣味や知識、技能を向上させると、研究や仕事に役立たせると、こういった市民に役立つ図書館という意味での情報拠点になるということが必要であるというふうな認識は持っております。

 2番目
 市民要求は直接的には利用者による未所蔵資料のリクエストで、図書の購入とか、ほかの図書館からの取り寄せ、そういったもので、市民要求にこたえることで最も大切なことは、本市の図書館は3館ありますけれども、設置されている地域の特性を考慮しまして、重立った要求はなくても、潜在的な需要を推しはかって資料を収集・整理こともまた大事じゃないかと思います。

 提供している情報は、図書のみならず、新聞、雑誌、視聴覚資料などのほかに、資料を補完するインターネット情報、新聞、武蔵野版の切り抜き、あるいは図書館が保存・保有する情報、こういったものでございます。

 市民を支援していくためにレファレンス機能が重視されるべきではないかと。中央図書館では3階が相当しているようだが、表立ってレファレンスと示していない、これはなぜかということですけれども、確かに3階は、御存じのように、事典とか地図とか共同の行政資料とか、そういったものもございます。いわゆるレファレンスツール、こういったものがありますので、この3階の参考資料室を中心に、窓口のところでいわゆるレファレンスサービスを行っています。
 ただ、レファレンスサービスというのは、レファレンスをどうとらえるかの問題もございます。御存じのように、レファレンスという言葉は最近は市民権を非常に得ていますけれども、図書館が開館した11年前、余り一般的でなかったので、この言葉を使っていなかった。(今では)この言葉が認知されておりますので、レファレンスサービスの存在をアピールする必要、これは私ども、感じておりまして、ホームページとか市の特集号で積極的にお知らせしています。レファレンスサービスを案内する館内掲示板が少ないじゃないかということに関しましては、これは今後充実していきたいと考えております。

 御指摘のレファレンスの定義ですが、平たく言えば、こんな資料を探しているとか、あるいは知りたいことをどうやって調べたらよいかといった相談に応じまして、図書館員が資料に基づいて情報提供すること、と考えています。
 一言で言いますと、情報を求めて来館される利用者を支援すると、先ほど議員の言われましたことと認識しております。

 次に、市民からレファレンスとしてどのような要望があるか、これを具体的に言いますと、性質別に言いますと、
・特定の資料が武蔵野市になければどこにあるか、こういうことを聞いてくる所蔵調査。
は、ある資料の書名とか著者名、出版社名、こういうことを尋ねてくる書誌事項調査。

・知りたい事項について聞かれた資料名を聞かれる文献照会です。

・ある事項の事実について聞かれる事実調査

 こういったそれぞれの性格を持つ質問が寄せられています。このほかに、この本、どこにあるかとか、言葉で言えばクイックレファレンスが圧倒的に多いですね。例えば、住宅地図があるかとか、古い新聞があるかとか、市報をまとめて見られるか、こういった質問があるんですけれども、こういったものは図書館のホームページQ&Aに質問、回答とも掲載しております。

 ビジネス支援もレファレンスとして考えるが、本市の図書館ではビジネス支援を行っているのかということですけれども、確かに利用者の求めに応じまして、ビジネスに関する資料とか情報を提供することは、公共図書館の使命の1つと思います。私どもも、必要なビジネス支援を行っているますが、これも最近出てきた概念の1つです。ですから、本市としてはビジネス支援というのをやっていると標榜するところまで行ってませんけれども、今度の武蔵野プレイス(仮称)では、基本設計の概要版でビジネス支援機能を備えるとしてありますので、この方針に沿って検討を進めてまいりたいと思っています。

 今のところ標榜はしていないですけれども、企業とか団体情報、市場、業界情報、こういったビジネス関係の資料、これは中央図書館の参考資料室、これを中心に整備しておりまして、この中身は23区とか多摩東部の近隣図書館と比較して充実していくものと思います。

 レファレンスを拡張していくべきかですけれども、対応のかなめとして体制を徐々に強化して、平成14年にはレファレンス担当係長を設置しました。まだ十分ではないと思いますけれども、今後ともこの機能をさらに充実してまいりたいと思っております。

 情報提供にインターネットも活用すべきである、ですけれども、これもそのとおりだと思います。レファレンスというのは、基本的に図書館資料、これに基づいて行いますけれども、インターネット情報というのはこれを補完するものと位置づけております。御存じのように、各館に1台ずつある利用者用インターネット検索パソコン、これを利用者が閲覧するか、またはレファレンスを通じてインターネットサイトとかデータベースに接続して情報を提供している状況です。この点についても充実していく必要があるかなと思います。

 9番目に、武蔵野プレイス(仮称)が完成した後に市内の各図書館と中央図書館との関係をどのようにしていくのか。中央図書館を重点図書館として、他を分館的な機能にしていくかと、ですけれども、武蔵野プレイス(仮称)完成後も同様、中央図書館は中心館、武蔵野プレイス(仮称)、吉祥寺図書館は地域図書館という関係を持ち続けていくのが今の状況です。

