2009.09.03 : 平成21年第3回定例会 一般質問


・保育園の待機児は何人か
・待機児ゼロを目指すべき
・公立保育園改革以降の評価は
・公立保育園は公立だからできることを行うべきではないか
・市として公設・民間を区別せず、保育の質を担保できるようにすべき

・次期長期計画では財政計画と個別事業の費用を明確にすべき
・予算の策定過程の情報も公開すべき

◯川名ゆうじ

今回は2つのテーマで一般質問を行います。まず、保育園の待機児対策と公的保育の役割について。

保育園(正式には保育所)への待機児対策を推進することは、政党のマニフェストにも記載されていること、昨今の選挙では多くの候補者が訴えていることを見ると、ひところでは思えなかったほど政策の重要度が高いことがうかがわれます。このことは、国の対策も含めて、現状では満足できるレベルでないことを示しているのではないでしょうか。
待機児対策は、本来、国としても取り組むべきことでもありますが、保育園の設置義務は自治体にあることを考えれば、自治体の責任は重要であり、国や都の政策に従うだけではない独自の政策も必要となります。同時に、市長の考えが反映される政策とも言えます。 今年、武蔵野市では新設の認可保育園が開園します。これは、1978年に市立境南第二保育園、私立ふじの実保育園の開園以来、31年ぶりの新規の認可保育園ということになります。また、新たな認証保育所を誘致したことなど、現在の市の対応は高く評価できるものと言えます。
しかしながら、待機児対策は満足できるものではなく、より進める必要があります。本来、待機児とは、認可保育園に入れない子どもの数ですから、現在使われている待機児数ではなく、認可保育園に入れない子どもの数である旧基準で考える必要があり、この数をなくすことが一つの目標となるはずです。

さて、保育園の待機児対策には、当然ながらコストをどうするか、これも重要となります。公立保育園のコストを減らすために民営化して待機児対策にすべきとの考え方も出てくるでしょう。しかし、待機児をなくすためとはいえ、コスト削減だけを考えてしまうと、他の自治体で起きているように、保育の質の低下や継続的に運営ができない問題が出てくることにもなります。
また、昨今の行き過ぎた新自由主義への反省もあり、国の政権が変わったことなどを考えれば、コストだけで待機児対策をするべきではありません。待機児対策は、量的対応をまず考えてしまいがちですが、量的対応だけではなく質的な対応、つまり量、質、コストのバランスを考える必要があります。このバランスは、事務レベルで考えるものではなく、政策判断となります。
つまり、今後、待機児対策を進めるにしても、質、量、コストのバランスをどうとるか、これが非常に大きな問題となります。武蔵野市では、コスト抑制を目的に公立保育園の民営化が議論され、結果として武蔵野方式と呼ばれる公立保育園改革が行われ、改革の評価も行われました。今後、待機児対策をさらに進めることを考えると、今の公立保育園のままで待機児対策を進めるのか、あるいはほかの手法があるのか、コスト優先で待機児対策をすべきか、選択する時期となっています。

そこで、今後の待機児対策を考えていくために、まずこの公立保育園改革についての再評価が必要であり、その上で保育の新たなる理念を示し、待機児対策や保育園のあり方、特に公立保育園のあり方を考える必要があると考え、以下を質問いたします。

1.現在の市内保育園への待機児数は、新基準と旧基準でそれぞれ何人でしょうか。

2.今年、開設する新たな認可保育園が開園した後の待機児数は、どの程度になるとお考えでしょうか。

3.解決すべき課題が多いことは承知していますが、市長は原則的に待機児をゼロにしたいとお考えでしょうか。

4.保育園には、官民間のコストについて課題が指摘されています。武蔵野市では、武蔵野方式による改革を行い、さらに改革評価も行ってきましたが、平成18年度の評価以降、市では新たに評価を行っているのでしょうか。第三者評価を実施していることは承知していますが、この武蔵野方式について、評価しているのであれば概要を伺います。

