吉祥寺図書館と武蔵野プレイスの違い

武蔵野市の図書館についての勉強会があり、参加してきました。
この会では、図書館についてのいろいろな話題があったのですが、その中で吉祥寺図書館ができるまでの経緯を聞くことができました。

市民が要望を出し、図書館を設計する建築家を交えた市民の懇談会が何度も開かれて開館したのが吉祥寺図書館なのだそうです。
武蔵野プレイス(仮称)とは異なった経緯だと思いました。

武蔵野プレイスは、予算が成立すれば仕切直しとなりますが、市民を交えてもっと議論すべきですし、公開の場で議論すべきだと思います。

この会で話をしてくださった方は、吉祥寺地区に住みPTA活動から図書館建設に携わったと話されていました。
以下に話を簡単にまとめておきます。

吉祥寺地区に図書館を、との運動は、70年には社会教育施設設置に関する請願運動に遡ります。その後、図書館の分室やエコービル(現在のユザワヤ)に図書館を設置して欲しいとの声もあがり、81年に市の長期計画(総合計画)に東部図書館の開設を検討する、と明記されるものの肝心の土地がないという状況が続きました。

83年になると、今の吉祥寺図書館の土地が売り出されるとの話しがあり、パチンコ店などが手をあげている中、教育文化施設建設用地として買い上げて欲しいとの請願が市議会に出され採択、市が買い上げることになります。

84年には本宿小PTAが図書館建設の請願を提出し、吉祥寺地区の地域団体など8団体が請願や陳情を市議会に出し、85年3月に採択され図書館の動きが大きくなっていきます。

85年7月に市民団体、「東部図書館をつくる会」発足。
85年9月には市教育委員会が諮問する「図書館構想策定委員会」が発足となります。

「東部図書館をつくる会」は、市長や議長、教育委員会と懇談を続け、各地の図書館を見学し自ら研究を始めます。地元での懇談には、建築家も同席。どのような図書館が良いのかを一緒に話し合い、教育委員会などに要望書を出していったのだそうです。

87年には吉祥寺図書館長が決まり、職員体制などについての要望書を出すなど運営についても考えていました。

87年に開館となりますが、この時に注目すべきは、司書の有資格者を条件とした職員を募集していることです。この時には12名が合格し6名が図書館に配属されています。

それまでの武蔵野市の図書館は、中央と西部図書館がありましたが、三多摩最低だと批判されており、社会教育審議会が算定した望ましい職員数27名に対して18名しかいなかったほどなのだそうです。

図書館には、リファレンス・サービスなどに対応できる専門職員が必要だと思います。
資格があれば良いというわけではありませんが、司書という資格は必要でしょう。
武蔵野プレイスができることで、この施設を上手く運用できる専門職員をどう育てるかもこれからの大きな課題です。

吉祥寺図書館は、市民と一緒に作り上げた図書館なのかもしれません。
「東部図書館をつくる会」の定例会は85年7月から88年1月まで29回も開かれていたのだそうです。

この運動に携わった経験として言えるのは、市民同士で話し合っていくことで責任も生まれてくるので要望ばかりを言っていられないことに気が付く。妥協点も分かってくる。押しつけられると反発が生まれてしまう。利用する立場の市民も一緒になって行くべきだ、とされていました。

これまでの武蔵野プレイスは、基本構想までは、市民委員がいた委員会でしたが、その後は意見は聞いたものの一緒に話しあっていく姿勢がありませんでした。
ここに問題があると思っています。

また、吉祥寺図書館開設までは市民と一緒だったものの完成後には、利用者懇談会が開かれていないのもおかしいと指摘されていました。
武蔵野市では、図書館運営委員会がありますが、何をしているか見えない、とも指摘されていました。

市民参加で吉祥寺図書館ができたものの現状では違うようです。今後を考える上で、利用者の声をどう運営に反映させていくかも大きな課題でしょう。

最近読んだ本に「浦安図書館にできること」「税金を使う図書館から税金を作る図書館へ」「進化する図書館」があります。
こららの本に共通しているのは、図書館には戦略が必要だ、ということです。
本を貸しているだけ、暇つぶしの場所提供ではダメだ、ということです。

武蔵野プレイスは図書館だけの機能ではないので一概には言えませんが、図書館機能を中心に、との方向性が出てきていますので、図書館としてどういう理念に基づくのか、戦略を進めていくのか。
このことを明確にすることで中身の機能につながりますしレイアウトに反映していくべきだと思います。
あれもこれも欲しいとの要望を詰め込んだだけでは、ムダが多く意味が薄れると思います。

一般質問などで私は成果、アウトカムを明確にすべきと常に発言していますが、武蔵野プレイスの明確な目的、アウトカムを明確にする必要もあると思います。

『武蔵野プレイスは、「武蔵境のまちづくり推進」の一環として「地区図書館をはじめとした知・文化・自然・青少年をテーマとする文化施設」として整備されるものです。図書館、青少年センターなどといったこれまでの公共施設の類型を超えて、複数の機能を積極的に融合させた「知的創造拠点」です。
公園のように気軽に多くの市民が集い、出会い、対話しやすい場を設え、それぞれが持っている知識や知恵や経験を共有・交換しながら、知的創造や交流を生み出し、地域社会の活性化を深められるような新しい時代の公共施設をめざしています。』

と武蔵野プレイス基本設計概要版には書かれていますが、具体的に何をどうするか。示されたレイアウトで何がどうなるのか。
今のままでは理解できません。

予算が通れば立ち上がる専門家委員会でも明確にすべきですが、議員としても提案をしたいと考えています。