2014.09.04 : 平成26年第3回定例会 一般質問

  • マイナンバーは行政効率を高めることも目的として導入すべき
  • 30年を想定した長期的な視点を持つ計画をつくるべき

◯川名ゆうじ

 今回の一般質問は2つのテーマで行います。

 まず1番目、マイナンバーへの対応について。

 昨年5月、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、いわゆるマイナンバー法が成立しました。国民一人一人に番号を割り振り、社会保障や納税に関する情報を一元的に管理することになります。来年の平成27年10月に、マイナンバー(個人番号)が全国民に通知され、28年1月からは社会保障、税、災害対策の行政手続等で利用することが法律により定まっています。さらに平成29年1月からは、国の行政機関の間で情報連携が始まり、平成29年7月からは、自治体も含めた情報連携の開始、さらに民間を含め、広範囲で活用されることが想定されています。

 

 このマイナンバーへ自治体が対応しなくてはならないのは、介護保険、後期高齢者医療、国民健康保険、児童手当、就学援助、住民基本台帳、生活保護、保育園保育料、地方税などがあり、事務的な作業として宛名システムも対応する必要が出てきています。これまでに住民基本台帳法改正や後期高齢者医療制度の導入など、大きな制度変更がありましたが、これらに比べても影響範囲はかなり大きくなる制度と言えます。

 

 内閣官房のサイトにあります地方公共団体向けFAQの最新版を見ますと、マイナンバー導入に向けて、地方公共団体はまず何から取り組まなければならないのでしょうかという問いに対して、まず庁内の体制整備を行う必要があります。具体的には、番号制度の影響が広範に及ぶことから、制度導入のための各作業を総括できる番号制度主管課を定めることが適当です。特定個人情報の保護措置、この主管課がいまだ決定されていない団体におかれては、早急に決定する必要がありますと書かれています。

 

 また、特定個人情報の保護措置を定めるための条例を、平成27年10月までに定めること、独自利用をする場合は平成27年10月ごろには条例を制定していくことなども示されています。つまり来年のこの9月議会には、遅くとも条例案を上程していなくてはならないことになります。さらにマイナンバーの利用は、市役所だけではなく、指定管理者も使用することになり、外郭団体での業務も考えなくてはなりません。しかし実施することは決まっているのに、その対応や活用方法について、現時点で明確になっていないと思え、今回の質問を行うものです。

 

 マイナンバー法の内容については御承知かと思いますので省略しますが、同様の制度はアメリカやカナダ、イギリス、オランダ、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、オーストラリア、韓国などでも導入され、インドでも導入が始まっています。日本では、徴税や資産を把握することが主目的と考えられた側面や、国が国民を統制するかのように問題視する意見もあることは承知していますが、成立した法律の第1条には、行政運営の効率化と国民の利便性の向上と目的が書かれており、この2点を重要視して対応すべきだと考えます。

 

 今後、税収が大幅にふえる見込みがない中、社会保障費がふえていくことが想定されています。一方で、市職員の業務もふえている状況もあります。マイナンバーにより行政運営が効率化できるのであれば、経費削減、業務改善が期待でき、削減ができた財源、人的資源を新たな住民サービスへ向けることも可能となります。行財政改革のツールになることも期待ができます。現時点でマイナンバーの活用範囲、特に自治体でどこまで活用できるかが明確ではなく、個人情報をどのように守るか等の課題が多いことは理解していますが、今後の時代を考え、行政の効率化、市民利益が増すことを第一に考え、取り組むべきと思います。以上の観点から、次の質問を行います。

 

 1番目、マイナンバーへの市としての課題と評価について伺います。

 

 2番目、マイナンバーへは市各部署で対応する必要があり、条例改正も必要と考えますが、対応についての課題を伺います。

 

 3番目、マイナンバーは自治体が条例を制定することで独自に活用することが可能となっています。個人を認証できることになれば、図書館や公共施設の予約などでの個人認証に使うことも、当然考えられます。それぞれに別のシステムを入れて、別々に運用していることは、経費が数倍になることになります。マイナンバーを契機に、公共施設の予約や図書館システム等を統合していくべきと考えますが、御見解を伺います。

 

 4番目、マイナンバーへの対応を契機として、自治体クラウドへの移行に着手した自治体もあります。自治体でのクラウド活用は、複数自治体でシステムを共用することによってコストの削減が可能となります。特に東日本大震災後は、データの保全や迅速な業務再開などのBCP強化の観点からも注目されています。また、不正アクセスなどへのセキュリティ対策としても期待が高まっています。しかし自治体のすべてのシステムをクラウド化するにはまだまだ課題が多く、現時点で行うべきという判断にはなりません。

