2013.09.05 : 平成25年第3回定例会 一般質問

  • 市の内部だけではなく、市民参加による事業仕分け、事務事業評価をすべき。
  • 官製ワーキングプアをなくすためにも。公契約条例を実施すべきだが現状と課題は何か?

◯川名ゆうじ

 今回は、大きく分けて2つのテーマで質問をいたします。

 1番目、市民参加による事業仕分けについて。

 

 この質問は、税収増が見込まれない今後を考えると、事業の効率化、縮小、廃止が必要となりますが、どのように市民が納得してできるのか、結果を導くまでにどのようなプロセスが必要なのか。市民による自治を目指すのであれば、どのように主権者である市民がかかわるべきかを考えると、有効なツールになると考えて、提案を行うものです。

 

 本市では、事務事業(補助金)評価を実施してきており、このことについては評価をいたします。しかし、現行の評価スケジュールを見ますと、7月に庁内説明、8月に各課からの対象事業を提案、9月から翌年2月にかけて評価を行い、予算案へと反映、3月に評価結果集を作成するとなっており、市民には、どの事業が、なぜ対象になったのかがわからず、何も言えない中で結果が出される状況となっています。

 

 これは議会に対しても同様でしたが、昨年12月には議員向けに事務事業評価の対象となる一覧が配付され、俎上となる事業がわかるようになり、結果だけを知らせることからは改善されたと考えられます。しかし、議会にとっては結果が反映された予算案についてのみ、可否、修正の判断をすることになり、事業の改善策などの議論ができないことや、廃止となった予算が計上されていない場合の対応などに課題が残されています。

 

 このような手法は、市が独自に判断していることになり、市民との協働を進める市政としては方向性が異なることにならないでしょうか。議会との議論の場については、今後の議会改革の中で検討するとしても、市民参加を進める市政とすれば、今後は参加ができるように改善策が必要と考え、以下を質問いたします。

 

 1番目、本市での事務事業評価は、フルコストを明確にすることや成果を考えることになることなどは評価をしますが、市としての事務事業評価への評価、課題について伺います。

 

 2番目、現在のスケジュールでは市民が意見を言える場がないと言えます。そこで、対象事業が決まった段階で、事業の目的、フルコスト、課題、担当課による1次評価などを示した上で公表すべきではないでしょうか。結果を出す前に情報を公開するとの考え方です。御見解を伺います。

 

 3番目、現状では担当課が対象事業を提案するとなっていますが、このまま続けていくと、対象事業が無限にあるわけではありませんので、事業の限界が来ることにはならないでしょうか。また、庁内だけの議論となり、新たな観点、市民からの視点などが不足すると考えられます。自分たちは一生懸命やっていると思っていても、井の中のカワズになることはよくあることです。そこで、公開の場での事務事業評価、棚卸し、あるいは時のアセスメントなどと呼ぶこともありますが、一般的に知られている事業仕分けを実施すべきではないでしょうか。その際、対象事業の選定、評価判定に市民が参加することが可能になる方式を取り入れるべきと考えますが、御見解を伺います。

 

 この市民が判定する方式は、仕分け人と呼ばれる外部の評価者が、事務事業の担当者から事業の概要や課題、効果的に行われているかなどを質問し、どのような改善策があるか、あるいは、なくした場合どのようになるかを議論し、この議論の様子を聞いていた10人から20人程度の市民が、事業を継続、改善、廃止などと判定する方式です。納税者である受益者である市民がみずから事業が必要なのを考え、判定するもので、現在では多くの事業仕分けで行われている手法です。市民が財政的な考えを持つこと、税金を使うべき事業なのか、ほかに手法があるかを考えることにもなり、市民による自治としても有効な手法となるものです。

 

 4番目、事業仕分けを行う自治体の多くは、この事業仕分けを実施した後に議会での決算審査が行われています。このことで議会としても、事業仕分けの議論や結果を参考として議論することが可能となり、議会としての評価が可能となります。この議会での議論も踏まえ第2次評価を行い、予算案へ反映することで、事務事業評価と決算、予算が連携することが可能になると考えますが、御見解を伺います。