5.公立保育園改革評価委員会報告書の平成18年度評価、総合評価に当たる認可保育園の保育園の質の向上の取り組みに対する評価には、園児当たりの公費投入額が公立に比し、小さい民間園の方が満足度が高い傾向があるとあります。評価委員会自体が質の評価手法を得られなかったとしているため、何をもって質が上がるのかは明確ではありませんが、この指摘に対して市はどのような対応を行ってきたのか伺います。

6.公立保育園の役割及び認可保育園の運営形態を考える委員会がことし設置され、公立保育園の役割について議論されていることは承知していますが、現状で公立保育園と民間認可保育園との間では、どのような差があるとお考えになっているのでしょうか。

7.公立園には、民間で担うことが難しく、コストだけでははかれない事業、例えば障害児保育や地域の子育て支援事業、教育委員会との連携など、多様な事業を行う必要があると考えられ、公立だからこそできることを実施すべきと考えますが、現状での見解を伺います。

8.公立園は、民間園と比較すれば、質的にはより先駆的な役割を果たすべきだと思います。しかし、民間の方が質的に優位と考えられることもあります。例えば、お泊まり保育は民間園が実施しており、公立園の保護者や保育士からも実施したいとの声を聞きますが、今の公立園ではできていません。これは、民間の幼稚園でも実施していることです。つまり、民間園でできていることが公立園ではなぜできていないのか、この理由を伺いたいと思います。

9.障害児保育は、民間では1歳児から可能ですが、公立園では2歳児からとなっています。この理由について伺います。また、1歳児から受け入れ可能とすべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。

10.市長は、今後の保育園を考える際、質を重要視すると考えているのでしょうか。また、待機児をゼロにするための目標値として、認可保育園への入園を希望している数、これを基本とすべきと先ほど述べましたが、認可保育園には民間もあります。保護者は、保育園への入園申請は市に行い、市がどの認可保育園に入園するかの決定を行います。保護者にとっては、公設に入るのか、民間に入るのかは選べません。このことを考えれば、公設でも民間でも同じような質の保育を子どもへと提供する義務が市にはあるはずです。つまり、市は公として公設・民間を区別せず、保育の質を担保できるようにすべきと考えますが、御見解を伺いたいと思います。

大きな2番目、財政計画について。

1969年に地方自治法が改正され、市町村に基本構想の策定が義務づけられました。40年たった現在では、基本構想だけではなく、基本計画、実施計画という3層からなる総合計画を持ち、さらに個別計画を体系化している自治体がほとんどとなっています。本市も同様と考えられると思います。
その一方で、一般論ですけれども、要望・希望を並べただけ、施設建設の順番を示しただけの総花的な作文にしかすぎない、個別計画との調整がない、整合性が図られていない、何よりも実効性が担保されていないなど、この総合計画には課題が指摘されています。個別計画との整合性は、総合計画と個別計画とで理念、目標、ミッション、それぞれの計画の役割と位置づけを明確にすればよいだけのことですが、実効性を持たせるには、何よりも総合計画に予算の裏づけを明確にすることが必要になると思います。やるべき事業を記載したとしても、それが一体どの程度の事業費なのか明確にしておかないと、総合計画策定時の理念が本当に実行されたのかわからなくなり、お茶を濁されただけの事業あるいは計画、どこかへ消えてしまったものとなりがちになってしまいます。
また、多くの自治体では、実際の事業は毎年の予算編成時に決まることになり、総合計画との整合性は余り考えられていないという話もよく聞くことです。これでは何のための総合計画、本市でいえば長期計画になりかねません。
さらに今後、自治基本条例をつくるとなると、自治基本条例と基本構想、長期計画、個別計画との関係をどのように構築するのかという課題が出てきます。自治基本条例の先駆的存在であるニセコ町まちづくり基本条例を見ますと、第8章まちづくりの協働過程にある、計画の策定等に関する原則を定めた第37条には、総合的かつ計画的に町の仕事を行うための基本構想及びこれを具体化するための計画(以下これらを「総合計画」と総称する。)は、この条例の目的及び趣旨にのっとり、策定、実施されるとともに、新たな行政需要にも対応できるよう不断の検討が加えられなければならないとあり、総合計画は、まちの仕事の最上位計画であり、総合計画もまた本条例──これはまちづくり条例ですが、この趣旨に沿って運営されなければならないと解説されています。

