公団家賃を考える

 昨年の12月の武蔵野市議会で「公団住宅家賃の値上げを見合わせ、居住者の居住安定並びに国会決議の全面実現に関する意見書」が全会一致で採択されました。また、住民の方からも今の家賃では暮らし続けられない、との訴えが民主党武蔵野にも寄せられたことから地元の菅直人衆議院が独立行政法人都市再生機構(以下、都市機構)にヒアリングをするというので、武蔵野市選挙区選出の松下玲子都議会議員と一緒にヒアリングの場に同席をしました。

 武蔵野市内には、都市機構の賃貸住宅としてサンヴァリエ桜堤と武蔵野緑町パークタウンがあります。


 国会近くにある議員会館の面談室でヒアリングは行われたのですが、機構側は7,8人が出向いてきているという仰々しさでした。
 都市機構の説明では、家賃は対象とする住宅の近隣住宅と比較して決めている。独立行政法人となったときから、市場家賃にすることになった。相場よりも高くはしていない。近隣住宅の相場と公営住宅の家賃との中間的な水準と考えている、との考えを示し、家賃は適正。
 高齢者などの低所得者には、特別措置があり50平米、2DKまでを減免している、と説明していました。

 しかし、実際に住んでいる人の話を聞くと、どうも家賃が高いような気がします。同じ間取りなら、駅前と同じ、もしくは駅前の方が安いと思えてしまいます。この点については、平米数など質を考えれば高いことはない、との認識でした。

 家賃については、(財)日本不動産研究所が調査していて3年ごとに見直しているというのですが、どうも感覚とは違う気がしてなりません。

 今回は細かな数字は書きませんが、このように説明する都市機構に対して、国からの補助金400億は何の意味合いだ、社会的施策の意味合いがあるのではないか。低所得者などの家賃へ反映できないのか、と菅さんは切り込んでいました。

 現在、都市機構は約15兆円の債務がありますが、時価で資産を計算すると約16兆円になるのだそうです。独立行政法人となっていることから、赤字経営にすることにはできないが大きく儲ける必要はない。経営状況と国から補助金を考えれば家賃についてはもっと考える余地があるのではないか、との指摘です。

 これに対して都市機構側は、400億円の意味合いを明確に返答できないので後日に、ということになり、この日はお終いとなりました。

 独立行政法人とは、行政のスリム化、効率化を目的とした中央省庁等改革に伴い作られた組織です。公共性の高い事業のうち国や地方公共団体が直接に実施する必要性が低いものを行い、独立の法人格を持つことで、自立的に効率的で高度なサービスを提供するとされています。早い話、完全な民間企業でもないのです。

 また、国から補助金を受けている以上、社会的施策として事業を行う必要性があるはずです。今の家賃を納得して入居されている人ばかりではなく、長年住み続けてきて、建て替えに伴い高家賃となった人も多くいます。

 となれば、都市機構の社会的な意義は何か、今の家賃でいいのか、との話になります。

 今回は大まかな説明と400億円をどう考えるかで終わりましたので、この続きは後日となります。

 それにしても、“イラカン”とも言われる菅さんの厳しい質問を(本人は押さえているようでしたが)隣で聞いていると、さすが! と感心してしまいました。
 メール問題で揺れている民主党を考えると、菅さんの出番が必要じゃないかと思います。首相と対決して欲しいですね。

 市議会の意見書は下記です。

 公団住宅家賃の値上げを見合わせ、居住者の居住安定並びに国会決議の全面実現に関する意見書

 平成16年7月、都市基盤整備公団は廃止され、公団住宅は独立行政法人都市再生機構(以下、同機構という)に引き継がれました。同機構は、来年4月には継続居住者の家賃改定を決め、現在その作業を進めていますが、「近傍同種の家賃を上回らない」とするだけで、高齢者や子育て世帯などの居住の安定策を十分検討しないまま、一方的な改定通知を行おうとしています。
 同機構法案に対しては、平成15年通常国会において、「居住者の居住の安定を図ることを政策目標として明確に定めること」、「賃貸住宅の家賃の設定及び変更に当たっては、居住者にとって過大な負担とならないよう家賃制度や家賃改定ルールに対する十分な配慮に努めること。特に低所得高齢者に対する家賃の減免については、居住者が安心して住み続けることができるよう十分に配慮すること」との決議がなされています。
 また平成16年3月には、武蔵野市議会において、「付帯決議事項の全面実現で居住者の居住の安定を図ること」、「高齢者や子育て世代が安心して住めるよう家賃制度を確立し、高家賃を引き下げること」など4項目について可決し、意見書を提出いたしました。
 平成17年9月に、武蔵野市内におけるサンヴァリエ桜堤と武蔵野緑町パークタウンの両団地で実施した、団地の生活と住まいアンケートでは、家賃負担が重いとの声が多く上がっており、家賃の引き下げと団地に住み続けることを多くの世帯が強く望んでいます。
 以上のことから、武蔵野市議会は貴職に対し、下記事項について同機構に働きかけることを要望いたします。

              記

1.平成18年4月の継続家賃改定に際し、値上げは見合わせること。
2.低所得高齢者等に家賃減免措置を拡充し、子育て世帯に居住支援策をとること。
3.独立行政法人都市再生機構は、衆参両院の付帯決議を遵守し、高齢化と収入低下が著しい居住者の居住の安定を図るため、万全の措置を講じること。

  平成17年12月

 内閣総理大臣┐
       ├あて
 国土交通大臣┘

【参考】 独立行政法人通則