 

 5番目、現在の評価は、平成19年の「新たな市政構築に向けて」、事務事業・補助金見直し委員会報告書がベースと考えられます。この報告書では、それまでの市政、これは邑上市政の前の市政のことですが、課題が指摘され、改善策が示され、市が実行してきたことで行財政の改善が進められてきていることは評価をするものです。しかし、提言に対してどのようなことが行われてきたのか、不明な点が残されています。

 まず、報告書には、提言2、「経営感覚を持った職員の育成や市民意識の醸成を図るべきである。」とありますが、具体的にどのようなことをこれまで行っていたのかを伺います。

 

 6番目、報告書の最後には、「歴史上、「市民参加の市政」から「先端政策の市政」へステップ・アップしてきた武蔵野市政の流れをさらに昇華させ、「新たな公共空間を担う政策官庁」となれる市政への改革が今後喫緊の課題ではないかと考える。それには市民の参画はもとより、市政改革に向けた市長の一層強いリーダーシップの発揮と政策スタッフである職員のプロとしての一層の奮起が望まれる」と、佐々木信夫委員長の談話が、あえて記されていました。このような談話をあえて記すことは、余り聞きません。あえて記したとすれば、それだけ強いメッセージを示していると考えられます。

 そこで、このことへの市長の見解と、さきの質問にある市民参加による事業仕分けで可能になると考えられますが、御見解を伺います。言葉の意味のとらえ方はさまざまとは思いますが、市民が参画する段階から判断する段階へと、次のステップに進む時代になっていること、市民の要望だけを聞く市政から、ともに考えていく、こういう市政につながるとも考えられるため、質問をするものです。

 

 7番目、報告書には「市長と各部長の間で改革すべき事項について、具体的な改革ロードマップに沿って「改革契約」を結ぶ発想を導入する。事務事業及び補助金の見直しの実務上の責任者である各部長が、毎年、改革の目標を立て、全市民の代表である市長と契約を結び、その内容を市民に公表する。そして、1年後にはその改革の進捗状況、成果など「改革契約の履行状況」を市民に公表する。このことにより、改革の責任の所在を明らかにし、市民にしっかりと情報を伝えることにより、外部の視点から事務事業及び補助金の改革状況がチェックされる仕組みを導入することとなる」と提言がされていました。また、行政評価制度の制度設計の中に必ず外部評価制度を導入し、第三者の視点からのチェックを行う仕組みを整備することも提言されています。

 このことは検討されてきたのでしょうか。行うべきと考えますが、御見解を伺います。

 

 8番目、現在の評価シートはマネジメントツールとして一定の評価をしますが、行政コストを下げること、民間委託、民間移譲を行うことに主眼があるのではないでしょうか。これらは指標の一つとして重要と考えますが、長期計画に掲げられた目標に対しての効果や成果が記されていません。今後、この観点も含めて見直しが必要ではないかと考えますが、御見解を伺います。

 2番目、公契約条例について。

 

 1番目、ことし2月の会派代表質問で、公契約条例について質問を行い、公契約条例の趣旨というのは把握をしているが、武蔵野市の課題を整理する必要があり、研究を続けたい旨の市長答弁がありました。その後、どのように研究をしていたのか、課題とは何かについて伺います。

 

 2番目、公契約条例の目的の中には、官製ワーキングプアをなくすこと、労働条件の悪化による品質悪化を防ぐことがあります。公契約条例によってどこまで担保できるのか、現実的に関連会社を含めたすべての労働者の賃金を調べにくいこと、民間同士の契約に市が関与できるかなどの課題があることは承知していますが、この目的の考えについて、市長の御見解を伺います。

 

 3番目、公契約条例の考え方を取り入れるとなると、今後指定管理者制度にも反映する必要があると思いますが、御見解を伺います。

 