このことを考えると、今後、自治基本条例を制定するのであればですが、個別計画と基本構想、長期計画との関係性を明確化して体系化すること。何よりも自治基本条例を先に制定することが必要となってきます。この自治基本条例については、まだまだどうなるかわかりませんし、別の課題としておきますけれども、何よりも第五期基本構想・長期計画を今後策定することになります。
これが絵にかいたもちにならないように、計画の実効性を担保する、そのために財政計画をつくるべきであるはずです。この長期計画を市民参加で策定したとしても、それがどのように実行されるのか、不明確になってしまうのでは、市民参加自体の意味もなくなってしまうのではないでしょうか。

本市では、さきの第四期長期計画・調整計画において、個別事業費の記載はありませんでしたけれども、今後の財政計画が示されていたことは高く評価したいと思います。しかし、毎年度の予算にどのように反映されているのかされていないのかはわかりませんし、何よりも市民には明確に示されていないと思います。
今後、右肩上がりの経済状況にならないことを考えれば、健全な財政を維持するために財政規律は必要ですし、長期計画の理念を実行するためにも、そして情報公開としても、予算編成時に次年度の財政見通しや財政規律を明確にすることが必要だと思います。何よりも市民自治とは、市民が考えることでもあります。そのためには、まず財政を知ることから始めるべきではないでしょうか。

このような前提をもとに、以下を質問いたします。

1.経済状況によって年度ごとに修正はするとしても、第四期長期計画・調整計画に記載されている、年度ごとの財政計画は毎年の予算にどのように反映されているんでしょうか。

2.実施したい事業を積み上げる予算編成ではなく、想定される総予算を設定した上で各事業の調整を図る編成方式を考えるべきではないでしょうか。また、次期の長期計画でも、同様に財政計画を見込んだ上で実施する個別事業の費用を明確にし、その上でどのような事業を行うか、実施順等々を想定すべきと考えますが、御見解を伺います。

3.今後、市民参加、市民自治を目指す市政であれば、市民から市への新たな事業の要望はよりふえることが予想されます。市民参加はより進めるべきですし、要望自体は必要なことですが、要望するだけではなく、市の財政の現状、必要と考える事業の費用、事業の成果目標を明確にすることで、市民が要望する事業が本当に必要なのか、あるいはどの程度であればいいのか、ほかの事業でも対応することができるのではないか。これらを市民みずからが考え、協議することが重要になってくると思います。それが本来の市民自治への道ではないでしょうか。
市民自治とは、すなわち財産の自治、予算の自治でもあるはずです。情報公開としても、財政予測数値を予算編成時に市民、議会にも公開し、議論ができる仕組み、財政規律を明確にする仕組み。例えば、多治見市健全な財政に関する条例のような仕組みが必要と考えますが、御見解を伺いたいと思います。

以上、壇上での質問を終わります。

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◯邑上市長
保育園の待機児対策ということで、この間、保育園の入所希望者が増加傾向にございます。市としては、既に御案内のとおり、さまざまな策を積み重ねてまいったつもりでございますが、なかなか減少傾向にはいっていない、むしろふえている状況にもございます。

御質問の中で、まず1点目の待機児童数という中では、新基準、旧基準、あるわけでございますが、8月1日付の数字から申し上げますと、新基準では92名、旧基準で申しますと215名という数字でございます。
これを昨年同月の数字と比較してみますと、昨年8月1日現在では、新基準で96名ですので、こちらは4名減少しておりますが、旧基準ですと181名でございましたので、ことしは34名ふえているということになっております(※)。

今後、西久保の新しい認可保育園の開園というのが予定されて、この10月1日より募集をスタートするわけでございますが、来年4月の応募の方がかなり前倒しをされるということもございますので、募集すると、実は一時的には待機児がふえてしまうのではないかと思っております。しかし、来年4月の時点では、逆にある程度の減少を見込んでいるところでございます。具体には、3、4、5歳児につきましては、かなり減少する。市全体での保育園の状況からすると、待機児は出ないのではないか。逆に空きが出るぐらいの数字になってくるんじゃないかと思っておりますが、ゼロ、1、2歳児につきましては、大きな減少にはなかなかならないかもしれない。実態がまだつかみかねておりますけれども、課題として認識しているところでございます。

