邑上市長 所信表明 良いところと疑問

 2日に邑上市長の所信表明演説がありました。

 次の議会(3月)に予算編成があり、
 18年度予算の所信表明演説も行うことから、
 詳細は次の議会で表明するとして、
 今回は大まかな内容の演説となりました。

 基本的には、市民が主役の市政へと変えていくこと。
 市長選挙で訴えたこと、
 公約を元にした内容なので、目新しいことはありません。
 市民意見を聞いていくという基本姿勢を貫いているな、
 との感想です。

 「私も市の職員も地域に赴き、
 一人ひとりの市民の皆様の多様な声に耳を傾けること、
 市民のニーズや課題がどこにあるこかを探ることが第一歩」

 「市民の皆様には市政に関心を持ち、
 大いに意見やご希望を市役所にお伝えいただきたいと思います。
 また、市政の中にどんどん参加していただきたい」

 「市民自治の原点とも言うべき協働のまちづくりを
 積極的に進めてまいりたい」

 との言葉を基本姿勢として話していました。

 良いことだと思います。

 ただ、今後、
 市長や市役所にとって批判的なことも言われてくるはずです。
 どう対応していくのかが問われることになります。



 51%の支持があればそれでいい、
 公約に書かれていないことをやる必要があるのか、
 選挙で選ばれたのだから民意、
 居住の自由があるからイヤなら引っ越せばいい、
 というような発言をする首長さんがいましたが、
 批判意見にどう対応するかが、
 これまでの市政との違いを示すかが大きなポイントでしょう。

 それと、市民意見を聞くにしても
 自分の考えをどこまで貫くかもポイントです。

 期待されていた青島都知事が、結局、
 役人のペースにはまって終わったようにならなければと思います。
 当然ですが、
 私は議員としておかしな方向にならないように監視し指摘していきます。

 さて、この演説のなかの基本政策で気になったのは次の三カ所。

 ●中学校給食

 「できるだけ学校給食に近い形で
 食の提供が実施できないか」としていること。

 学校給食にはさまざまな手法があります
 (弁当、ランチルーム、単独校方式、センター方式など)。
 また、一食あたり1000円ほどかかっている経費を
 260円程度の食材費だけの負担でいいのかとの課題もあります。

 学校給食に近い形が何を意味しているのか分かりません。

 6日の代表質問で指摘されるかもしれませんね。

 7日の夕方か8日の午前になると思いますが、
 私の一般質問でも
 『実施を考えているのは法に基づく「給食」であるとの認識か。
 食材費以外にも負担を求める方式は考えているのか。』
 と事前通告しているので答えは分かるかと思います。

 ついでに質問内容をお知らせしますが
 「市長、教育長は弁当で親子の愛情が深まると考えているのか」
 との質問もします。

 長らく続いていた愛情弁当論をどう整理するのでしょうか。
 私はひとつのツールにはなるけれど、
 弁当だけじゃないでしょ、との立場です。

 ●公立保育園改革

 質の向上と経費削減という相反する目的がある
 公立保育園改革が現在進められており、
 改革の進捗状況を評価する評価委員会も設置されています。

 「実施状況につきましては
 第三者による評価委員会が設置され、
 評価がなされておりますので、
 その結果を拝見して、
 さらにすべての子育てをしている人々、
 次世代育成を担う市民の意見を聴きながら
 保育行政の維持向上を図りつつ、
 子育てサービスの充実につなげるように
 努力してまいりたい」
 とあります。

 回りくどい表現で何をしたいのかよく分かりません。
 役所言葉もキッパリ改革すべきですが、
 この第三者との言葉が気がかりです。

 公立保育園には現在、
 東京都主導の福祉サービス第三者評価が行われています。
 このことを指しているのか?

 それとも、
 公立保育園改革評価委員会が第三者というのことなのでしょうか?