 学校図書館との連携強化は、確かに子どもの読書環境を向上させるという意味で図書館が学校図書室を支援していくということは非常に重要なことだと思っています。したがって、今年度、システム連携に関する研究体制を打ち上げるつもりです。この中で、テーマを持った本を図書館から学校図書室へ貸し出すこと。確かに学校からリクエストがあると、1つのテーマについて二、三十冊、こういう副本が必要なことが多くて、また複数の学校でテーマが重なることもありますので、搬送体制などを整備していかなければならない、伴う予算の確保など課題は幾つかあります。しかし、できるところから取り組んでいこうと。調べ学習に対応するため、セカンドスクールとか移動教室とか修学旅行に関する資料を複数ずつ集めております。それから、今年度、学校連携用の図書購入費が新規でつきましたので、これら学校貸出専用資料の充実を今後も図っていきたいと。

 長期入院者の貸し出しですが、これも選本の問題とか搬送の課題があって、移動図書館を持っていない本市にとっては、なかなか難しい問題でもあると思いますが、どのようなサービスが可能か、今後研究してまいりたいと考えております。

●川名ゆうじ 再質問

 図書館についてですが、やはりレファレンスはどうあるべきか、つまり図書館をこれからどうしていくべきかを考えて、レファレンスをどうするかをもう少し明確にした方がいいのではないでしょうか。

 先ほど質問のときに言いましたけれども、浦安市の場合ですと、こういう本があるとか、資料はどこにあるかということは、いわゆる本の案内として、別区分けしています。今の御答弁で言うと、本を探す手助けをしているだけで、そこにどういう情報があるのか。逆に言うと、さっき言ったマーケティングコンセプトという言葉がありましたけれども、市民ニーズを先取りしていくということが実は求められていると思うのです。いわゆる図書館による調査活動です。

 今、自治問題でいろいろ問題になっている、いろいろなことができている。それを逆に図書館がある程度調査しておいて、市民が聞きに来たときに、はい、こうですよと提供できる体制になっていないと、それから聞かれて、慌てふためいて探して、さらにないですということになってしまうと、実は余計な手間になってしまう。逆に言えば、図書館員のスキルをアップしていくことにつながらないと思います。

 今、図書館の人たちの経験年数を聞きましたが、それほど悪いとは思えないのです。何年勤めればいいかという明確な基準はないのですが、そのスキルを生かしてレファレンスをどうしていくかを大前提に戦略として作ることで図書館の内容も変わっていくと思います。

 そこで、拡充していくことに対しては、市長も教育長も前向きな答弁をいただいたんですが、一体何がレファレンスなのか、もう少し定義をはっきりしないと、言葉は悪いんですけれども、貸本屋機能で終わってしまうことになってしまうのです。財政状況、余りよくはないのですから、図書館がただ単に本を貸し出すだけではなくて、その先、いわゆる情報も提供していく、政策決定にも役立つ、ビジネス支援に非常に便利になる施設だ、こういうこと本当はアピールしていかなくてならないと思うのです。

 そう思うと、このレファレンスはもう少し定義をはっきりさせるべきです。今すぐここでとはいかないでしょうけれども、せっかく担当の係長もつくったのですから、ぜひとも明確化していくべきだと思い見解を伺います。

○教育長
 なかなか難しい問題ですが、確かに市民に役立つ情報拠点としての機能は必要ですけれども、市民ニーズといった場合、どこまで応じるかの問題は、こちらの体制とのかかわりの中でできるところから始めていくことがあると思います。確かに浦安市の場合は、先進的な部分がかなりありますね。

 学校とのかかわりについても、今、連絡会をつくりまして、学校の図書室をどう支援していくかを論議し出しましたので、論議を踏まえて体制を整えていきたいと思います。

 長期入院のことですけれども、これについても移動図書館がないのでと申しましたけれども、これは私ども、今後研究していこうと。一番大事なのは、武蔵野市としては市民ニーズをどうとらえて、今の私どもの体制の中でどう対応していくのか。無制限に対応するということは非常に難しいですから、私たちなりに明確にしていくことじゃないかと思います

●川名ゆうじ

 図書館のですが、これはいろいろなことが重なっていて、一言では答弁できないかと思いますが、方向性としてレファレンスをもっと拡充していく。これは今、確認したのですが、その定義についてもっと深く検討していくという考え方でよろしいのでしょうか。
 これを考えていかないと、図書館がどうなるのか分からないという問題があります。先ほど日野市を先進的な例としましたが、実際はその先進的な図書館が昔はあったけれども、それが日常的になると、実は市民の間ではそれが当たり前になってしまい、何とも思わなくなってしまう弊害があったのだという話があります。
 日野市の図書館は、民間委託の問題があり騒動があったのですが、そのときに再確認されたのは、やはり図書館はいいものだということです。どういう機能を果たしているかを、図書館も市民も一緒になって考えていく場をつくる必要性があるという話もありました。

 このことの意味も含めて、レファレンスをこれから拡充されていくんのでしょうが、改めてもっとより拡充していくんだと。その際には市民と一緒になって話し合っていくのかどうか、最後に確認させてください。

◯教育長
 確かにレファレンスはどうとらえたらいいか、これは意見がさまざまありますよね。武蔵野市の市民のニーズを踏まえて、どういうふうに定義していくか、こういった問題があると思います。これは、私ども、これから研究したいと。ただ、どういう組織でどういうふうにやっていくかだけではなく、まだそれはこの場では明確に申し上げられませんけれども、武蔵野市におけるレファレンスのあり方、こういうのをきちっと基本線を出していこうと思っています。それは、また今後検討させていただきます。