環境マネジメント ISO14001だけが全てではない

武蔵野市には環境指針があり、温暖化防止と省エネ、省資源での循環型社会のシステムづくりを行っており市全体の基本計画を策定しています。
そのための指標として、ISO14001があります。
これまで、これさえ取れば環境に優しいことをしているとの証明になりましたが、これからのことを考えていくとISO14001だけに頼っているわけにはいかないのではないでしょうか。
指標としては大きな役割があり否定はしませんが、ここへ来て課題が出てきました。3月の一般質問でも行いましたが、さらに先の目標を考える時期だと思います。
そこで、LAS-Eも含めて環境マネジメントをとして考えてみたいと思います。

武蔵野市ではいちはやくISO14001の認定を受け、環境問題へ取り組みを実行しています。しかし、ISO14001は2004年11月15日に改訂され、2004年版として発効したことにより、ISO14001:1996(旧ISO14001)の登録証は、ISO1400:2004(新ISO14001)への移行審査を受けなければ、2006(平成18)年5月15日以降、無効になってしまうことになりました。
このため、本市を始め多くの自治体では、移行をを行っています。

ここに、ひとつの課題があります。
それは、認証を受けるにあたって費用がかかりすぎることです。
登録するために1000万円を超える費用がかかり、三年ごとの更新に数百万がかかるといわれています。今後、大幅な税収増が見込まれない現状では、このコストをよく考える必要があるのではないでしょうか。省エネで節約した費用の大半を認証費用に使わなくてはならない、と非難する声もあります。例えば、熊本県水俣市では、四年間の省エネで約2500万円を削減したが、ISOの登録、審査料で1170万円がかかってしまってとしているほどです。

本来の目的である環境を良くしていこうと考えているのであれば、例えば認証費用を環境をよくしようとしている団体などへの支援に使うこと、あるいは環境政策の充実のための研究費用や木を一本でも植えることへ使ったほうが、はるかに環境には効果的ではないでしょうか。

ふつめは、ISO14001自体に課題があることです。
例えば、現状では認証を受ける際に掲げる目標をあえて低くしておけば、簡単に取得ができてしまい、ISO14001を取得したとPRすることができてしまいます。ひとつの指標として意味があるとは思いますが、本来は取得することが目標ではないはずです。

更新を続けていくと次々に高い目標を掲げなくてはならず、一定の成果を得てしまった場合には、何もできなくなってしまうこともあります。
さらに、新たなISOとなったことで、市役所など組織内だけの対応で良かったことが、「組織が影響を及ぼすことのできる環境側面」となったことで広く市政全般への政策も対象となり、より総合的な政策が求められるばかりではなく、費用負担の増大も懸念されているのです。

武蔵野市の場合、3年ごとに更新審査をするので3年ごとの審査委託料が150万。その際の登録書発行で50万。つまり200万がかかっています。さらに、毎年、定期サーベランスがあり、更新年以外の1年次、2年次にその都度、審査委託料として約85万円がかかっています。
武蔵野市はISO14001を取得して6年たっていますので、2回目の更新をしたことになり、トータルで約740万円の認証費用がこれまでににかかっていることになります。

認証に費用がかかる、取り組みに限界があるというのがISO14001となります。武蔵野市では、この2月に更新をしたばかりですので、今後の課題としてISO14001をどうするのか、環境マネジメントの今後の方向性を新たにすることも考えるべきではないでしょうか。

語弊があるかもしれませんが、ISOの認証機関に納める上納金をより環境を良くしていく手法にまわした方が良いとも思います。限りある税金なのですから。

そこで、新たな方向性として参考になるのが環境自治体スタンダード(LAS-E:Local Authority’s Standard in Environment)です。
 
このLAS-Eとは、環境政策に取り組むためのしくみを、自治体が自ら確立し運用し、その取り組み内容が環境自治体としてふさわしいかどうかをチェックするための基準です。
環境基本計画の進行管理や行政評価(事務事業評価)、あるいは取得しているISO14001と連動したシステムを構築することもできます。

何よりも、情報を公開し、第三者として市民委員を取り入れることを提唱しており、市民参加で環境政策を進めるシステムとなっているのが特徴です。
ISO14001は認証機関が行いますが、LAS-Eは、自治体が市民とともにチェックするシステムとなっているのです。

さらに言えば、ISO14001に比べて費用が二分の一から数分の一ほど安いというメリットもあります。

コストだけを考えれば、長野県飯田市のように、「自己適合宣言」をしてしまうことも考えられます。飯田市では、ISOを元に独自の企画を作り、第三者として他の自治体に監査してもらうというシステムにしています。自治体同士で監査すれば、互いに勉強にもなりますので、このような取り組みも考えていいのではないでしょうか。

また、水俣市も「自己適合宣言」を行っていますが、水俣市では、市役所だけではなく、各家庭で取り組む指標として「わが家のISO」というシステムを導入し全市を上げて取り組んでいます。

京都府八幡市(やわたし)では、市民監査委員に中学生を入れて、環境教育としても位置づけています。

武蔵野市ではグリーンパートナー事業という市の独自制度があります。これはこれで良い施策ですし、ISO14001はひとつの指標として意義があるとは認めますが、今後を考えると、ISO14001だけに頼らず、環境マネジメントとして多様な施策を考える時期になってきているのだと思います。

環境施策も市民と協働で作り、その後の過程も市民とチェックして改善策を見いだしていく。このようなシステムが、市民参加を主張する新たな邑上市政の方向性とも合っていると思います。