 

 ですが少なくともマイナンバーを契機に、ほかの自治体との連携を行う必要があり、そのためには恐らく中間サーバーを使用することになることが考えられます。この中間サーバーではどこまで連携できるかも明確にはなってはいませんが、市が持つ情報を電子化し、連携することで市民利益が増すことが考えられます。その1つの可能性が、さきの質問にあります図書館システム等などとの統合です。何を連携するかはこれからとしても、その大前提として、電子データにしておく必要があります。この電子データにするためには、まず市が持つ台帳や書類のフォーマットが統合されていなくてはなりません。そこで現在、市が持つ台帳で手書きとしているのはどの程度あり、台帳への記入方法について統一の規定があるのかを伺います。また連携するかは別の課題とは思いますが、電子化されていない文書はどの程度あるのかを伺います。

 

 5番目、マイナンバーと市が持つ情報をどこまで連携できるかは、今後の制度が固まることを待つしかありませんが、市民利益につながる情報連携は、マイナンバーを待つまでもなく進めるべきと考えます。例えば高齢者に対しての健康記録や介護予防、介護情報、医療情報、福祉施策などを連携する福祉システムや、1人の子どもに対して妊産婦健診から小・中学校までの記録を電子化し、一貫性を持たせること、このようなことで行政の縦割りに持っている情報が市民一人一人の情報となり、行政の効率化だけではなく、市民にとってもメリットになることが考えられます。国が示す内容を待っているのではなく、市民にとって何がよくなるかを考え、さらに行政効率を高めることを目的に、市としても積極的に対応を考えるべきではないでしょうか。御見解を伺います。

 

 6番目、マイナンバーでは、書類がなくなるような大災害時にも活用できるというのがメリットの1つとも言われています。現状では個人認証をどのように行うかの課題があり、すぐに活用できる状態とはまだ考えられない状況です。しかし、市民にとってこのことはメリットがあります。大災害時に体一つで逃げ出した場合、住宅の状況、所得を証明するものがなく、保険証、介護保険の状況もわからない、さらに医療情報もわからない中で、どのように支援を得られるのかを考えていくと、証明書がなくてもわかるようにしていくことができるためです。

 

 そこで現在、市が行っている災害時要援護者対策事業では、支援者だけではなく、市としても情報を電子化し把握することで、対応策が強化できると考えますが、現状の対応と見解について伺います。

 

 7番目、マイナンバーのメリットとして、市の情報を市民へプッシュ型で配信することが考えられています。例えば各種の手当や年金などの給付のお知らせ、低所得者の負担軽減策をスマートフォンなどに伝え、その場で決済することなどが考えられます。これらは韓国では既に行われているもので、同様のことは民間でも行われており、技術的には不可能ではないものです。マイナンバーで行うには、詳細な制度が未確定なため、いつごろ始まるかは定かではありませんが、希望する市民には市の情報をメールで配信するシステムを先行して実施することで、市民にとってはメリットが多いと思いますが、御見解を伺います。

 次に、長期計画の策定期間について。

 

 現在の長期計画は、最大で10年を計画期間とし、間に調整計画で見直す仕組みとなっています。この仕組み自体は評価し、今後も続けていくべきと考えますが、まちづくり、公共施設の再配置、見直しを考えると、より長い期間での視野が必要だと考えられます。例えば都市マスタープランは20年間で計画をしており、現在では2030年、平成42年の武蔵野市が目指すべき都市像、生活像を示しています。平成22年に公表された武蔵野市の将来人口推計は、20年間を推計し、これも平成42年までを推計しています。公共施設白書では、2060年、平成72年までの推計があるほどです。市の最も上位計画である長期計画がこれらよりも短い期間ということについては少々疑問が出てきてしまうものです。

 

 公益財団法人日本生産性本部が平成24年4月に発表した地方自治体における総合計画の実態に関するアンケート調査結果報告書には、基本構想の策定期間の項目があります。ここから10年未満5年以上の期間としている全国の市・区を見ると、11.9%となっていました。15年未満10年以上が75%と主流を占め、15年以上は10年未満とほぼ同じの11.4%となっていました。

 

 武蔵野市の長期計画は最大で10年で、市長の任期の4年を見直しの基本サイクルとしていますので、実質的には8年となり、期間で見る限りでは短い部類に入ることになります。短期間で決めて実行していくことは重要ですが、どこへ向かうための実行なのかが明確ではないと、政策や施策の成果が何に結びつくのか意味がわからなくなる可能性があります。船の旅、航海で考えれば、目先の潮流、天候だけに合わせてかじを切っているのでは、どこへ到着するかがわからなくなってしまいます。多少のずれは問題ないとしても、途中の港がどこにあり、どこが最終目的地なのかを示していないと、結果的に漂流してしまう可能性もあります。そこで、航海の途中の潮流や海底地形、危険物などを示し、航路がわかりやすくなる海図が必要となります。