 4番目、公契約条例は、最低賃金に注目しがちですが、事業目的を達成するために必要な人件費はどの程度必要なのかを算定した上で、指定管理者制度による公募とつなげていくべきともなります。このことは外郭団体の存在意義へとも影響すると考えられますが、御見解を伺います。

 

 以上、壇上での質問を終わります。御答弁をお願いいたします。

◯市長

 市民参加による事業仕分けという大きな項目の中で、後ほどは公契約条例、この大きな2つの御質問をいただきました。

 

 まず、事務事業評価というのは、この間、川名議員にも再三、さまざまな評価、あるいは事業仕分け等のさまざまな提案をいただいてきた経過もございます。市としましても、きちんとそれぞれの事業を評価して、それを決算に反映していく、予算に反映していくというようなPDCAサイクルの中で考えていこうということで取り組んできたというふうに思っておりますが、まず、私どもが行っております事務事業評価の評価について、まとめたいと思っています。

 

 行政経営におけるPDCAサイクルにおいて評価と改善の機能が発揮され、見直し内容が次年度以降の予算編成に確実につながることで、新たなニーズに対応するための適切な財源配分ができているのではないかなと思っておりますし、また同時に、私どもの評価というのは、みずから行っていくというものでございますので、各部課がみずから事務事業のあり方を見直し、改善をしていくという、まさにそのPDCAサイクルがさらに強化されてきたのではないかなというふうに思っております。このように健全な行政組織活動を内発的に促進するマネジメントツールとして、これは大きく位置づけられるのではないかなと思っておりますので、事務事業評価の取り組みについて大いに活用されてきたものと考えております。

 

 課題につきましては、一般論としては、評価がなかなか改善につながっていないというのは多くの例で聞かれるわけでございますが、しかし私どものやり方というのは、単なる評価に終わらせずに、改善につながるような仕組みを構築して運用してきたというふうに考えております。この流れをさらに推進していくためにも、公共課題の解決策を一つ一つの事業施策単位で考えるのではなくて、幾つもの事業を束ね合わせて考えていく。つまり政策として総合的に考えていく必要があるのではないかなというふうに思っておりますので、既存事業の有効性とサービス水準を見直して、本市の特性を踏まえた新たな事業を生み出していくという政策再編型の、このような事務事業見直しを実施していくということが、これからの大きな課題だというふうに思っています。

 

 次に、2点目、3点目、4点目を合わせてお答えします。

 2点目は、1次評価などを示した上で公表すべきではないか、3点目では公開の場での事務事業評価、事業仕分けをすべきではないか、4点目では事務事業評価と決算、予算との連携についてということでございますが、合わせてお答え申し上げます。

 これまで、理念的には、市民自治に基づこうという理念のもとに、公正かつ合理的な市政を行うということのために、市の財政状況、事務事業にかかわるコストなどの基礎情報などは提供してきたという経過がございます。事務事業評価につきましては、結果につきましては、予算審議の資料となるよう、公表してまいりました。市民と議会との情報共有を図るための期間なども考慮して、その方法及び時期などを今後、御指摘のとおり、よく検討していきたいと思っています。

 

 事業仕分けには、市民との情報共有、あるいは外部評価による行財政改革の推進、職員の意識改革などの効果があると、他事例でもそのように効果があるというふうに考えられるわけでございます。また、その事業仕分けの導入を検討するには、どのような効果をねらっていくのか、その目的を明らかに、共通認識にする必要があると考えております。ねらいとなる効果や目的によって、導入手法や実施手法も、これは異なってくるのではないかなと思っております。また、評価者の課題もあるのかなと思っておりまして、市政全体を見渡し、特定の利害関係にとらわれず、限られた財源を最も効率的、効果的にバランスよく配分できる視野を持つ評価者というのが期待されるわけでございますので、その評価者の選任というのも大きな課題ではないかなというふうに思っております。

 

 また、その事業仕分けの結果をどのように取り扱うのか。幾つかの例では決算につなげているということもお聞きしておりますけれども、この点についても、行政、議会とも慎重に考えなければいけないというふうに思っております。

