2009.06.01 平成21年第2回定例会 一般質問

・未来の市政への羅針盤として行政評価を使うべき。長期計画とも連動を。
・折り畳み式、小型自転車を使えば、駐輪台数を現状のままでも増えることになる。レンタサイクルも駐輪不足に役立つことおある。駐輪場の発想を変えてみてはどうか。
・シンクタンクではなく、ドゥタンク。意見を言うだけの市民委員会から、実行まで行う政策研究室を設置してはどうか。


◯川名ゆうじ
一般質問を行いたいと思います。先ほどの内山議員と同じような内容かと思いますが、御答弁の方もなるべくわかりやすく御説明をお願いしたいと思います。
きょうの皆さんの議論を聞いていて思ったのは、この武蔵野市の将来像をどこに持って行っているのか、今どこに向かっているのか、そのために今、武蔵野市は何をしなければいけないのかということを皆さんが質問しているのではないかなと思いました。
私の今回の質問は、同じ趣旨の質問になります。先に結論を言ってしまいますと、一つの目標に向かって進むための羅針盤として、この行政評価システムを使うべき、こういう意味合いで質問したいと思います。

まず、1つ目、行政評価の今後と長期計画について伺います。
先日、行政報告がありましたが、事務事業評価が新たになり、補助金の見直しが行われ、予算との連携が考えられていることなどは高く評価したいと思います。内容については、報告されていることは承知していますが、現状での課題を整理することと、今後の方向性について今回は質問いたします。行政評価というと、事業費削減ありき、余計な手間をとられる、何のためにやっているのかわからないとの批判の声もあります。このような考えになると、事業の存続や予算を削減されないように評価項目の数字合わせをすることになり、結果的には事業の改善が行われず、行政の質を高めようとの意識が薄れ、本来の目的とは異なってしまうことがあります。

そこでまず、行政評価とは何か、行政評価自体の成果目標を明確にする必要があるはずです。
御存じのように、行政評価は1995年、三重県で導入されたのが日本では初めてのことでした。三重県の特徴は、事務事業の目的そのものを確認することから始め、目的を成果指標として明確にすることにあります。その上で、施策・事業の基本指針となる総合計画を策定し、計画や政策体系の中で各事務事業を位置づけ、計画の進行中でも見直しや改善ができるようにするシステムとなっています。
また、言葉は違いますが、静岡県に代表される業務棚卸しも行政評価としては特徴的な取り組みです。静岡県の場合は、対象が事務事業ではなく、政策・施策単位として目的と手段、期間を定め、何をいつまでに、どのように進行させるのかを明確にすることで業務を体系化し、日ごろの業務を分析することで目標を達成するという考え方にあります。そして、その目標は総合計画との整合をとる、総合計画を達成するということにあります。

さて、行政評価は多くの自治体で導入されていますが、すべての自治体で活用されてはいないように思います。私見ですが、その理由を幾つか述べてみたいと思います。
まず、1つ目として考えられるのが、各事業に具体的な戦略性がもともとないため、目的が設定できないということです。そのために、何のために行っているのか共通認識がない。これは職員だけではなく、議会・市民も含めて得られていないために、行政評価自体の機能を発揮できないということになってしまいます。
2つ目として、行政評価のシートの記入、自己評価はするが、事業自体の要・不要、改善の意思決定権限が評価者にないため、評価シートに記入するだけ、書類作成というルーチンワークだけとなってしまうことがあります。
3つ目、有効だから取り入れたが、そもそも行政評価の目的、活用方法がわかっていないということもあります。

ほかにもあると思いますが、あくまでも一般論としてこのようなことが当てはまるのではないでしょうか。つまり、行政評価自体の成果目標、アウトカムが明確でなければ、行政評価自体の意味がないということになります。これらはあくまでも私見ですが、行政評価は行政がみずからの業務に戦略性を持たせること、仕事を再認識するだけではなく、フルコストを明確化することも踏まえ、その業務の情報公開をすることで、市民や議会が行政が何をどのようにしようと考え、何を行っているのかを知ることができるようにすること。その情報をもとに行政と市民・議会がコミュニケーションを行うためのツールとするべきではないでしょうか。
多くの市民にとって、政策・施策・事業がどのような目標を持ち、それぞれがどのように体系化されているのかを理解できないのであれば、行政評価自体が理解されていないことになります。このようになってしまうと、職員も同様であり、担当が異なる部署で何をしているのか、市役所全体で何を目指しているのか、何のために業務を行っているのかがわからなくなってしまうことにもなります。