もちろん、待機児対策としましてはゼロを目指していきたいと思っておりますので、さまざまな対策を積み重ねているところでございますが、定数の見直し、認証保育所の誘致等も積極的に行ってきたところでございます。さらに、先ほどの認可保育園に加えて、来年4月にもう1カ所の認証保育所を開設予定としております。さらに、今後の待機児対策としましては、待機児童世帯の町別の状況、就業の形態、求職中の世帯への保育の提供の仕方などの分析を行った上で、これは一部協力いただいておりますけれども、さらに幼稚園の預かり保育の充実あるいは家庭福祉員、いわゆる保育ママの拡充など、さまざまな保育施策を検討していきたいと思っております。

4点目、5点目、公立保育園改革、平成19、20年度の評価あるいは公立保育園の質向上に対する取り組みということでございますが、保育課内部で公立保育園改革に基づく取り組みの評価を実施しております。特筆すべき事項としましては、保育の質の向上の取り組みが進んできたのではないか。そして、人材育成を重点課題として、各園において園内研修の実施や会議の場を通しての保育実践検討などを積極的に行っておりまして、一定の成果を得ているのではないかと考えております。

また、保育のガイドライン、食のガイドラインの作成、ひまわりママの育成にも力を入れているところでございます。平成20年4月には、保育サービスの品質管理を行うことを目的に、保育課内にベテランの保育経験者でございますが、保育指導担当を配置し、公立保育園各園の巡回による経営層への助言・指導を行い、保育の視点でそれぞれの保育園の特徴を生かしながら、保育の質を高いレベルで標準化することがある程度可能となったと考えております。
また、第三者評価につきましては、各園2回目の受診を終了いたしましたが、どの園も前回の結果と比較し、利用者満足度は向上しているという結果でございます。

6点目、7点目、現状の公立保育園と民間認可保育園の差、公立だからできることということでございますが、民間保育園の本来の役割、公民の差はないわけでございます。しかし、どちらかというと公立保育園は多様化する保育ニーズに先駆的な対応もしてきたのではないかと思っておりまして、障害児保育、一時保育、年末保育など、そのような取り組みも先行して実施した経過もございます。

そして、公立保育園が一定で均質な保育を提供することによりまして、武蔵野市の民間保育園の保育水準の基準となってきたということもいえるのではないかと思っております。さらに、子育て支援事業につきましても、今でこそ民間保育園でも実施いただいておりますけれども、当初は公立保育園から赤ちゃんのひろばなどの地域の子育て支援をスタートさせてきている経過もございます。

今後、地域の子育て支援拠点として公立保育園がどういう位置づけとなればよいのか、あるいはセーフティーネットとしてのほかの関係機関との連携をどのように構築していくかにつきましては、現在、庁内での委員会でございますが、そこで検討を進めているところでございます。

8点目のお泊まり保育といった件でございますが、以前、父母会主催の行事で開催し、保育士が任意の形で自主的に参加し、支援していたという経過がありましたが、責任の所在が不明確だったということで事業自体が中止となったという経過でございます。お泊まり保育につきましてはさまざまな賛否があろうかと思いますが、確かに各園の保護者からは、特に経験をされた保護者からは、賛同の声をいただいていることもございます。

また、市内の多くの私立幼稚園ではお泊まり保育というのを実施しているケースも多くございまして、そこの園の方からお聞きすると、いい事業ではないかということも伝わってきておりますので、またそのような事例も参考にしながら、今後のお泊まり保育のあり方については研究してまいりたいと思っております。