 

 事業仕分けの実施につきましては、これは否定するものではございません。現在取り組んでおります政策再編による事務事業見直しの効果も見極めながら、幾つかの課題をどのように解決するかを含めてよく検討していきたいというふうには思っております。

 

 次に、5点目、6点目、7点目、合わせてお答えをしてまいります。

 5点目は、経営感覚を持った職員の育成等については具体的にどのように行ってきたか。6点目では、新たな公共空間を担う政策官庁等への考え。7点目では、市長と各部長の間で解決すべき事項についての改革契約、あるいは第三者の視点からのチェック等についてのお尋ねでございます。

 

 行政経営PDCAサイクルの強化に向けて、予算編成に組み込む形で事務事業評価の仕組みを構築、運用開始をしてまいりました。さらに、主任、主事なども含めた組織全体で、この事務事業評価を含めた予算編成の取り組みを促してきたことでございますので、このような経過をかんがみれば、経営感覚を持った職員の育成につながっているものというふうには考えているところでございます。

 

 また、年次財務報告書、予算の概要、予算・決算資料などで、市の財政状況の概要、各施策・事業の経費と成果などについて、なるべくわかりやすく市民に公表していこうということで取り組んでいるところでございます。また、無作為抽出市民ワークショップ、あるいは公共施設再編に向けた市民説明会、シンポジウムの開催などを通じまして、今後も、市民にわかりやすく、市の経営に関する情報を積極的に提供していきたいというふうに思っております。

 

 また、武蔵野市らしい市政を実現していくためには、先ほどの佐々木委員長の談話にもあるようなことが必要であると考えております。市民参加による事業仕分けというのも、その手法により重要な一助になるというふうに考えるところでございます。また、評価が有効性を発揮するためには、内部評価と外部評価ともに重要であると思っておりますので、その取り組みについては課題だと思っておりますが、現在、まずは優先して大事なことは、行政組織内部で、自律性による自己評価ということが大切なのではないのかなというふうに考えているところでございます。

 

 また、このことと同じく重要であるのは、私が言うのもおこがましいのですが、自治体行政の評価において最も基本的な外部評価機関である、これはまさに議会であるというふうに思っておりますので、議会と行政によるチェック機能をしっかりと果たすことが大切だと思っております。他都市の事例を見ますと、議会が事業評価を実施し、専門家による第三者評価機関や市民による参加型評価の仕組みを自主的に議会が設置をし、運営し、評価結果を議会の活動に生かしていくというようなことも聞いておりますので、それも一つの参考になるのではないかなというふうに思っております。

 

 また、部長との改革契約についても、これは幾つかの自治体で先行して実施されておりますけれども、成果を上げるところもお聞きしますけれども、一方で行政が硬直化するような課題もあるというふうに聞いておりますので、これにつきましては他自治体の実績もよく見ていきたいと思っています。

 次に、8番目の評価シートに関するお尋ねでございますが、現在の評価シートは、単なるコスト、効率面からの視点だけではなくて、公・民の適切な役割分担のもと地域社会全体の力を向上させるという、今後のあるべき公共の姿に向かって改革を進めていくという視野を持って作成、運用をしているところでございます。長期計画に掲げる政策は、個別具体的な事業の実施などを定めたものではなくて、むしろ事業を束ねた概念として、施策のあり方や施策の方向性などを示すものが主となっております。このことから、事務事業評価では、長期計画の政策、施策の本来の有効性、効率性などを適切に示せない面もございますので、この辺は重々勘案する必要があるかなというふうに思っています。

 

 次期の調整計画の策定に向けた作業の過程で、長期計画に掲げた施策などの進捗状況及び実績を把握するとともに、体系的に評価を実施していきたいというふうに考えております。

 次に、大きなお尋ねで公契約条例ということでございますが、2月の御質問の際にもお答えした経過の中では、今後またよく研究をするというお答えをしておりますが、どう研究をしたかというお尋ねでございます。

 