これからの市政を考えれば、大幅な税収の増加が見込まれないことや少子・高齢化による扶助費の増など、あれもこれもやりたいという行政運営では行き詰まることが、当然ですが、考えられます。現在、期間中の第四期長期計画・調整計画の財政計画では、平成18年度決算での予算額555億円に対して、平成24年には510億円へ減少すると予測しています。平成18年度からマイナス45億円の予算にしなくてはならないことになります。あくまでも予測で、条件が変わることでありますし、この額だけをとらえるというわけにはいきませんが、今以上に財政がよくなるとは思えず、大幅な財政の見直しが必要ということになります。この予想は、昨今の経済危機の前に想定されたものですから、現実はもっと厳しくなるということも当然ながら考えられます。

さらに、この財政計画では基金残高は減り続け、平成18年度決算額で287億円あったものが、平成24年度には139億円に減ると予測しています。6年間で基金が半額となるカーブが続くとすれば、平成30年には基金残高がゼロということになってしまいます。借入金額から基金残高を引いた額もふえ続けていくと予測されています。やりたいことを順次行う行政運営から、財政計画をもとにし、できること、できないことを明確化すること、さらにできることにも優先順位をつける行政経営へと変えることが求められていると思います。
そのためにも、行政評価の本来の意味を明確化し、行政経営と協働の基本ツールとして活用することで市全体のシステムを再構築すべきと思い、以下を質問いたします。

1番目、そもそも武蔵野市での行政評価、武蔵野市の場合は事務事業評価ですが、これを導入した目的は何だったのでしょうか。導入時の目的の達成状況と、行政評価導入により何が変わったのか、課題と評価を伺います。

今回の見直しにより、どの課題をどのように変えることができると考えているのでしょうか。

3番目、残されている課題は何なのでしょうか。どのようにその課題を解決しようと考えているのかを伺います。

4番目、行政評価とは事業費を削るためのツールではなく、目的と事業費を可視化し、職員、市民、議会が事業を理解し、進行状況や改善点、事業の廃止を判断しやすくするために行われるものと考えますが、見解を伺います。

5番目、行政評価をこのようなツールとすれば、事務事業の評価だけではなく、事務事業が何のために行われているのかを明確にする必要があります。つまり、上位計画となる施策評価や政策評価と連携しなければ本来の効果が発揮できないはずです。市として目指す理想像を明確化し、その理想に向かってどのような施策を展開するのか、施策を進める具体的事業として事務事業を位置づけ、今後は評価すべきと思いますが、見解を伺います。

6番目、政策評価・施策評価と事務事業評価を連携するには、それぞれの体系化が必要であり、そのためには市の長期計画の設計を見直す必要があると思います。今後の財政状況を考えれば、現状の事業を削減しなくてはならないのは明白であります。ウィッシュリストを並べた長期計画ではなく、市のあるべき理想像と現状の市政の課題を明確化し、課題解決をしながらどのように理想に近づくかを財政を含めて示すのが基本構想、そして長期計画ではないでしょうか。市の理想の姿を基本構想とすれば、長期計画は課題を解決し、理想を実現するための施策と位置づけること、さらに理想実現のためにどの施策を優先させるのかを示す計画にするなど、抜本的に計画を再構築すべきだと思いますが、見解を伺います。

7番目、行政評価は予算・決算とも連携する必要があります。各年の予算要求は、必要と考えるすべての予算を積み上げてから削るのではなく、優先される施策へ予算を重点的に配分するとの考え方に立つべきではないでしょうか。各部課で予算の取り合いという方式ではなく、理念実現のためにどの施策、事務事業を進め、改善していくのかを、市民・議会を含めて議論し、なぜこの政策に予算がついているのかを可視化するためのツールとして行政評価を使うべきかと思いますが、見解を伺いたいと思います。