9点目、障害児保育の年齢引き下げにつきましては、現在の障害児保育は、保育に欠ける要件に関係なく、障害児に集団保育の中での育ちを保障することを目的に実施しているものでございます。1歳児につきましては、障害の判断がなかなか難しいということと、入所の一番厳しい1歳児枠への配慮から、現時点では2歳児以上としてきたわけでございます。
しかし、来年度からは、保育に欠けることを前提として、1歳児、2歳児の障害児保育を実施する方向で検討を行っているところでございます。3歳児以上につきましては、保育に欠ける要件はなくして、現行の2歳児以上、保育に欠ける要件なしから変更していきたいと考えております。

10番目の公としての質の担保ということでございますが、保育の実施責任のある基礎自治体としましては、今後も公・民に限らず、保育の質維持・向上のための仕組みづくりを行っていきたいと考えております。民間保育園に対しましても、市独自の基準をつくり、運営費の上乗せ補助を行っているところでございます。

また、市の保育関係施設、公立、民間、認証、保育ママを対象とした研修会についても開催しているところでございます。また、保育サービス指導担当につきましては、民間保育園、認証保育所についても、必要に応じて保育状況の確認・助言を行っているところでございます。今後は、市全体の保育の質の向上の取り組みにつきましては、子どもプラン武蔵野の中にも盛り込んでいきたいと考えております。

次に、財政計画のお尋ねでございますが、第四期長期計画・調整計画に記載されている年度ごとの財政計画は、予算にどのように反映されているかということでございます。総合計画においての財政計画の必要性というのは大変認識しているところでございまして、御紹介いただきましたとおり、第四期長期計画・調整計画で5カ年という形でございますが、財政計画を位置づけをしているという次第でございます。この5カ年というものを作成しておりますが、年度ごとの修正というのは行っておりません。
これは、調整計画自体が5カ年の枠組みということでございますので、調整計画自体も年度ごとに見直しをしないということもございますので、5年という枠組みの中でまずは財政計画を定めているものでございます。

毎年度の予算編成においては、計画事業を優先するということとともに、その他の制度変更に基づく事業や緊急的課題も同様に優先した上に、歳入の動向を加味して経常的な事務事業を含めて採択し、編成しているところでございます。

概算要求査定時には、直近の財政動向・景気等を勘案した税収見込みなどにより、修正した翌年度の財政計画を作成し、その中での予算編成を行っているという状況でございます。

2番目で、想定される総予算を設定した上で、各事業の調整をする編成方式を考えてはどうかというお尋ねでございますが、現在、経常経費につきましては、部ごとに枠配分予算編成を実施しておりまして、これは部単位でのマネジメントによる予算編成を行っているところでございます。
現在実施中の平成22年度の予算概算からは、各段階でのマネジメントの強化を図っていこうということのもとに、まずは部長によるプレゼンテーションの実施、現在の課題、来年度に向かっての方針を実施したところでございます。さらに、今後、各課において予算概算要求計画書の作成時における優先順位の明確化を示させていくということを予定してございますし、また同時に、スクラップ・アンド・ビルドの関係を重視していこうということで、概算予算の提案時に合わせて、スクラップすべき事業、見直すべき事業についても提案させるという取り組みを進めていく予定でございます。

長期計画策定におきましては、各事業の事業費の想定も大変重要な内容と考えておりますので、長期計画、今後、第五期に当たっては、ぜひ財政計画というものを枠組みとして最初に掲げるということが一つの案ではないかと思っておりますので、次期長期計画の議論の際には、そのようなことも一つの考え方として検討してみたいと思っております。

最後に、市民自治には予算の自治も必要ではないかということで、なるべく予算編成前にさまざまな財政的な枠等についても公開し、議論したらどうかというお尋ねでございます。確かに予算の枠を示していくということも必要ではございますが、基本的に予算の概算要求という形で今、スタートしているわけでございまして、今、言ったような新たな取り組みを進めているところでございます。経常経費は、ある程度枠を決めて各部に任せていくということの中で、予算の編成というのは、これからさまざまな税の改正もあるし、それからさまざまな補助もあるわけでございまして、当初から大きな枠を決めるのは大変難しい状況にはございます。
しかし、今現在、概算予算を査定していく中では、来年度のある程度の見込みをしていくということも内部的には進めておる作業でございますので、そういう見込みをどの時点で公表できるかにつきましては、もう少し内部で議論してみたいと思っております。