 これまでにも、さまざまな機関が実施している、適正な公契約を目指すためのシンポジウム、あるいは学習会に、契約担当者をなるべく参加させております。直近では8月にも参加をさせ、公契約条例制定に向けた取り組みや、条例に制定した自治体の状況を収集させているところでございます。公契約条例の制定につきましては、適用する業種の範囲や賃金水準の設定、先ほども壇上で御指摘いただきましたけれども、そのような課題もあるし、また地域経済に与える影響などを総合的に勘案する必要があるというふうに認識をしているところでございます。

 

 2番目で、官製ワーキングプアをなくすこと、労働条件の悪化による品質悪化を防ぐこと、これが公契約条例の目的にございますが、どこまで担保できるか、そのような考え方についてということでございますが、基本的な考え方ということに対しましては、公契約条例でとられている労働条件は事業者と労働者との間で決められることが基本でありますので、労働基準法や最低賃金法などの法律を踏まえ、国の制度の中で遵守されるべきものであるので、以前も議会で答弁したとおり、国の法整備がこれは優先すべきだというふうに考えております。

 しかしながら、やはり市が発注する契約において、契約の履行を確保するとともに、下請を含めた労働者の労働条件が守られることは極めて大切なことだというふうに認識をしているところでございます。

 官製ワーキングプアをなくすこと、労働条件の悪化による品質悪化を防ぐことの対応についてでございますが、現在、市では、適正な予定価格の積算に努めております。また、著しく低い価格で入札があった場合には、最低制限価格制度や低入札価格調査制度により、これを対応しているところでございます。また、工事受注者に対しましては、労働関係法令などを守ることなどを仕様書に明記しているところでございます。現在試行中の総合評価入札方式においては、賃金水準の確保については労務単価を評価項目に採用し、具体的に取り組んでいるところでございます。また、よりよい公共工事の品質の確保についても、総合評価入札方式、あるいは工事成績評定を実施し、一定の効果が出ているというふうに考えているところでございます。

 

 公契約条例の制定につきましては、今後もさまざまな他都市の動向など、あるいは説明会、学習会等がございますので、それらの参加を通じて研究を続けていきたいというふうに思っております。

 

 次に、指定管理者制度に反映する考え方、あるいは外郭団体の存在意義への影響ということで、公契約条例に関してのお尋ねでございます。

 

 指定管理者制度につきましては、指定管理者制度導入にかかわる基本方針を定めて、モニタリング、評価を行っているところでございまして、現在の指定期間が26年度までとなっておりますので、現在、財政援助出資団体のあり方の検討とあわせまして、指定管理者制度のあり方の検討を行っているところでございます。これまでも指定管理者への業務委託については、基本的に、事業に係る必要経費を積み上げて算出した金額をもとに契約を締結しているところでございますが、業務委託については、建設工事の基準のようなものはなく、対象とできるかどうかは課題の一つでございますが、公契約条例を制定し、指定管理業務を適用する業種となった場合については、当然、指定管理者との委託契約について反映する必要があるというふうに考えております。

 

 また、事業費を拘束する一面を持つ公契約条例と、事業の自由度を高める指定管理者制度の調和を図らなければならないと考えております。現在の第五期長期計画では、財政援助出資団体の整理、統廃合などを含めた将来のあり方、及び指定管理者制度のあり方を検討し、自治体総体としての経営力を高めていくと、このように記載をしております。財援団体のあり方につきましては現在検討を進めており、今年度には基本方針を策定する予定という状況でございます。

◯川名ゆうじ

 市民参加による事業仕分けについては、前向きというか、具体的にはまだなのですけれども、前向きな御答弁だったと私は受け取りました。今後ぜひ進めていっていただきたいと思うのですが、その前に、考え方として、先ほど示したように事務事業評価をしていることはとても評価をするのですけれども、そこに市民が参加できない、この実情についてどう思われているか。ここを確認したいと思うのです。

 

