おかしくないか? 後ろ足で砂をかける法政大の移転姿勢

三鷹市に移転が予定されている法政大学第一中・高等学校の跡地について、武蔵野市が法政大学と行っていた交渉の経緯が9日の市議会総務委員会で市から報告がありました。
跡地はマンション業者の長谷工への売却が決まりましたが、「後ろ足で砂をかける」的行為であり、ライブドア騒動で批判されている経済至上主義と言えないでしょうか? 教育機関としての法政大学の姿勢には疑問があります。

総務委員会に報告されたのは、下記の経過です(提出書類に分かりやすいように加筆しました)。

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〈経過報告〉

平成
17年4月22日
  法政大学第一中・高等学校が三鷹市へ移転することが新聞で報道される。

 7月上旬
  武蔵野市担当者が法政大学にヒアリング。

 8月上旬
  武蔵野市に対し、法政大学より学校用地売却の打診がある。

 11月18日
  邑上武蔵野市長が法政大学を表敬訪問。

  法政大学に対し、武蔵野市が用地を取得することを前提とした協議会の設置を要望する文書を提出。

 12月1日
  公拡法(公有地の拡大の推進に関する法律)に基づく「土地有償届出書」を受理。

 12月8日
  協議会の設置提案に対し、売却方針に変更がないことを理由に同意できない旨、法政大が文書で回答。

 12月12日
  武蔵野市議会総務委員会で法政大学跡地を市が購入することを求める陳情5件が全会一致で採択。
  法政大学に対し、民間デベロッパーへの売却方針の変更を求めることを要望する文書を提出。

 12月14日
  法政大学理事会において学校用地の売却及び第一優先交渉先を長谷工とすることが正式に決定される。

 12月19日
  公拡法に基づく買取申し入れ(12月13日)に伴い、買取団体として決定通知を武蔵野市が受ける。

18年1月23日
  法定協議機関が終了していることと、売買価格を含め諸条件が合わないこと理由に法政大が長谷工と売買契約締結。

 2月1日
  国土法に基づく土地売買等届け出が提出される。

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移転については武蔵野市への連絡などはなく、新聞報道で市は知ったとのこと。報道がなければ、そのまま売却していたのでしょうか。

17年4月21日の中日新聞(東京新聞)朝刊には、三鷹市移転にあたって法政大学は、「学校用地として培ってきた地域との良好な関係を維持し、周辺環境との調和に配慮するよう市と協議会を設置する」と書かれています。移転先にはいい顔をして、跡地についての協議会には応じないとの姿勢です。

何よりもおかしいと思うのは、法政大学の移転先が、東京女子大の移転跡地にマンション建設計画などがあったため、三鷹市が跡地のある地区を特別用途地区の「特別文教・研究地区」に指定。跡地利用について教育研究機関などを誘致するように検討していた土地であることです。

法政大学は、マンションにはしたくないとしていた土地を取得しながら、自らの跡地はマンション業者に売り払っていく、いわば「後ろ足で砂をかける」ことをしていることにならないのでしょうか。土地を売るなら高い方が良いのは分かります。しかし、教育機関が行うことでしょうか。ライブドア騒動で経済優先主義でいいのかの議論が起きていますが、まさに同じことをしているように思えてしまいます。

現在の法政大学周辺は、第一種低層住居専用地域。早い話、用途地域のなかで最も厳しく住宅以外の建築を制限し、住環境を守ろうとしている地域。小規模店舗も建築できません。
法政大学のある土地は、第一種中高層住居になっていますが、これは学校施設があるために指定されているものです。

つまり、本来であれば低層住宅地域である場所ですが、学校であるために規制が緩くなっています。その恩恵を受け学校を運営していて、さらにはその恩恵ごとマンション業者に売り払うことになります。

市の担当者の答弁では、10階建て。一戸当たり70平米とすれば250戸規模のマンションがこの地に建設可能としていました。

これまで、市が土地を購入する際にはどのようにして交渉を行っていたかは公表されていませんでした。相続など個人情報に関わる場合は別としても、市税を投入するのですからこのように公開していくことは非常に良いことだと思います。行政の透明性が高まったとも言えるでしょう。

このことでより明確になったのが法政大学の姿勢ではないでしょうか。

【参考】産経新聞 1月24日付
「武蔵野の法政一中高跡地 長谷工に売却へ」