「幼稚園から義務教育」?

1日の読売新聞に「政府・与党は、小中学校の9年間と定められている義務教育に幼稚園などの幼児教育を加え、期間を10~11年間程度に延長する方針を固めた」との記事がありました。

これに対して文部科学省は、5日付けで「平成18年1月1日付け読売新聞朝刊の報道(幼稚園から義務教育)について」とのリリースを出してこの記事を否定しています。

なぜ対立しているか不思議に思います。
それよりも、時間を増やせば学力があがるのでしょうか。学校の勉強だけではない大切なものも考えるべきではないでしょうか。


文部科学省のリリース内容は下記。

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 1月1日付け読売新聞朝刊において、「政府・与党は、小中学校の9年間と定められている義務教育に幼稚園などの幼児教育を加え、期間を10~11年程度に延長する方針を固めた」との記事が掲載されました。

 しかしながら、政府としてこうした方針を固めた事実はありません。

 文部科学省としては、幼児教育と小学校教育の連携・接続の強化・改善など今後の幼児教育の在り方についての中央教育審議会答申(平成17年1月)、今後の義務教育の在り方についての中央教育審議会答申(平成17年10月)等を踏まえ、幼児教育、義務教育の充実に取り組んでいきたいと考えています。

(初等中等教育局幼児教育課)
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[3tkss]三鷹:教育ウォッチングさんのブログにも書かれていましたが、他紙報道にはないことから読売新聞がどういう思惑で掲載したのか不思議です。
何かしら確かな情報源あるでしょうから、文部科学省への反論も期待したのですが、このまま消え去ってしまいそうです。

学校教育への不振感や現場の“荒れ”も指摘されており、教育を何とかしたいとの思いがいろいろな人にあります。
現状の義務教育を変えたいとの思いがこの幼稚園まで義務教育しようとの考えになったのかもしれません。

読売新聞には、「自民党は、05年9月の衆院選の政権公約(マニフェスト)に、「幼児教育の無償化」を盛り込んだ。1月にも、政調会の下に「幼児教育小委員会」を設置し、無償化の具体策として、義務教育延長を議論する。そのうえで、延長に向けた第1段階として、教育基本法4条で定められている義務教育の9年間という期間を削除する考えだ」
と書かれています。

ゆとり教育の評価もあいまいなまま、義務教育の制度までいじりはじめると余計に混乱するのではないでしょうか。

文部科学省は、国立教育政策研究所を中心とする研究グループに委託して「学校の授業時間に関する国際比較調査」を実施しています。
この結果概要を見ると、日本の授業時間が他に国に比較して少ないのに学力が高いことが分かります。
この概要には「る授業時間数の多寡との間に単純な関連性は認められない」と書かれており、、時間をかければ学力が上がるとの単純な関連性がないことになります。

授業時間が少ないから、時間を増やせばいいとの論理であれば現場が混乱するだけですし、子どもが犠牲者になります。将来の日本も犠牲になるでしょう。

たんに時間を増やすのではなく、どうすれば効果的なのかをもっと明確にすべきです。
それと、学校の勉強だけではなく遊びからも得られることが多いのです。
授業だけでは得られない大切な経験も考えた上での教育を考えるべきだと思います。