 冒頭にも言いましたけれども、今後税収がふえない中にあって、政策や施策、事務事業は減らさなければいけないというのは、当然みんな考える。当然のことだと思っているのですけれども、どう減らすか、あるいは改善していくか、縮小していくかということを、市役所内部、あるいは議会だけで決めていいのかというのが一つ問われているのだと思うのです。要は、そこに、納税者であり受益者である市民が参画することで、市民も納得する、納得してもらう、こういうことが必要ではないかと考えて、今回、この事業仕分けということを提案いたしました。この考え方について、再度伺いたいと思うのです。

 

 今、事務事業評価をして、例えば廃止するとかいろいろ出てきていますが、それらについては当然だなと思うこともあるのですけれども、その当事者の市民がどうとらえているのか、あるいは受益者でない市民が、それも納得できるのかという観点に立つと、そこまで行っていないと思うのです。この市民参加方式による事業仕分けでよくあるのは、その場に、受益者であり、そして納税者の市民がいて、本当に必要なのかをきちんと議論したことで、自分たちが判定することを行っているのです。要は、当事者もいるし、当事者ではない市民もいる、その中で市民がみずから考えていく、そして判断していくというのが、この手法の大きなポイントになっていると思います。

 

 現状では、先ほど言いましたように、市民がここに参加するということができていませんので、こういう方式を考えていくこと、取り入れることが、いわゆる市民自治の一つにつながっていくと思います。この点について、市長のお考えを伺いたいと思います。要は、自治を担うのは市民ですから、市民が参画しないほうがおかしいではないかと、そして参画するためには事前に情報を公開していく、これが必要だと思いますので、この考え方について再度、質問させていただきたいと思います。

 

 それと、今後いろいろ検討されるというお話がありましたけれども、現行で言うと、2月ぐらいに事務事業の見直しの結果が出て、すぐそのまま予算に反映されてしまうということが考えられます。そうすると、市民に説明する時間もない、議会としても検証する時間もない中で予算を審議しなければいけないということは現実にあると思います。このスケジュール感を見直していくということがまず第一に必要だと思いますが、この点について再考するお考えがあるかどうか、2点目として伺いたいと思います。

 まず、この点について伺いたいと思います。

 

◯市長

 先ほど冒頭、基本的な理念ということで、市民自治を前進させるためということをお話ししました。したがいまして、すべてのさまざまな事業についても市民の参加というのは原則だというふうに思っております。ただ、今行われておりますのは、PDCAサイクルに組み込む中での評価をしておりますので、すべてを市民の方に、その都度その都度意見を聞くというのはなかなか難しい場面もあろうかなと思っております。

 

 その辺が大きな課題というふうには認識しているところでございますが、少なくとも我々が行っている内容については、市民の方になるべく公表をしていく、公開をしていくということが最低限必要だと思っておりますので、その公表を通じてさまざまな意見を聞くような場を、今後よく検討できたらなというふうには思っています。事業仕分けなどを見ていますと、市民といっても限られた市民しか参加できないという実態もございますので、先ほどおっしゃられました当事者、当事者ですと、例えば事業仕分けをするときに、どちらかというと、それは切られたら困る的な意見を言われがちですが、そういう当該者、当事者だけではなくて、先ほども納税者とおっしゃいましたけれども、全市民にやはりかかわるような検討が必要ではないかなと思っておりますので、そうなりますと、限られた人数での意見交換というのは、全市的な意見としてどのように反映されるのかという、そんな課題もあろうかなというふうに思っておりますので、そういう意味からしても、やはり行政と議会がしっかりとこの議論を進めていく。それを市民に対して公開をして、公表して、意見をいただくというのも、オーソドックスではありますけれども、一つのパターンとして考えられるのではないかなというふうに思っています。

 