大きな2番目、新たな発想による自転車施策について。

武蔵野市だけではなく、多くの都市では駐輪場不足が大きな問題となっています。これは、駐輪場に適した土地の入手が容易でないことが大きな要因ですが、土地を入手するのを待つのではなく、駐輪のための必要スペースが少ない自転車を利用する、活用する、あるいは開発すると、発想を変えることも必要ではないでしょうか。このことを提案したいと思います。
以前、吉祥寺サイクルという折り畳み式自転車が武蔵野市もかかわり、開発されました。この自転車は、当時としては画期的な自転車と評価できますが、小径タイヤのために乗りにくく、速度が出しにくいなどの課題があり、普及しなかったと聞いております。しかし、これらは自転車のギア比の設定を変えること、あるいはキャスター角の調整をすること、新しい素材や技術の進化などもあり、現在では多くの問題が解決できるのではないかなと考えられます。
そのため、折り畳み式や、昨今注目されているミニベロ、これは小径タイヤの自転車のことですが、このような駐輪スペースが狭くて済む自転車であれば、同じ面積でより多くの自転車を駐輪できると考えてもいいのだと思います。多くの駐輪場では、50センチメートル掛ける2メートル程度、1平方メートルが1台当たりの面積として考えられています。よりコンパクトになる自転車があれば、同じ面積で10倍もの駐輪台数となる、こういう考え方があると思います。
そこで、ここに持ってきたのが、あるコンパクトになる自転車です。これですと、ちょうど20センチメートル、40センチメートルぐらいの底面積。つまり、これを単純化すると、2平方メートルぐらいの面積があれば10台とめられる。さらにこれだけ軽いですから、2段重ねにすれば20倍になるという、すごい単純な計算ですが、こういうことも考えられる。

この自転車を使えというわけではないんですけれども、今ある自転車をそのまま考えるのではなくて、場所に合わせた自転車も使う、あるいは活用する、開発する、こういう発想の転換が必要ではないかという提案です。

また、駐輪場不足には、駐輪場をつくるということだけではなく、自転車そのものの利用形態を考え直すことも必要ではないでしょうか。例えば自転車は個人の所有ではなく、まち全体のものとして発想を変えることも必要だと思います。まちのあちらこちらにだれでも乗れる自転車を配置していくことで、放置自転車という概念がなくなります。決められた場所に置いてあれば、ほかの人が自由に乗っていけること、あるいは片づけてしまうことも可能になります。一度通勤でとめてしまうと、帰りまでその場所は活用できないという駐輪場のデメリットの解消にもなります。
自転車は、例えば小金井市で行われているように、放置自転車を再整備して使用することも調達は可能であるはずです。整備や、このオリジナル自転車を市内で開発していけば、例えば武蔵野市のブランド力を広めること、あるいは武蔵野市の産業になるかもしれない。そういうことも考えていってはいかがかと思います。このような共用サイクルは久留米市で行われております。このようなことも検討してはいかがかと思い、次の質問をいたします。

1番目、すべての自転車に対応するのではなく、発想を変えてスペースを有効に使える自転車用の駐輪場の設置を研究することについて見解を伺います。

2番目、このような自転車は、市が率先して開発することよりも、吉祥寺サイクルのように利用する市民や自転車メーカー、駐輪場を必要とする商店主や鉄道事業者、自転車商などと一緒に検討することが望ましいと考えますが、例えば協働事業として市も協力して検討してみてはいかがかと思いますが、見解を伺います。

3番目、かつて、ある自転車メーカーがJR東日本と折り畳み式の自転車を開発し、発売したことがあります。この自転車はコインロッカーに収納できることが特徴で、列車と自転車の共生がコンセプトになっていました。この自転車の見方を変えれば、コインロッカーを置ける駅のスペースに駐輪場をつくれることになります。駐輪スペースを簡単に立体化することも可能で、駐輪場のスペースが飛躍的にふえることにもなります。
市長は、全国自転車問題自治体連絡協議会の副会長であり、国土交通省へ鉄道事業者に駐輪場設置を義務づけるよう法改正の要望を行っていますが、このような自転車の開発を国や鉄道事業者にも働きかけること、あるいは協議会で検討することを行ってはいかがでしょうか、見解を伺います。

4番目、駐輪場不足の解決には、通勤に使う人は小型自転車で、駅に近い商店への買い物には大型のかごつき自転車のニーズが多くあるかと思います。このように利用者のニーズに合わせ、駐輪場を配置すること、あるいは料金に差別化を図っていくということを考えてもいいかと思います。このようなことに対する見解を伺いたいと思います。

5番目、休日の対策を考えると、週休2日の人も多いことから、平日のみの月決めという設定をし、土日は一時利用を認めるということも考えてはいいのではないでしょうか、見解を伺います。

6番目、コペンハーゲンや福岡県の久留米市で行われている共用自転車、フリーサイクルの検討をしてはいかがでしょうか。放置自転車を再生し、市内に配置し、無料でだれでも利用できることにより自転車の盗難ということも少なくなっていく、こういう話も伺いました。駐輪スペースを少なくしていくことにもなります。御見解を伺いたいと思います。