 

 同じように、自治体の計画についても短期間での問題解決が何を目指しているのか、長い期間でどこの目的地へ向かっているのかの海図、つまり現在の長期計画よりも長い期間の計画、これは括弧つきの「計画」ですけれども、必要ではないでしょうか。

 

 国の制度改正や社会状況が目まぐるしく変わる昨今を考えると、詳細な内容までは必要はありません。長期計画の策定時に大まかに修正をしていくとしても緩やかな計画で十分だと思います。例えば30年を想定した長期的な「計画」を策定してはどうかと提案させていただきます。現在の長期計画を、いわば中期計画と位置づけることで、武蔵野市が目指す港を想定し、その間の潮流や海底地形に合わせる各種の課題、決めなくてはならないことを示しておく、長期的な課題を見える化するためのものとなります。

 

 この長期計画だけではありませんが、各種の長期間にわたる計画をいろいろ議論する際、計画の終了時には自分はいないからという言葉をよく聞くことがあります。市職員で考えれば、例えばこの30年間とすれば、今の20代の職員であれば30年後には50代の職員として、市の中枢ポジションとなっていることになります。つまり20年間で考えた計画の進行をみずから体験し、結果を見ることができることになり、より目指す方向を見失うことを防げるのではないでしょうか。

 

 さらに、市民にとってもより長期的な視野で武蔵野市の将来の施策を考えることもでき、計画が突然出てきて先を考えていないという批判が少なくなることも考えられます。そこで、以下の質問を行います。

 

 (1)今から30年後、平成56年、西暦2044年までには市民文化会館の建てかえが必要となってきます。市役所庁舎、クリーンセンターも考えなくてはなりません。吉祥寺の公会堂も建てかえができたとすれば、中間の大規模な改修時期となります。武蔵野プレイスも同様となります。公共施設の建てかえ、あるいは複合化、なくすことなど、直前で考えるのではなく、15年前、10年前に何を考え、決めなくてはならないか等、逆算したタイムスケジュールを示しておくことが必要であり、これらのことを示す計画、先ほどでいえば海図になりますが、このようなものを策定すべきと考えますが、御見解を伺います。

 

 2番目、同時に30年間を想定した財政計画も示すべきではないでしょうか。介護保険では2025年問題が議論されていますし、さらに先も考えられていますが、最も問題になるのは財政問題です。歳入については制度の変更など不確定要素が大きく、額を示すことは困難だと考えますが、歳出については現状のままと規定すれば可能だと考えられます。固定費がどの程度続くのかをわかりやすくするためのものです。特に長期的に市債がどのように変化し、施設等の減価償却費がどのように変化していくか示すべきと考えますが、御見解を伺います。

 

 3番目、これらのことは、公共施設白書や各種報告書、計画などを調べればわかるもので、既に考えられているものが多くあります。ですが、これらを網羅的に集め読み込むには多くの時間と労力が必要で、普通に考えればかなり困難だと言えます。まして市民が容易にわかる状態だとは言えません。そこで、長期計画や調整計画の冒頭などで、30年先を見据えた状況を示す「計画」、いわばさきの海図になるようなことを記載すべきと考えますが、御見解を伺います。

 以上、壇上での質問を終わります。御答弁をお願いいたします。

 

◯市長

 それでは、川名ゆうじ議員の一般質問にお答えしてまいります。

 マイナンバーへの対応等についてということでございますが、まず今、国のほうで進めておりますマイナンバー制度、市としての課題と評価についてというお尋ねでございます。この制度は、御案内のとおり社会保障・税番号制度、いわゆるこれをマイナンバー制度と称しているところでございますが、広範囲にわたって行政事務に対しての影響が極めて大きい制度であると認識してございます。

 

 これに対応していくに当たっての課題としましては、1つ目として、システム改修の規模が非常に大きいことに加え、複数事業者間の情報連携に係る調整が多く発生すること、2つ目として、早急にシステム改修に取りかかる必要があるにもかかわらず、国からの制度に関する情報がなかなか流れてこないという点。3つ目として、新制度に対応した個人情報保護体制をどのように確立していくかと、これは大きな課題でございます。それから4点目として、制度全体が大変複雑でございまして、これをどうわかりやすく住民に説明していくのか、また個人情報保護に関してはどのように市民の不安を取り除いていくのか、このような課題もございます。