 次に、評価のスケジュールについては、なかなか難しいですね。今でもかなりタイトなスケジュールの中で組み込んでおります。それがすぐに評価ができればいいのですが、これは1次評価、2次評価も含めて、やはり職員全力を挙げて、全職員の力を重ねてやっている面もございますので、一定程度の時間は必要だというふうに思っておりますので、基本的には、それを最終的には予算につなげていこうということを今は行っている状況でございますので、この流れをもう少し経験することによって、速やかに短期間でできる可能性もありますので、しばらくはこの方式で行って、改善余地があれば改善をして、なるべく期間を短くしていくといったようなことも検討していきたいというふうに思っています。

◯川名ゆうじ

 細かい技術的なことは今後議論させていただきたいと思います。この場ではなかなか難しいと思うのですが、全市民的な意見を、確かに反映するというのは難しいことだと私も思っています。この市民判定人方式の事業仕分けで行われているのが、無作為抽出による市民公募をしていって、各層、各地域ごとにバランスをとった、いわゆる市民委員会みたいなものを立ち上げます。そのときに、市の財政がどうなっているとか基本的な情報を知ってもらった上で、その議論を見てもらうというやり方をやるのです。そうすると、要は全体的なことを考えて、例えば自分が受益者である補助金がカットされようとする場合、それが本当に全市民のためになるかというのを意外と、意外とというのも失礼な話なのですが、考えていくということがよく起きています。

 

 私がある自治体のところで参加した例で言うと、世界遺産に登録されたある施設があって、全市を挙げてそこに観光客を呼び込もうという事業をしていました。そこを単体的に事業評価していくと、参加者は来てくれているのですけれども、事業単体で見ていくと赤字になっていると。その赤字の原因は一体何かと探っていくと、そこに市民ボランティアによる観光ガイドという事業がくっついていた。要は、そのガイドさんにお金を出していたことによって、事業単体は赤字になっている。市全体の赤字に市民がかかわることになっていいのかという議論になったら、そこにボランティアで参加している当事者の方がいて、それはおかしいだろうと。市全体に、赤字になるのだったら、私たちに出しているお金は必要ありませんということを当事者が発言するようにもなってきた。

 

 これはある一例なのですが、要は、全市民的に補助金や事務事業が本当に必要なのかと考える大きなきっかけになっていくのだと思います。確かに、その全市民がということは難しいかと思いますが、そういう市民と一緒に市政運営をしていくというのがこれから必要であり、そういう市民を、育てるというのも失礼なのですが、そういう市民委員会というのですかね、財政的な面を考えていく市民組織をこれからつくっていくということも市政として必要だと思いますが、こういう流れについて再度、御見解を伺いたいと思います。

 

 先ほど言いましたように、内部評価はいいことですが、外部評価も取り入れる。その中に市民も一緒に入れていかないと、協働する市政もなかなか実現していかないでしょうし、財源が限られている今後を見ると、要は市役所だけ、あるいは議会だけが悪者になって、何で勝手に決めたのだという話になっていくと思うのです。当事者である市民が一緒に考え、そして判断していく、縮小時代にはこういう方式がとても有効だと思いますが、あえて、再度この考え方について、こういう方向についての御見解をもう一度伺いたいと思います。

 

 公契約条例については、確かに私も、いろいろな先例の市の条例とか話を聞いていくと、どこまで実際にできるかということは課題であるというお話をよく聞きます。条例をつくったからといって、その目的を達成できる、必ずできるという状況にないというのを私は思っています。

 ただ、条例をつくることで、市としての方針、方向を明確にするということは、これは一義的にかなり有効だと思います。現状では、まだ条例まで、制定は考えていないというお考えでしたので、この場ですぐつくれとは言いませんけれども、いわゆる官製ワーキングプアをつくっていかない、このことについては当然だと思いますけれども、そのお考えのもとに、市はこれから、この契約、制定する、しないを含めて検討されていくということでよろしいでしょうか。方向性についてを確認させていただきたいと思います。

 