今後、さらに市民の皆さん、あるいは議会にもなるべく早くから来年度の状況をお伝えしていく必要性も私、感じておりますので、その可能性については今後よく研究してまいりたいと思っております。

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◯川名ゆうじ

先ほど保育園の量と質と言いましたけれども、量については非常に画期的なことですし、31年ぶりに認可保育園ができることは非常に高く評価したい。今後ですけれども、8月1日現在の数字が今、出されて、7月に東京都が集計を出しましたけれども、それよりもさらにふえているということは、今後もまだふえ続けていく、社会状況もありますから、必要になってくるということは予想されます。
そこで、どう対応していくかというのが今後大きな課題ですけれども、その中にあって、公立保育園の役目を現状で検討しているということはわかっているんですが、もう少しはっきりと明確にしないと、待機児をどう対策していくかという方向性が見えないと思います。

先ほど質問したのは、公立保育園というのは、単にセーフティーネットというのも1つありますけれども、あと親が就労している子どもたちを預かるという対応型の施設だけではなくて、保育を必要としている子ども、これは保育園だけじゃないと思います。すべての子どもを含めて、そこを支援していく子育て支援センター的な役目も果たしていく役割を持たせないと、コストがなかなか市民の納得も得られないと思います。外国の話で恐縮ですけれども、例えばスウェーデンが少子化を克服したという事例がよく紹介されていまして、いろいろな政策があるんですけれども、その中には、まちの中に多くの子育て支援センターをつくることによって子育てを支援していく方式がありました。これは、国も当然考えていくことでしょうけれども、武蔵野市としても、本当はまちの中にたくさんあるのが一番ベストなんですが、量的にも質的にもそう簡単にできないことを考えれば、今ある資源・人材を使うという意味であれば、公立保育園がそういう役目を果たしていくことも検討しなければいけないと思いますが、このことについて御見解を1点目として伺いたいと思います。

2点目として、市長は保育の質を何で担保できるとお考えでしょうか。先ほど、現状の保育園の中で研修制度を行っているし、保育士等々の研修によって質が上がってきたという御答弁がありました。それは、実際私もそう思うんですけれども、保育園の中がどうなっているかというと、嘱託がふえて、非正規の方がかなりふえています。こういう方々も含んで、果たしてどうやって質を担保していくのか。要は、非正規の方がふえている中で、どのように質が今後担保できるとお考えになっているのでしょうか、この辺、何かビジョンがあるのでしょうかということを伺いたい。

具体的に今、どうしろという話ではないですけれども、国としても人に対する投資というのを最近怠ってきた。非正規労働の問題が一番象徴的な出来事ですが、いわゆる公務員でなくても構わないですが、人に対する投資、目標、このビジョンを達成するために必要な人件費は、ちゃんと見ていくんだ。安かろう悪かろうではなくて、必要な人、必要な目標を達成するための人材については、ちゃんとした人件費を見ていく、あるいは正規雇用もちゃんとしていく。これは公務員でなくても構わないんですけれども、そういう理念を今、お持ちなのかどうか、これを伺いたいと思います。

これはほかの給食等々の財団ともすべてかかわってくるんですけれども、現状で公務員か非正規しかない。その中間の道というのをこれから考えていかなければならないと思います。そういう方針を当然保育園でも考えていかなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。

一つの概念として、いろいろなニューディール政策があって、グリーンニューディールがありますが、言葉としていえばヒューマンニューディールという考え方もあるわけです。
施設に投資するのではなくて、人に投資して、武蔵野市の力を上げていこう、あるいは保育の質を上げていこう、子育ての質を上げていこうという考え方も当然あると思いますが、こういう考え方について御見解があれば伺いたいと思います。