 

 5点目として、平成27年10月に、ちょうど1年後に全住民に対して番号の通知を行う予定でございますが、これをどう混乱なく進める体制を整えるかなどが挙げられているところでございます。大変に大規模な制度改正であるにもかかわらず、国からの情報がなかなか流れてこない状況に加え、今後、国からの情報が出され次第、急ピッチでの対応を余儀なくされるというような状況であることを踏まえると、まずは本制度がきちんと動き出して、最大の懸念である住民の個人情報保護をきちんと担保していけるかという点を見きわめていくことが大変に重要であると考えてございます。

 

 よって、マイナンバーや個人番号カードの市の独自利用などについては、制度施行後に段階的に行っていくべきではないかと考えておりますので、まずはこの制度を動かすこと、基本的なことを動かすことを第一に考えていきたいと思っています。もちろん本制度への対応を進める上では、住民の利便性の向上及び行政事務の効率化という制度全体の趣旨について常に意識し、個人情報保護に十分に留意しながら、市としての今後の独自利用の可能性についても検討を進めていきたいと考えております。

 

 なお、大変、国に対しては課題ではないかと考えておりますので、先月末に市長会を通じて、国あてに社会保障・税番号制度の円滑導入のための支援に関する緊急要請、予算の件も明確になっていないということもございますし、さまざまな個人情報に関する指針についてもなかなかおくれているということでございますので、またマニュアルを作成するに当たっても、国の考え方が明確に示されないと、事業そのものが大変課題となってまいりますので、それを踏まえての要望を各大臣、大臣はかわってしまいましたけれども、総務大臣ほか厚労大臣、社会保障・税一体改革担当大臣あてに提出したところでございます。

 

 次に2点目で、マイナンバー制度のために必要な条例改正などにどのように対応する予定かということでございますが、まず確実に必要となるのが、個人情報保護条例の改正でございます。法律において、現行の個人情報保護法制に対して、マイナンバー制度における例外を規定している部分を受けて、市の個人情報保護条例も改正の必要が生じます。

 

 また、マイナンバー制度に対応するために、関連するさまざまな法令類を国で一括で整備しておるところでございますが、これに直接対応する市の条例がある場合には、改正が当然のことながら必要となってくるところでございます。そのほかマイナンバーの独自利用及び個人番号カードの独自利用を行う場合にも、条例に定めることが必要となってまいります。これらの規定改正については、自治法務課、市民活動推進課や各個別業務を所管する部署と連携を行いながら進めていく予定としております。

 

 次に、3点目でございますが、マイナンバー制度への対応を契機として、公共施設の予約や図書館情報システムなどを統合すべきではないかということでございますが、御指摘の部分につきまして、恐らくマイナンバー制度における番号の独自利用とともに、現行の住基カードにかわって新たに発行される個人番号カードの独自利用に関連することと思われます。既存の各種行政サービスカードを新しい個人番号カードと統合することは、これは技術的にも制度的にも可能であると考えますが、しかしながら、個人番号カードは、御案内のとおり個人を行政上、厳密に特定するための大変重要なカードとなりますので、私どもとしては、いわば実印に相当するものであろうという重要性を持つカードとして認識しているところでございます。

 

 よって、例えば市で発行する印鑑登録カードとの統合などについては、これは検討を行っていく予定としておりますが、この実印に相当するカードを施設予約や図書館サービスを受けるための行政カードと統合するかについては、これは慎重に検討しなければいけないのではないかなと考えております。現時点ではなかなか難しいのではないかなと考えております。

 

 次に4番目で、マイナンバー制度の導入とともに、市が持つ情報を積極的に電子化することが住民の利益につながることが想定されるが、現在、市で持つ手書きの台帳がどの程度あり、台帳への記入方法についての統一の規定があるのかというお尋ねでございますが、武蔵野市個人情報保護条例第9条に基づき、個人情報を新たに取り扱う事務を開始する場合には、どのような情報をどのような形式でどのような目的で収集するかなどの項目について、市長に届け出ることが義務づけられているところでございます。

 

 この届け出の総数が592件ございます。このうち電子的な処理を行わず、手書きのみで行っているという形で届けられているのが226件、約38%でございます。この内訳としては、相談事業における相談カードや契約などのために事業者から提出させる現場代理人の届け出など、受領または届け出があるが市側から相手側に返信しないものが該当例として多いという状況でございます。

 

 なお台帳への記入方法についての統一の規定は特に定めておりません。御質問の趣旨は、マイナンバー制度の導入に伴い、国の定める情報連携フォーマットに合わせた台帳作成を行っていくべきということかと考えますが、このフォーマット自体がまだ国から正式に示されていないために、今後、国からの提示があり次第、対応を検討してまいりたいと考えております。

