NPO運営の「高知こどもの図書館」で考えた

16494a9c.jpg 高知市にあるNPO運営の図書館「高知こどもの図書館」を見てきました。武蔵野プレイス(仮称)は、指定管理者制度での運営が考えられていますが、ひとつのヒントになるのでは、と思いました。施設は、高知県が使わなくなった古い施設を提供しています。新たな施設を建設しなくてもできた図書館でもあります。

高知こどもの図書館は、95年に県立図書館が移転した後の施設をこどもの図書館にしようと発足した「高知こどもの図書館を作る会」が原点にあります。こどもの読書環境を整えることが大切だと考えた大勢の人たちで結成された会でした。同会は、各地の図書館視察や交流、図書館を考える学習会などの活動を実施していたところ、移転が延期になってしまいました。しかし、そこで終わるのではなく、県が施設を提供し運営を民間に任せる図書館を提案したことから、同会がNPOの認証を受けて運営に携わることになったのです。

開館時の本は、地域でこども文庫をしてきた人の蔵書や個人の蔵書から約1万5千冊を集めてスタートしています。また、読書案内、読みきかせ、情報の収集と発信などの活動もしています。蔵書数は多くはありませんが、公立図書館と連携をとりながら、利用者にとって身近であるようにと運営にあたっているのだそうです。

「高知こどもの図書館」は、図書館が必要だとの市民の熱意に行政が応えたことになります。新しい施設を作るのではなく、既存の施設を活用し運営も市民自ら携わる、市民と行政とが知恵を出し合い運営にあたっている新しい形の図書館です。

武蔵野プレイスについては、指定管理者制度で市が直接運営にあたらないようにと現在では考えられています。図書館は、行政のものではありませんから、市民自ら運営に携われるようなNPOでの運営を考えても良いと私は思っています。

しかし、運営に携われるような市民、あるいは図書館に熱意を持つひとが集まって図書館とはどのような姿が良いのかなどの議論ができていないと思います。
読み聞かせのグループや文庫活動をしてきた市民など市内に人材はいるはずです。
“図書館をメイン”がうたい文句ですから、まずはどのような図書館が良いのか、理想なのかを議論しておくべきです。
武蔵野プレイスについては、残念ながらどのような図書館がいいのか明確にはなっていません。他の図書館との連携も明確ではありません。

建設規模を考える前に、どのような図書館が今求められているのか、そして、どのような中身が良いのか議論すべきです。
予算審議で焦点となった武蔵野プレイスを今後、どのようにしていくのか現時点では明確ではありませんが、何よりも市民で議論をする。その先には運営にも携われるような市民を育てる工夫と知恵、度量が必要ではないか、と思いました。施設規模だけが先行しては、仏作って魂入れず、になってしまいます。