廃校利用のアート村

72c894d4.jpg公共施設というと、とかく新しい施設を作ることを考えがちですが、使わない施設や古い施設を活用して新たな取り組みも行えます。

先日、北九州市にある「門司港アート村」を見てきました。
廃校となった小学校をそのまま芸術家のアトリエとして活用していました。

武蔵野市内には、10年前に境北小学校と桜堤小学校が児童数の減少で統合され桜野小となりました。
桜野小は旧境北小の校舎を使っていることから、旧桜堤小の校舎をどうするか、長期的な構想はありません。

芸術家のアトリエにしていくのもひとつのアイデアになるな、と思いました。



「門司港亜アート村」は、レトロな建物をウリにした観光地、門司港のすぐ近くにあります。
街の中の急坂を上りきったところにあった庄司小学校が児童数の減少で廃校となり、跡地利用として考え出されたものです。
また、アトリエだけではなく、NPO運営による文庫本専門図書館としても活用されていました(こちらは休館日で中を見ることはできませんでした)。

このような施設にしたのは、地域住民の感情に配慮して学校という建物を残しておくことと、地域の活性化を考えたこと。
門司港のレトロな街並みを見に来た人がここまで回遊することも考えているそうです。
ここで生まれた作品が、門司港というまちのブランドに役立ち、街づくりにも役立てようとの狙いもあります。
現在の利用者数は、図書館と合わせて年間2,200人。

アート村“村民”は、総勢9人。陶芸、木工、彫刻、ガラス工芸、弦楽器制作などの創作活動を“教室”を使って行っています。
考えてみれば、教室ほどの広さのスペースはなかなか借りることはできないでしょうし、芸術家としてもいいスペースであることは確かです。
作品の発表スペースも設けられていました。

施設は、昔の学校のままで大規模な改修はされていません。
給食室とか職員室とかの札が廊下にそのまま掲げてあるのには、郷愁を感じたほどです。
新たな事業を始めようとしたときに、あえて投資をせずにそのままでもできること、お金をかけなくてもできるのでは、と考えさせられました。

旧桜堤小学校の校舎は、ふたつあり、ひとつは陶芸教室などに使われています。
もうひとつは、昭和30年代の建物ということもあり、耐震的に問題があることで利用はされていません。

「門司港アート村」は、外壁がところどころ落ちている箇所があり、耐震補強はしていないのでしょう。
それでも、創作スペースとして納得して活用しているのだと思います。

安全対策をどうするかは別の問題として考えてみると、例えば、若手の芸術家のアトリエとして提供し、子どもたちとのワークショップで作品を作っていくことも考えられると思います。
大野田小学校では、新校舎オープンに合わせてワークショップで作品を作ってきた経緯があります。
一度だけで終わらせず、常に子どもたちを作品づくりをしているような“学校”でもいいのではないでしょうか。
“武蔵野の芸術学校”から芸術家や作品が誕生すれば、あらたな武蔵野市の魅力にもつながるはずです。
何よりも、学校だけではなく地域を含めた芸術作品を作っていくことで子どもへの新たな刺激にもなるでしょうし、創作意欲が出てくるかもしれません。
芸術家を生み出すきっかけになるかもしれません。
地域を巻き込んだアートエリアにしても良いのかもしれません。

ハコを作っていくだけでなく、どうソフトを考えていくか。
ソフト優先の施策がこれからは求められていると思います。

門司港アート村:093-322-1235(午前10時~午後5時 月~金曜日)
住所: 福岡県北九州市門司区庄司町19番1号
入場無料

【参考】
門司港アート村 http://www.retro-mojiko.jp/art_village/index.html
門司港レトロ http://www.retro-mojiko.jp/index.html
としょかん文庫やさん http://toshokan.bunkoyasan.jp/