 指定管理者制度のことについてここであえて伺ったのは、この公契約条例をいろいろ考えていくと、つい、最低賃金は幾らだから、これでいいのではないかという議論になりがちだと思うのです。ある市で行っているところでは、最低賃金はこのぐらいで、管理職は幾らぐらいということを市があえて算定して、民間と市の外郭団体を競い合わせるという方式も考えています。こういうことが行われると、実は武蔵野市の外郭団体がこの競争に勝てるのかという疑問も出てきてしまう。そうすると、武蔵野市の今の外郭団体のあり方について大きな、何といいますかね、さざ波が立つというか、考え方にも影響してしまうのではないかということを考えたので、今回のこの質問をしたものです。

 

 先ほど市長答弁の中で、総合評価方式を行うということがありました。当然だと思うのですけれども、最低賃金のままでいいとは私も思いません。その役職、あるいはその団体が人件費を幾ら見積もっているか、その人件費は、人件費によって一体どういう成果がある、あるいは市民にとってどういう効果があるのかということを算定していくというのが今後必要だと思うのです。要は、人件費は安ければいいのではなくて、ある程度とっているのだったら、それなりの成果を示したというかな、その成果を見せることによって、指定管理者の公募もかけていく。そういう方式を考えていくべきだと思うのです。

 

 これは、この場では、事前通告にありませんので、意見として述べていくのですけれども、要は公契約条例をつくっていくと、実はその最低賃金だけが注目されていってしまうのですが、人件費全体で考えていかないと、実際、市民に対する成果が出てこない、こういう懸念もあるということを、ここで述べておきたいと思います。再質問としては、官製ワーキングプアをつくっていかない、この考えだけは確かなのかどうか、この点を確認させていただきたいと思います。

◯市長

 まず、前段の再質問からお答えしてまいります。

 基本的には、市民自治の理念を考えれば、やはり市民参加というのは必要な条件だというふうに思っております。先ほど御提案いただきました無作為抽出型の市民会議的なものも大いに結構なのですが、参加者に対してさまざまな情報を提供し、理解し、共通の認識の中で議論するには、やはり時間がかかっていくのです。すぐ、来ていただいて、これはどうですかというわけにはいかないので、ある程度それを考えますと、市民に対する学びの場的な感じも出てくるわけでございますので、そういう視点からは大いに、これはやっていいというふうに思っています。

 ただ、それを毎年、事業の見直しに直接的に反映できるかというと、なかなかそれをPDCAサイクルに組み込むのは、ちょっと難しい気もします。しかし、何らかの節目、例えば長期計画、あるいは調整計画の策定の前には必ず、そういう全体的な事業についてどう考えているかということは、そういう節目としては大いにあり得るのではないかなと思っておりますので、市民参加のあり方、なかなか難しいのですけれども、なるべくそういう機会を今後よく検討し、実施できたらなというふうに思っております。

 

 それから、2番目の公契約条例につきましては、まだまだこれから、さまざまな御指摘いただいた課題は検討しなければいけませんが、基本的には、おっしゃられたとおり、官製ワーキングプアというのを公共事業に関連してつくっていってはいけないというふうに思っておりますので、そのような流れになればなというふうには思います。

 また、労務単価につきましては、これは総合評価の中で項目として掲げてございますのでね、総合評価方式というのは、ある程度、そういう賃金水準の維持ということについては取り組んでいる方式ではないかなというふうに思っております。

◯川名ゆうじ

 今、市長の御答弁の中で、「学びの場」という御発言がありました。これは私も非常にいいことだと思います。先ほど、新たな市政構築に向けての報告書を引用しましたけれども、この中に、市民意識の醸成を図るべきと書かれています。要は、これは財政的なことを含めて、市民意識の醸成を図る場、つまり学びの場が必要だと私も考えています。

 

 当然、今の市長の御答弁にあるように、この場をぜひともつくっていくことが早急に求められていると思います。特に調整計画を今後策定する中にあって、いきなり全体のことを考えていくと、確かに時間は足りないと思うのです。そう考えると、調整計画を始める前にこういう場をつくっていくこと、これからの長期的な、財政的な視野で見て考えていく場というのがぜひとも必要だと思いますので、これは早期に実現してくださるよう、検討というのもおかしいですけれども、実現するよう要望して、質問を終わります。