 

 次に5点目で、マイナンバー制度の導入を待つことなく、市として住民情報の効果的な連携を推進し、一元的に情報を活用できるようにしていくべきではないかというお尋ねでございますが、市では26年1月の、本年1月の住民情報系システム再構築において、マイナンバー制度では必須となる生活保護の受給情報の連携を先取りして実施しております。従来、紙の連絡票でやりとりされていたものがシステム化され、紛失等の危険性が低減された上、必要な業務に確実かつ迅速に連携できるようになったところでございます。またこれまで紙のリストで各課に周知されていたDV支援者情報を電子化して、住民情報系システムが導入されているすべての業務でリアルタイムに参照することができるようになり、窓口で加害者等に不用意に住所を開示しないようシステム的に警告が出る仕組みを構築し、被害者の安全向上を図っているところでございます。

 

 さらに所得などの税情報についても、システム的な情報連携を進めることにより、従来、市民から所得証明等の提出が必須であった事務において提出が不要となったり、各課職員が市民税課にその都度、足を運び、許可を得て市民税課の端末を閲覧するといったことが減少し、業務の効率化と住民サービスの向上が図られているところでございます。

 

 これらの取り組みは、基本的にマイナンバー制度における理念と一致するものでございまして、今後も同様の姿勢で取り組めるものは取り組んでいこうということを考えているところでございます。

 

 6点目として、マイナンバーの災害時利用という点に関連して、市の災害時要援護者対策事業における各種情報の電子化についてというお尋ねでございますが、市の災害時要援護者対策事業については、本年1月より稼働を開始した新住民情報系システムの中で、既存の紙台帳と簡易的な電子情報から、新規システム化を行ったところでございます。新システムでは、日々の転出入や死亡などの異動などによって更新される要援護者及び支援者の情報をリアルタイムで把握し、発災時に的確かつ迅速に安否確認を行うことができるような体制を整備してございます。また、介護情報や障害者情報等についても、これまでの紙の記録媒体による連携から、新たにシステム連携を開始し、確実な情報把握による制度の向上や事務の効率化及びセキュリティ向上を実現しているところでございます。

 

 マイナンバー制度においては、大規模災害時の活用方法として、被災者生活再建支援金の支給事務や被災者台帳の作成に関する事務にマイナンバーを利用することができるとされているが、具体的な利用方法については詳しくは説明されてございません。市の災害時要援護者事業についても、条例に定めることにより、マイナンバーの独自利用を行うことは可能であるが、現時点の市の内部的な取り組みにおいて、既に一定の対策が講じられているところでもあり、今後、国からの情報を注視しながら、活用方法については検討していきたいと思っております。

 

 次に、7点目でございますが、マイナンバー制度の導入とともに、市のサービスなどの情報をプッシュ型で配信することが予定されているが、この仕組みができる前から、市として希望する市民に対してメールによる情報を発信するシステムを先行して実施すべきではないかということでございますが、市政の情報の配信につきましては、防災・安全メール、環境イベントのメールマガジンなど、各分野の情報を、登録制ではございますが、発信しているところでございます。また市政情報全般につきましては、ソーシャルメディアの活用により、ツイッター、フェイスブックによる情報提供も実施しているところでございます。

 

 マイナンバー制度の導入とともに開始されるマイポータルという仕組みの中で、行政が住民に対してプッシュ型でサービスを展開していくための仕組みについて、今後、国において検討される予定と認識しているところでございます。プッシュ型のサービス提供を行うためには、住民一人一人の状況を行政が正しく包括的に把握していく必要がございますが、マイナンバー制度においてはその用途を法律や条例に厳密に定め、それ以外の目的外利用を一切不可能とすることで、個人情報保護上の安全性を担保しているという制度設計がなされているものであり、この制度の導入により行政機関が制限なく一元的な情報利用を行うことができるというものではないと考えているところでございます。それぞれのサービスにおいて対象者を把握できる情報を取得するための規定整備、条例化等を含めて個々に行った上で、その規定に基づいた情報連携を実施することで初めてプッシュ型の通知が可能となると考えております。

 

 現行制度のもとでの実現はなかなか難しいので、マイナンバー制度導入後に対応方法について検討していきたいと思っております。もちろん個人の状況によらず、さまざまな市のサービスを、さまざまなチャンネルから周知していくことは必要だと思っておりますので、現在実施しているフェイスブック、ツイッターによる周知の中に行政サービスに関する内容を拡充させていったり、あるいは防災・安全メールのような一定のテーマ、トピックに絞った形でのメール周知を拡充していくことなどについては検討していきたいと考えております。