次に、目的達成型の政策研究室の設置について伺います。

協働の時代を迎えること、財政的な側面を含めて考えれば、市がすべてを担う時代ではありません。NPOなどとの協働もスタートはしていますが、担い手がすぐにあらわれるとは限りません。そこで、市が必要としている、あるいは市民から投げかけられたテーマや課題に対して対策を研究し、実際に行動する組織として、市民、市職員、研究者、民間事業者などと政策研究室を設置してはいかがかと思います。

多くの自治体では、市民参加による各種委員会などの報告書は出されていますが、報告書を出して解散という場合が多いのではないでしょうか。そうではなく、その報告書や結論を実践し、目的を達成するための組織、いわゆる行動するための政策研究室というものをつくってみてはいかがかと思います。こういうことで担い手も新たに生まれてくるのではないでしょうか、御見解を伺いたいと思います。

以上で壇上の質問を終わります。

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◯邑上守正市長
それでは、川名議員の御質問にお答えしてまいります。前半は行政評価の今後と長期計画等について、後半は自転車問題のさまざまな工夫の提案をいただきました。
まず、前半の行政評価の今後と長期計画等についてでございますが、川名議員におかれましては、今までの一般質問等でもこの問題を再三、取り上げられてこられました。川名議員のさまざまな提案を我々も参考にさせていただきながら、この間、事務事業の見直し、補助金等に対する取り組みだとか、あるいは事務事業に関するさまざまなマネジメント評価制度等の取り組みも進めてまいりました。まだすべてが完璧にシステム化されていないというのが、最大の課題というか、途中であるということでございますので、今後とも我々は今まで組み立てたことをきちんとシステム化していく、確立していくということが最大の課題ではないかと思っておりますので、そのシステム化をしていくということをまた見ていただきながら、さらに御指摘をいただきたいなというふうに思っております。

その上で幾つかの御質問をいただいておりますが、まず行政評価を導入した目的は何だったかということでございますが、行政評価は行政経営の仕組みを時代の変化に対応したものに変革するための手法の一つとして導入したものでございまして、民間の経営管理手法を導入し、行政の効率化や生産性の向上を目指すものであるというふうに認識してございます。個別事務事業評価につきましては、これは試行ということで、まさに試行錯誤している状況ではございますが、本市にフィットする手法を構築していこうということで、繰り返しさまざまな工夫をしているところでございます。その過程においては、議員の指摘にもありましたけれども、今までの中ではサービス提供のコスト重視型、これを問題解決型へというような観点の転換なども行ってきた経過もございます。

昨年度試行した評価においては、全庁において本事業に関する理解を深めるために、原則としてすべての課において1事業以上の評価を実施したものでございますので、結果として146の事業を対象としたものでございます。このシート自体の変更も行いまして、対象指標あるいは事業の意図、成果指標などについてもシートの中で明確化した経過もございます。さまざまな過程もございましたけれども、事務事業評価制度の導入については幾分進展があったのではないかなというふうに考えております。

一方で、各セクションでの事務事業評価実施に伴う、どうしても負担感というのが起こっておりますので、そういう低減、あるいは評価結果を把握しやすいようなシートの工夫等々につきましては、まだまだ改良・検討の余地があるというふうに考えております。
また、市で行っております事務事業の性格というのは多種多様でございますので、単一の評価軸ではすべての事務事業の適切な評価というのが大変難しいなというふうに実感しておりますので、こういった課題も1つというふうに考えているところでございます。

今回の見直しにより、どの課題をどのように変えることができるのかということでございますが、昨年実施した事務事業マネジメントでは、継続的に実施している事業について、本来の目的、事務事業を取り巻く環境の変化等に対する再確認、上位目標との関係、民間も含めた類似事業の有無などについても再確認するシートによる実施をしました。日常実施している事業等について、事業を始めたきっかけにまでさかのぼって考える機会がないまま業務を実施しなくてはならない状況もあろうと思いますが、改めて事業のあり方等について考え、再認識し、事業を評価するいい機会ではなかったかなというふうに思っております。
また、評価指標及び上位計画との関係についても明示するシートとなっておりますので、客観的指数により評価を行った点についても、それは成果の一つと考えているところでございます。