 評価委員会は、四人の中心委員がいますが、
 武蔵野市の審議会などによく登場している
 金太郎飴のような人たちがほとんどです。

 また、四人のうち三人は改革計画に携わった人です。
 (案は事務局が作成)

 自分で作った計画を評価するのですから第三者ではあり得ません。
 自分でテストを作っていて、
 その答えを書いているのだから
 八百長じゃないの、と指摘する人さえもいます。

 さらに言えば、市内の民間保育園関係者も入っています。
 改革計画は、改革が成功しなければ民営化としています。

 民営化された場合、市と関係があり、
 いち早く情報を得られる立場にいる民間保育園関係者が
 委員をしているのですから、第三者とも言えません。
 利益誘導の可能性だってあるはずです。

 ある市で児童館の運営を検討していた委員会が、
 民間委託するべきとの結論を出したら、
 いち早く、その委員会に入っていた民間業者が参入して
 運営業務を請け負ってしまった事例があったと聞きました。

 第三者と言うのもおかしいですし、
 市民意見を反映できない委員構成がおかしい、
 市民や本当の保護者代表を入れるべき、と
 これまで指摘しているのですが、
 委員の委嘱は市長権限として続けられてきています。

 委員がどのような考えか、
 どのように働くかは、
 委嘱した、市長の責任になります。
 結局は市長が改革するのか、が問われることになります。

 はたしてどういう意味の第三者なのでしょうか。
 一般質問には入れられなかったので残念!

 ●長期計画の見直し

 市長選ごとに調整していくことになっているので、
 選挙公約と整合をはかり修正するために想定を前倒しで始める。
 これまでの策定委員会方式ではなく、
 公募委員を中心とする個別の市民委員会で
 評価、見直しをしたい、としていました。

 長期計画の審議でも指摘し前市長も認めていましたが、
 これまでの策定委員会方式には限界があります。
 市民参加を全面に出している邑上市政ですので、
 この方針には賛成できるものです。

 私は選挙をマニフェスト型にしていくべき。
 曖昧な公約よりも明確な政策を打ち出して、
 有権者に判断してもらうには
 マニフェストを作るべきだと思っています。
 政策論議も深まるはずです。
 これは議員よりも首長のほうが
 やらなくてはならないことでしょう。

 各地の選挙でマニフェストを掲げて当選した首長が
 最初に突き当たるのが、長期計画(一般的には総合計画)との整合性です。

 北川正恭前三重県知事は、
 総合計画よりもマニフェストが優先すると話していました。

 マニフェストは、4年の任期中に行うと約束したものですから、
 長期展望の総合計画とは意味合いが違います。
 総合計画には、方向性が記されていますが、
 どれを優先するかがない場合がほとんどです。

 となれば、整合性をはかるることはするべきですが、
 マニフェストで約束したことを優先しても良いことになりますし、
 選挙で信託を受けたのですから
 実施すると考えるべきなのだと思います。

 邑上市長はマニフェストを掲げたのではありませんが、
 自らの公約を果たそうとしているのですから、
 長期計画を修正することに異論はありません。

 ただし、長期計画の基本構想は議会が議決しているので、
 こことの整合性を取らないと議会との軋轢ができてしまいます。

 これからの代表質問などでは、このことも争点になるかもしれません。

 いずれにせよ、
 公約を実行しようとする姿勢は評価できますし、
 しなくてはなりません。

 それと、もうひとつ気が付いたことがありました。

 それは、障がい者と書いてあることです。

 障害者と書くころが多いのですが、
 ハンディが害なのか、と考えると違うことになるので、
 害の字をひらがなやカタカナにして書くことが多くなっています。
 一部の自治体でも行っています。

 本来の字の変えてはいけないと批判する人もいますが、
 配慮していることを示す意味も含めて
 武蔵野市でも実施して欲しいものです。

 余談ですが、
 所信表明(施政方針)演説の原稿は、
 一週間ほど前に議員に配布されています。

 質問への配慮ということなのでしょうが、
 それなら、演説をしたら
 すぐに質問に入っても良いように思いました。

 演説とは言っても、
 冒頭の挨拶以外は、
 ほとんどが原稿を読んでいるだけなのです。

 演説している方も
 聞いている方も
(傍聴者にも原稿が配布されていました。
 これはこれは良いことです)
 原稿を見ている姿は、何かムダなような気がしました。

 演説を聞いてから
 質問するとの意味合いで
 すぐに質問とならず時間をおくのですが、
 もっとスピードアップした方が良いように思います。
 傍聴者にとっても、二日も議場に来なくては
 なりませんからね。