 

 次に、大きなお尋ねの2つ目で、長期計画の策定期間等に関するお尋ねでございます。タイムスケジュールとして示す30年スパン程度の計画を策定すべきではないか、そして3点目もあわせて御答弁申し上げますが、長期計画や調整計画の冒頭などで、30年先を見据えた状況を示す計画を記載すべきではないかという御提案、御意見でございます。

 

 議員御指摘のとおり、特にまちづくりや都市基盤、公共施設を考えるに当たっては、10年を超えるスパンに立った、視点や物事のとらえ方が非常に重要であると考えております。きょうも他の議員からの下水道に関するお尋ねの中で、30年後の雨水の流出係数なる目標値をお示ししたとおり、下水道計画もそうでありますが、都市計画マスタープラン、あるいは緑の基本計画等についても、10年を超える目標値をある程度想定しているところでございます。

 

 第四次武蔵野市行財政改革を推進するための4つの基本方針の1つであります、長期的視点に立った財政規律の維持もそうした考え方に基づいて規定しているところでございます。先日の総務委員会にて行政報告を行った公共施設等総合管理計画は、10年を超える長期的視点に立って策定に取り組んでいこうということを示したところでございます。計画となりますと、明確な目標が設定され、その目標に到達するための必要な具体的な手段の明記が必要となるところでありますので、社会経済の変化がこれだけ激しい状況にあって、30年先を正確に見通すこと、すなわち目標や手段を明確かつ具体的に示すことはなかなか難しいのではないかなと思っております。またあわせて、長期計画におきましては議決の関係もございますので、その重要性を考えますと、30年間という計画の決定に関する状況はなかなか記載は難しいのではないかなと考えております。

 

 ただし、計画とまでは言えませんが、第五期長期計画においても既に冒頭に、「武蔵野から新しい都市像を開こう」というまちづくりの視点と目標の部分で、21世紀前半あるいは次世代を意識し、長期計画の計画期間だけではなく、その先を見据えて記載をしている経過もございますので、今後30年後の計画というような明確なものではないかもしれませんが、そういう長期的な視点はぜひ整理してみたい。その上で、例えば調整計画でどこまで記述が可能かはこれからの検討になりますけれども、冒頭などで工夫をしてみたいと考えているところでございます。

 

 2番目の御質問で、財政計画に関する30年間の想定ということでございますが、財政計画は長期計画の策定に際し、財源の裏づけを保障するものであることから、長期計画の計画期間に合わせて策定しているものでございます。こうしたことから、財政計画は調整計画においても5年間としていきたいと考えておりますが、現在、公共施設等管理計画の策定を進めており、その中で長期にわたる財政見通しを作成していく必要もございますので、それらを背景に検討していきたいと思っています。

 

 なお、長期的な財政見通しは、歳入・歳出とも国の制度改正や社会経済状況の変化に伴い大きく変動することが想定されるので、作成に当たっては前提となる条件等を十分に精査し、作成後においては定期的な見直しを行っていく必要があると考えております。なお、市債の見通しについてもこの中であわせて作成していきたいと考えております。

 

 施設の減価償却の状況については、武蔵野市の年次財務報告書の取得価格3億円以上の建物の一覧に記載しており、また公共施設白書にも施設の建設経過年数や減価償却の状況を示しているところでございますが、長期計画、調整計画において、30年間に想定される施設ごとの建てかえ費用や時期の見込みを示すことについては、今後よく検討してまいりたいと考えております。

◯川名ゆうじ

 まず長期計画、「計画」と言うとちょっと言葉がかなりきつくなってしまうので、何と表現していいか非常に悩んだんですけれども、要は長いスパンにわたって、何の課題があるのか、どういうことをいつ考えなくてはいけないということを見える化するというのが今回の質問の趣旨です。

 

 確かに「計画」とすると、いろいろなつくり方ですとか議決の問題が出てきますので、ほかの課題が出てくるかと思うのですが、これから一体何が起きるのかと既に想定されているわけです。今、御答弁にもありましたように、いろいろな、年次財務報告書ですとか公共施設白書等々に実は調べていくと大体、数字は拾えてくるのですけれども、壇上で言ったように、市民の人がそれを一つ一つ見ていくのかというのはなかなか難しいですし、よほど好きな人でないとそこまで見ないですよね。

 