次に、お泊まり保育ですけれども、今の御答弁であれば、必要であれば実施しても構わないというお考えでしょうか。
お泊まり保育というのは、私が調べた範囲では1978年から武蔵野市では始まっています。その後市長が変わってから、市が協力するなという圧力がどうもかかっていたようで、なかなか保育士が協力してくれないというのは私は実感していました。細かいことは余り言いませんけれども、今は時代は変わっており、また邑上市長の特徴でもある協働の時代とも言われています。協働とは、市民と市役所、職員がともに同じ事業を担っていく。しかも対等の関係で行っていく、こういう前提を考えていくと、例えば子どものためにお泊まり保育が必要だ、重要だと保護者が考えて、やりたいと言ったときに、市の職員、市役所は拒む理由は全くないと思います。逆にいえば、一緒にやっていきましょうよ、もしくはもっと本当に子どものために必要だったら、市が率先していく。なおかつ民間園でできていて、公立園でできていないのですから、これはやっていくべきだと思うんですよね。

お泊まり保育の事業自体の是非はここでは議論しませんけれども、公立保育園は、まずそういうことが問われていると思います。民間にできていないことを公立はやっている。それがまず第一であって、それをやった上に民間の質も、先ほど保育の水準をちゃんと保っているというお話がありましたけれども、そういうことが実際にできることで質も担保されていくと思います。

細かいことはまだほかにもたくさんあるんですが、象徴的な出来事として、このお泊まり保育を今、言いましたけれども、協働事業としてもこれは意味があると私は思います。
今後、例えば父母会とか保育士とか、これを実際にやりましょうよという提言が市にあったら、当然拒む理由はないのですから、細かい事務的な作業はありますけれども、前向きに検討していく、一緒になって実施していくお考えであるか、この点について伺いたいと思います。

次に財政計画ですが、今後の課題だと認識しておりますし、第五期長期計画については検討の中の1つに入っていることは大いに評価いたしますし、ぜひともやっていただきたいと思います。

もう1つ、予算編成のときの財政見通し、公開を検討されているというお話もありました。これも評価したいと思いますけれども、なぜ今まで公開していなかったのか、あるいは公開できない理由というのは市としては何かあるのでしょうか。

というのは、先ほど言いましたように、自治というのは市役所が自治するわけではありませんから、市民みずからが自治していくという方向性を考えると、財政状況というのは一番明らかにしなければいけないことだと思います。
特に公開してはいけない理由は見当たらないと思いますので、これは要望も含めてですけれども、なるべく早期に公開していくことを求めたいと思います。このことについて、御見解があれば伺いたいと思います。

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◯市長
公立保育園の役割ということの中では、まず整理しなければいけないのは、保育園自体は保育に欠ける子どもの保育を行って、その健全な心身の発達を図ることを目的とするというものが保育所の、これは児童福祉法に基づく規定でございますので、保育に欠けない子どもまで当初から対象にする施設ではないと思っておりますが、昨今のさまざまな地域での課題あるいは要望の中では、例えば母・子で孤立しがちな家庭において、さまざまな子育て相談あるいは子育ち支援の必要性を求める声が高まっておりまして、実際赤ちゃんのひろばを初めとして、0123の事業を初めとして、母・子の事業は大変人気のある事業となっております。

逆に申せば、もう少し市が積極的にそういう孤立しがちな母・子を地域で決して孤立させないということから、公立保育園が外に対して、地域に対して、さまざまな子育て支援をもっとしていくのも、これからの武蔵野市の保育園としてあり得るのではないかと思っておりますので、その辺がほかの従来の民間保育園ではなかなかできなかった、新たな武蔵野市の公立保育園としてのプラスの機能として考えてもいいのではないかなと思っておりますので、そういったことを今、庁内での委員会の中で検討させているところでございます。

そして、保育の質は何を担保にということでございますが、よく保育の質はということを問われますけれども、基本的には子育ちを保障するということでございます。とりわけゼロ歳から6歳ぐらいまでの大変大事な時期に、家庭にかわって多くの時間を保育園で過ごすわけでございますので、さまざまな必要な健全な育成に対しまして最善の配慮をしていかなければいけないと思っております。とりわけ、そういう人的な対応の施設でございますので、職員体制というのは極めて質の担保のためには必要でございますので、職員の体制、そして個々の職員の質を高めるということは、これは常に求めていかなければいけないと思っております。

