10万以上の給料も可能な福祉作業所

63e3a36f.jpg障害者自立支援法により、障がい者にも応分の負担を求めることになりました。この法律には問題が多いと思っていますが、この問題点は別の機会として、では障がいを持った人がどう働き、負担を払え生活ができるような仕事を得られるのか。この大きな課題については、何も変化がないように思えています。
そこで、武蔵野市内にあり10万円以上の給料を支払うことができる福祉作業所「チャレンジャー」で話を伺ってきました。

チャレンジャーは、小規模通所授産施設。社会福祉法人武蔵野千川福祉会によって運営されています。
授産施設などでの給料は月額で1万円ほどとの話を多く聞きますが、ここでは、10万円を超える人がおり、8万円という人も多いのだそうです。

なぜ、他に比べれば高額となる給料を支払えるのかと言えば、「権利は平等でも、能力は平等ではない」という一言につきるのかもしれません。

障がいを持った方々は、人それぞれに障がいの程度が違う。当然、適応できる仕事の内容も変わってくる。
多くの作業所は、軽度の人も重度の人も同じ仕事をしていることが多く、より高度な仕事をできる人が、能力を発揮していない。
その人に合わせてた仕事内容を考えていくことで、効率も良くなり仕事として成り立っていく。働いている人も収入が増えれば意欲が沸いていく、との考えが基本にあるのだそうです。

仕事をより効率的にできるように作業環境を整えていることも特徴でした。
作業場所を見学させていただきましたが、座って作業をするのではなく立ち作業をしていました。
これは、効率を上げることに大きな効果があるのだそうです。
また、重さで数量を量る機械もありました。このような機械を使うことで、時間がより効率的になるのだそうです。

さらに、千川福祉会は、ここだけではなく他にも作業所があり、能力に合わせて作業所を選べるようになっています。
ひとつの場所で同じ仕事をするのではなく、能力に合わせて仕事内容や場所を考えていくことで効率が上がり、結果として給料に反映していることになるのだと思います。

別の機会に、ビジネスとしての競争力を持って受注している、との話を伺ったことがあります。
障がい者が働いているからとの理由ではなく、あくまでもビジネスだという認識も必要なのでしょう。
ここで行われていることは、他の作業所などでも反映できることがあると思います。

2006年4月20日の読売新聞に「障害者自立支援法施行 負担増で通所者ら退所」との記事がありました。
「費用負担のほうが授産工賃よりも高く、何のために働いているか分からない」などの理由で作業所から退所する人が増えているのだそうです。

作業所は働く場だけではなく、居場所的な意味合いもあると思いますので給料だけで判断すべきとは思いませんが、この法律の問題点をよく示している例なのだと思います。

負担を求めるのなら、応じられる仕事がなければなりません。
“自立支援”と言う法律ならば、働くことへの支援、現状を少しでも改善していくことも考えた上での法でなければと思います。

「チャレンジャー」のような作業所をもっと増やしていくことがまず先ではないでしょうか。

□写真は、立ち作業の様子。仕事場としてきれいに整頓されているのが印象的でした。仕事をしている姿から熱心さが伝わってきました。左下は、箱詰めするときの本数を重さで量る計量器。効率を上げることに役立っています。
(撮影にあたっては、本人と作業所の承諾を得ています)