 それを考えていくと、やはり長期計画というのは武蔵野市にとっても非常に大切なものですし、一番基礎的な計画となる、最上位になる計画ですから、ここにこういうことが起きていくということを、形はどうであれ、示していくこと、そして要は30年か40年かわかりませんけれども、長期的にこういう課題がある中で、これからの10年間、あるいは4年間にこれをやるのだという形を示していくことで、この長期計画自体の整合性も出てきますし、いろいろなことも先回りして議論ができるかと思います。

 

 こういう観点で、次の調整計画に載せる、載せないというのはまた別の話かもわかりませんが、こういう見える化をぜひともさらに進めていっていただきたいと思います。このことについて改めて御見解があれば伺いたいと思います。

 

 マイナンバーについては、確かに御答弁のように詳細が全然わからないという大問題があるかと思います。たしか当初では、この9月前後に詳細が明らかになるということになっていたものですから、私も一般質問を組み立ててきたのですけれども、その詳細が今になって出ていないというのがちょっと困ったなという状況になっています。

 

 ただ、法律で決まった以上、もうやる時期は決まっていますよね。それを考えていくと、やはり動き出さなくてはいけないことがありますし、御答弁にありましたように、まずは確実にやっていくこと、個人情報を守っていくということは大優先なのですが、やはりここでは市民利益と行財政の効率化・改善がどうなっていくかという視点をもっと重要視していくべきだと思っています。

 

 御答弁の中でいろいろ、福祉分野のほうではもう既に始まっていますというお話がありました。確かにこれはいろいろ調べていくと、もう既にやっていることが多々あって、逆にマイナンバーができる前から本当はできるのではないのかなと思ったのが今回の質問の中に入れた1つのきっかけです。要は今、財源が厳しくなっていく中で、社会保障費がふえていくということを壇上で質問しましたけれども、その中には情報を連携していくことで対応できるのではないかという考え方が1つあります。

 

 武蔵野市で、ジャンボリーでお世話になっている川上村では、介護ヘルパーの方と看護師が巡回するその情報を共有化することで、結果的に医療費を削減するという効果が出ています。あそこはもともと病院がないという問題があるのですけれども、要は各種の情報を連携していくことで、結果的に健康を続けていくこと、医療費の削減、要は経費削減、こういうことにつながっていくという事例がほかにもあります。例えば福岡県の大野城市というところ、ここはいろいろな各種の情報をクラウドして、連携していくことでいろいろな福祉的なものを全部統合していくことが、結果的にそういう財政支出や健康を保っていくということにつなげることがもう既に始まっている。

 

 そう考えると、今、武蔵野市が行っていることをさらに拡大していくということも必要ではないでしょうか。たしか今、タブレット端末を使って、どこか訪問しながらいろいろやっていくというシステムも始まっていますよね。医師会か何かの協力を受けていると思うのですが、要はそういう情報端末を使って、その場で情報を共有していこうという試みが既に始まっている一方、まだ紙台帳が残っているとなると、連携をどこまで広げるのか。要は連携しないことにはすべての施策は効率化しませんので、マイナンバーがどうなるかわからないということは重々承知していますけれども、市民利益を最善にするということで、さらに拡大を続けていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

 このマイナンバーの取り組みで、いろいろな自治体で話を聞いていきますと、この取り組み次第によって自治体間格差が広がるというのはどこの市でもおっしゃることなのです。要はそういう市民サービスを進めるということは、実は先ほども言ったように、行政効率を高めるということになっていくのですけれども、例えばある市では、マイナンバーを使ってワンストップサービスを行います。これを市の売りにしたいということを話されていました。例えば武蔵野市に転居してくると、異動届だとか子どもの学校の届ですとか保険だとか年金だとか、年金はまた別になりますか、介護保険ですとか各種いろいろなことを登録しなくてはいけない。窓口を4つも5つも行かなくてはいけないという状況にあります。これがワンストップでできるとなると、住民側にとって非常に大きなメリットになる。

 

 一方、行政側で考えると、例えば4つの窓口に行くことが1つの窓口で済むということは、業務が4分の1になる。非常に単純な計算ですけれども、4分の1になるということは、行政的にも非常に効率が上がる。つまり窓口業務が減っていくという可能性も出てくるわけです。行財政改革が進むということにもなります。

 

 マイナンバーで将来的に考えられていくのは、各種の証明書等々をコンビニで発行するということも考えられています。とすると、出張所が要らなくなってくるということも出てきます。1階の窓口の縮小をするということもできるということになってくる。要はこういうことも考えていかないと、この財政が厳しい中、かなりきついことになっていくのだと思います。

 

 武蔵野市では、その一端というのですか、ベースとなることも既に動き始めているということを考えれば、マイナンバーへの対応だけではなく、そういう独自的に進んでいく、独自利用もさらに先行して考えていくべきかと思いますが、この点について改めて御答弁をお願いいたします。