したがいまして、保育の質を維持するために、きちんとした保育体制、それから職員の質を維持していくことは、今後とも進めていきたいと思っております。

それから、お泊まり保育につきましては、私も保護者としての経験からの立場から言うと、ある一定程度の評価をすべき取り組みだなと思いますが、現場の声を聞くと、必ずしも皆さんが賛成されている事業でもありません。ですので、現場の声、つまり保育士の声も今後よく聞きながら、武蔵野市としては、ほかの事業として親子ふれあいバス等の事業、保育園の保護者会の生涯学習的な事業についてはバス借り上げなども行っておりますし、そういう事業の評価もあります。
ですので、お泊まり保育に限らず、さまざまな子育ちにとって必要な事業については、よく現場の声も聞きながら、さらに研究を進めていきたいと思っております。

財政計画に関しましては、公開ということにつきましてはかなり難しい面もございます。つまり、予算編成の過程というのは極めて情報が不確定な状況でございますので、先ほど申し上げましたとおり、どこまでそれが情報提供可能なのかにつきましては、よく研究してまいりたいと思っております。私としては、公開できるものについてはなるべく公開していきたいという考えに変わりはございません。

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◯川名ゆうじ

先ほど市長も御答弁ありましたけれども、保育に欠けるという概念がもう昔とは変わっていると思うんです。要は、ひとり親であったりとか仕事をしているからという一つの定義がありましたけれども、親がいても、その子どもにとっては果たして幸せなのかという問題も出てきています。親がパチンコ屋へ行って、子どもが死んでしまったという事件もたくさんあると考えると、公として何ができるかということを考えなくてはいけないと思います。
そういう時期にも来ていると思いますので、すべてが公設公営の保育園でやれるとは思いませんけれども、公としてそういうシステムをつくっていく転換期だと思います。これは、今後の議論の中でぜひとも前向きに検討していただきたいと思います。

お泊まり保育に関しては、今後の議論というか、認識でよろしいんですよね。先ほどバスの借り上げ等々ありましたけれども、これもそもそもはお泊まり保育がきっかけで始まった事業であって、民間の保育園は貸し出してくれないですよね。整合がとれてないという現実があります。
このことは別として、今後は保育士なり父母会等々がやりたい、市と協働事業と言うのかどうかわかりませんけれども、子どものためにいい事業なんだから一緒にやりましょうよといった場合には、全く拒む理由はないという認識でよろしいですよね。これだけを再確認させてください。

あと、財政の公開については、いつ、どこでというのは今後の議論になるかと思いますが、ぜひとも公開していただきたいと思います。以前も紹介しましたけれども、我孫子市の例を見ますと、最初の予算編成方針から出して、各部長、課長の査定まですべて公開しています。それがあって、市民がこういう事業がなぜ起きたのか、なぜ必要なのかということを判断していく。逆にいえば、市民もこういう事業がどうなるか判断しやすくなっていく、つまり自治につながるかと思います。具体的に今、どこでという話にはなりませんけれども、こういう例も参照していただき、前向きにしていただきたいと思います。

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◯市長

実は、お泊まり保育については、私もいいのではないかと思っていた経過もございまして、職員との意見交換会の中で保育士も何人か来られて、その話題について振ったりしましたけれども、それについて賛同の声は余り挙げられなかったと思っております。ですので、実施に当たっては多くの課題もあるのだなと思っておりますが、ほかの幼稚園あるいは他都市の保育園でも実施して、それなりの評価もある事業でございますので、そういう事例も参考にしながら、これから研究していくということで対応していきたいと思っております。

※以前は、認可保育園に入園できない子どもの数を待機児としていた(旧基準)。現在では、認証保育所などに入所している子どもは、待機児としてカウントしていない(新基準)。新基準で数が減っているのは、認証保育所が新規に開設されているためだろう。
いずれにせよ、認可保育園の保育料は認可に比べると倍以上となる。この差も考えなくてはならない。本来であれば、認可に入れる、入れないで保育料に差があってはならないと思うからだ。