炊飯器給食でほかほかのご飯を

183ee7e4.jpg高知県南国市に炊飯器を活用した給食の視察に行ってきました。
炊きたてのご飯を食べることができるので、ご飯のおいしさを知り残滓もなくなっています。
また、農家との連携も行われており、食育として位置づけされていました。
さらに、コスト削減にもなっているのだそうです。

武蔵野市では、中学校給食実施へ動き出していますが、あつあつのおいしいご飯を食べることができる炊飯器給食を取り入れても良いと思います。小学校給食にもぜひ! と思いました。


南国市の炊飯器給食は、日本人の食生活の根幹である米飯の正しい食習慣を身につけさせ、食文化や農業などに対する理解を深めさせることを目的として、平成9年度にまず米飯給食がはじまり10年から炊飯器給食が始まりました。

南国市では、給食の位置づけが、知育、徳育、体育、そして食育と、教育の四本柱のひとつとの認識。
しかも、食育とは、栄養素を考えるなどの知識だけではない。子どもの健康、そして、感謝の心を育てることにも通じている、としています。

給食はかつて、貧困対策としての食事を提供することが目的であったが今では違う。
現在のこどもの食事は、例えば、ハンバーグ、カレー、ラーメンなどカタカナメニューばかりを食べていて和食から急激に洋食へと変化してしまった。これは、人類史上、今までになかった食の変化であり、この変化がアトピーなどこどもの健康を害しているのではないか。あるいは、精神的に落ち着かない子どもへと影響しているのではないか。これらの問題には、日本人にあった食生活に戻す必要がある。そのためには旬の野菜を使うこととご飯が必要だ、との考えでした。
一ヶ月で二回だけは米飯でありませんが、他は全て米飯になっています。

また、単にご飯を食べるだけでなく、生産している農家に授業として出かけ、農家の苦労や作物に対する愛情を身をもって体験することで食べ物へ感謝の心を抱かせるとも話していました。本市でも同様のことを行っていますが、南国市ではさらに、親子で農家へ出かけることも行い、学校だけではなく、家庭での話題を提供することで食への関心と感謝の気持ちを高めようとしています。

先日、ある中学校の生徒の母親から「学校側に給食費を払っているのだから、うちの子に『いただきます』を言わせないでほしい」という要望が出たと聞き驚いた、との投書が新聞で紹介されていました。私も驚きましたが、南国市の教育長が感謝の気持ちも教えなくては、と力説する姿に大げさではと思ったのですが、この当初のことで教育長の熱意を再認識したほどです。

そこで、炊飯器による給食です。

実際に見ましたが、ごく普通の家庭用の電気炊飯器でご飯を炊いていました。
なぜ炊飯器を使っているのかを聞いたところ、実は経費削減が最初の目的だったのだそうです。

南国市の小学校は自校方式ですが、経費削減のために炊飯を外部委託していたのだそうです。それでもさらに人員カットを考えていくと、外部で炊いたご飯をクラスごとの容器に移すのに人員が必要になる。それならば、クラスごとにご飯を炊けばいいではないかと考えた。その結果、給食の時間に炊きたての一番おいしいご飯を食べることができるようになったのだそうです。自校方式でさえ、大型の炊飯器からご飯を各クラスへと分けていくとどうしても冷めてしまうのだそうで、炊飯器だからこそ炊きたてを食べることができることになったのです

さらに、子どもたちが炊飯器からご飯をよそうことがひとつの楽しみにもなるようで、武蔵野でも問題となっている残滓が無くなったと話されていました。

おいしい炊きたてご飯、よそうことで楽しさ。残滓がないこと。感謝の気持ち、子どもの健康。これらが炊飯器給食の効果となります。

家庭用の炊飯器ですから、導入コストは業務用炊飯器に比べれば非常に安価だったと南国市では話していました。電源の工事費を含め導入費は、13小学校分で3000万円となっています。

故障について聞きましたが、子どもが落として壊した以外はないそうです。
もし壊れても、市販品ですからその日にでも購入できるのですから、心配はなさそうです。

南国市では、さらに、給食用のご飯を供給するために市内の棚田で作っています。棚田は、地域の特徴でもあったのですが、他の地域との競争があり効率的ではないことから休耕田となっていたのですが、給食用にと復活したのです。
おかずの食材も市内で購入していますので、地産地消であり地域の伝統を復活させることにも役立っています。

給食を食育としてとらえることも重要です。目標としていくべきだと思います。
しかし、弁当の良さを否定はしませんが、何よりも食事はおいしく食べることが基本です。
家庭で食事をするときに、冷たいご飯を出すことはないはずです。
中学校給食だけではなく、小学校給食も含めて食とはどうあるべきか。食育を目標にすることと同じくらいにおいしい食事、つまりは炊きたてのほかほかご飯を食べることができるようにしていくべきだと思います。

中学校給食には、コスト削減の意味も含めて有効だと思いますし、中学生なら自分でご飯ぐらい研いで食べてもいいのではと思います。

南国市では、担当職員だけでなく教育長や議会事務局、小学校の校長先生や職員の方々にも丁寧に応対していただきました。
一人で訪れたので少々恐縮してしまいましたが、この場をお借りしてお礼を申し上げます。

【参考】
南国市の地産地消(米飯学校給食)学校教育課
南国市の地産地消について農林課