◯市長

 先ほども御答弁申し上げましたとおり、マイナンバーをいかにスタートするかということがまず第一だと思いますけれども、当然のことながら、その活用については大変多様性を秘めているのではないかと思っております。御意見いただきましたワンストップサービスも、こういう制度を使えば極めて容易に対応が可能ではないかと思いますし、またそういう効率化を図ることによって、窓口の削減とかそういう対応にもつながっていくのではないかと思いますが、いずれにしましても、市の独自利用を考えるにしましても、やはり川名議員が御指摘のとおり、市民利益の優先、市民利益をどうやって増進していくのかということと、効率的な行政サービス、この大きな2点を忘れてはいけないなと思っておりますので、この2点を目的に、可能な市民サービスの活用については大いに研究をしていきたいと思っております。

◯川名ゆうじ

 ぜひともやっていっていただきたいし、やらざるを得ない状況になってきていると思います。

 個人情報を懸念される方は多いかと思うのですが、実際、クレジットカードを使うと、大体そういう情報って先に伝えることもありますし、インターネットで本を買うと、その場でクレジットカードの番号を申し込んで、あるいはそういう個人情報を先に入れてしまうということもあります。要は民間ではメリットが大きければ多少のリスクには目をつぶって使っているというのが現状かと思います。これはメリットとリスクをどこまでとるかという課題もあると思いますけれども、まずメリットを最優先して取り組んでいただきたいと思います。

 

 もう一つは、情報セキュリティをこれからかなり強固にしていかなくてはいけないと思うのですが、いろいろな面で市役所の業務改善、業務のことをもう一度、考え直していただけないかと思います。この前の代表者会議で、井之頭小のあそべえの個人情報書類がなくなってしまったということがいろいろありまして、そのときにも議論がありました。これは鋭意、努力してもらわなくてはいけないと思うのですが、これ、そもそもで考えていくと、紙の情報を、大きな被害があったときに、わざわざ持ち出していかなくてはいけないのかということを考えなくてはいけないと思うのです。

 

 例えば火事になっているさなかに、ロッカーのかぎをあけて紙の情報を持っていくということをすべきなのでしょうか。そんなことよりも、子どもを安全に避難させるということが最優先させるべきだと私は思うのです。逆に館長さん、あるいはスタッフの方がいない、あるいは災害でいろいろなアクシデントがあった場合、ではどうするのか。子どもは避難できたけれども、子どもの安全をどうやって保護者に伝えるのかと考えると、実は紙の台帳にこだわっていると、子どもの安全、あるいは避難に対して大きな問題が出てきてしまうのではないかと思っています。

 

 これは何が言いたいかというと、先ほどの書類の電子化、クラウド化とつながっていくわけです。要はそういう情報がクラウドに入っていれば、あそべえの中で燃えてしまってもわかるわけです。そこで館長さんが逃げ出すことができれば、市のシステムに行って連絡先もわかります。館長さんがいなかったら、市の職員が駆けつけて、例えば親に引き渡す、あるいはこの子の病気はどうなっていますということもわかる。まして誰かが盗んでいくということもなくなってくる。要はこういうことも全部考えていくのが、今回1つマイナンバーをきっかけとしていろいろ考えていくべきことなのだろうと思いました。

 

 こういうことも含めて、ぜひとも業務改善、要は今あることが大前提ではなくて、これをきっかけとして、いろいろな業務改善とか個人情報の取り扱いについてもぜひとも議論を進めていくべきかと思います。この点についても御検討をいただけないかと思いますが、最後に御見解を伺いたいと思います。

◯市長

 国の制度として予定しておりますマイナンバー制度でございますが、国が予定している基本的な対応だけではなくて、やはりその可能性については今後よく研究をしていく必要があろうと思っています。今さまざまな紙媒体で行っております対応も、そういう情報システムを使うことによって、より安全になる可能性もありますし、効率的になる可能性も大いにあるところでございますので、それを踏まえた上で大いに研究していきたいと思っておりますし、またちょっと話がそれるかもしれませんけれども、市もペーパーレス化ということを今、研究しているところでございます。

 

 さまざまな資料を、参考資料程度でも、それが全部、紙媒体で配られますと、大変その管理も、また環境にも優しくないということから、例えば主管者会議の中でも、なるべくタブレットなんかを使えたら、それで情報共有してみたらどうかと、そんな提案もされているところでございますので、そういう行動もあわせて行っていくということの中で、今回、マイナンバー制度という大きな課題を抱えておりますけれども、それをきっかけとして、より効率的な運営と、それから市民利益の増進について努めてまいりたいと考えております。