3点目で、残されている課題は何か、どのようにその課題を解決しようと考えているのかということに関しましては、これは冒頭申し上げましたとおり、すべてのシステムがまだ完結していないということでございますので、この評価シートをつくっただけでは有効にすべて活用されていないというふうに認識してございますので、PDCAサイクルとの連携のシステム、特に予算・決算とも連携したような形で、このシステムの構築をしていくべきだというふうに考えているわけでございまして、今後、試行期間ではございますけれども、さまざまな試行を通じてシステム全体の精度を高めていくというようなことを取り組んでいきたいなというふうに思っております。

4点目で、行政評価についての事業の廃止を判断しやすくするために行われるものではないかといったことについての考えでございますが、確かに行政評価は事業の継続や廃止等の判断に当たって有効なツールの一つとなるものと考えておるわけでございます。ただし、特に廃止など大きな決断をする場合においては、行政評価が単独で、これだけで機能する、これだけで判断するものではないというふうにも思います。行財政改革アクションプランなどとの連携の中で考えるなど、市の将来的なあり方との兼ね合いにおいて、総合的な判断の中で機能する一つのツールと考えておるわけでございます。

5点目で、施策を進める具体的事業として事務事業を位置づけて、今後は評価すべきではないかということでございますが、行政評価自体は政策評価、施策評価、事務事業評価の大きく3つに分類できるものと考えているわけでございますが、政策、施策と事業は単純な1本の系列ではなくて、複合的な関係を形成しているわけでございまして、単純な表もしくはツリー図形などで表現するのはなかなか難しい面もございます。評価においても、それぞれの評価結果が単純に反映されにくい状況もございます。ただ、事業評価と政策・施策評価を連携して構築することにつきましては、今後大いに研究を進めていきたいというふうに考えております。

6点目で、長期計画そのものも根本的に設計を見直すべきではないかといったような御質問でございますが、個々の事務を体系化し、評価管理できる計画として長期計画を位置づけて策定している他市の例ですと、西東京市や調布市の例があるというふうに承知しているところでございます。現在、本市の長期計画は、各分野の個別計画などを受けながら、相互に関連づける総合計画としての機能を持っておるわけでございまして、その中の一つの項目として、進行管理や行政改革、事務事業マネジメントを位置づけ、実施してきておるわけでございます。今後の基本構想・長期計画のあり方については、まだ確定はしてございませんが、他市の例も参考としながら多角的に検討していきたいというふうに思っております。

7点目でございますが、今後の行政評価システムの位置づけ等に関するお尋ねでございますが、予算組みにつきましても、基本的には削ることを前提とする方法ではなくて、スクラップ・アンド・ビルドの関係あるいは事務事業の見直し等の観点から、各部各課でのマネジメントを総合的に発揮していくシステムを構築する必要があるというふうに考えております。
具体的には、武蔵野市の現行の予算編成というのは、優先施策をしっかりと予算反映できるように、経常経費の予算編成に先立ちまして概算要求査定という仕組みがございますので、その概算要求査定において優先施策の予算を一定確保しているという状況にございます。また、経常経費の予算編成では、部における予算枠配分方式によりまして、経常経費の削減とともに、部長のマネジメント力による部の課題解決への予算の重点配分を行えるようにしているものでございます。その中では、部長を初め、理事者が事業の優先度、効率性、有効性などを判断するための資料の一つとして行政評価があると、このように理解もしているわけでございます。
今後、行財政改革アクションプランにあるように、行政評価制度と連動した行政経営の仕組みの導入として、評価をもとにした予算編成についても検討していきたいというふうに考えております。

次に、大きなお尋ねで、新たな発想による自転車施策ということでございますが、この背景として、やはり武蔵野市内での自転車の利用率が極めて高い。そして、駐輪場の不足あるいは道路上のさまざまな課題等があるということで、地域に応じた自転車自体を考え直してみたらどうかという大きな提案かというふうに思っております。

その中で、まず1点目、2点目でお示しいただいているスペースを有効に使える自転車用駐輪場の設置を研究するというようなことでございますが、確かに例えば今までですと、吉祥寺サイクルという取り組みも過去には行われておりました。皆さんで自転車メーカーと開発されたものだというふうにお聞きしておりますが、実際にはなかなか利用しづらい自転車だったということと、それからメンテナンスがしづらい。つまり、独自開発された自転車ということもあって、さまざまな部品等が今では生産されていないということもあって、補修用の部品がそろわなくて補修もできずに、現時点では残された10台の自転車もなかなか使用できない状況ということでございます。
したがいまして、独自に自転車を開発するというのは、この一自治体の中で、あるいは吉祥寺の中で、コスト面で、イニシアル面でもランニング面でもなかなか厳しい課題があるのではないかと思っておりますので、独自の開発というのは困難と言わざるを得ませんが、先ほど御提案の中にあったように、メーカー側が武蔵野市だけではなくて、広域的な都市のこれからの自転車利用を含めたあり方の中で研究されてもいいのではないかなと思いますので、このようなメーカー側の開発の可能性については大いに聞いてみたいなというふうに思っております。

ただ、JR側にとりましては、先ほど私も申しましたけれども、まだまだ自転車に対しては余り前向きでない状況にございますので、JRに自転車の開発と言ってもちょっとハードルが高いような気もしておりますが、今後の輸送機関の一つとして、ターミナル駅として、よりコンパクトな自転車を求めていく方向というのは、一つの方向として正しいと思いますので、JRに限らず、さまざまな機関にも、この問題については大いに投げかけていきたいなと、そういう機会も見つけていきたいと思っております。

ただ、利用場所によって自転車を変えていくというのが、市民にとって、それが果たして受け入れられるかは心配することでございまして、例えば通勤で自転車を利用される皆さんは、通勤でないときは日常の一般の自転車駐輪場を利用する、あるいは買い物として利用することになりますと、従来からある買い物かごがあった方が利用しやすいだろうということもあります。それから、自転車そのものの走行性というんですかね。先ほど見せていただいた自転車は車輪が極小のものでございますので、安定的な走行というものがどこまで可能なのかについて、それも心配することもございますので、さまざまな課題があろうかと思いますけれども、コンパクトさを求めていくという視点の中で、これから研究について機会があれば意見を言っていきたいと思っております。

それから、駐輪場の利用契約のさまざまな工夫の御提案をいただいておりますが、確かに通勤・通学の方に関しましては、当然のことながら平日利用が主でございますので、土日は使われていないという状況でございます。市でもこの課題を認識してございまして、偏った利用形態を何とかならせないかなというふうにいろいろ検討を進めているところでございます。ただ、例えば休日、一般開放して、それが翌日残ったときにどう対応していくのかとか、幾つかの課題がございますので、さらにその課題をよくよく検討して、可能性があれば大いに工夫してまいりたいなと思っております。

共用サイクルにつきましては、平成15年から18年まで武蔵境駅周辺でICUと協働で行った経緯がございました。約2年半の試行期間に130台の自転車で実験を行いましたが、この実験の問題点としては、自宅から駅へ向かう利用者は、使用料がたとえ無料であっても自分の自転車を利用したい希望が多いということ。また、利用者が複数の共用サイクルを使用し、返還しないため、自転車の不足が生じたということが挙げられます。
さらに、維持管理コストにつきましても、自転車の数が有料駐輪場と同じであればレンタサイクルの管理分が割高になるという結果も出ております。他都市ではレンタサイクルが成功しているところもあろうかと思っておりますが、他都市で成功している状況と武蔵野市の状況が必ずしも一致していないのかなというふうに思っております。
ただ、共用ということで、1台の自転車で多くの利用ができるということが武蔵野市でも可能性が大いにあるということであれば、このレンタサイクルについて大いに工夫して取り入れていければなと思っております。今後のさらなる研究課題だと思っております。

最後に、目的達成型の政策研究室の設置ということでございまして、大変興味深い提案かと思っております。確かに市のさまざまな課題をさまざまな専門家あるいは市民も交えて議論するという場は、大変有効な場と思いますが、他都市の設置例を見てみますと、大都市が中心の設置でございまして、この武蔵野市の都市の規模で果たしてそこまで対応が可能か、というのはコストの面あるいは対象となる課題の数といった面も含めて、課題もあるのかと思いますが、今後の研究課題としたいと考えております。

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◯川名ゆうじ
御答弁ありがとうございました。行政評価については、今、途中であるということも当然、私も承知していますし、今までよりかなりステップが上がったということを評価しております。今、ここでどうのこうのというのはまだできない段階だと思いますが、きょうのほかの議員との議論を聞いていたのですが、やはりわかりやすさというのが必要だと思います。行政評価をやっていると、自分たちの世界だけに入り込んでしまって、自分たちの言葉で全部つくってしまうということが往々にしてあるんですよね。この行政評価もそうなってしまわないかなという危険を感じました。
危険というのも失礼な話なんですが、そういう可能性を随分感じたんです。市長もよく御存じかと思いますが、ニセコ町で予算書を市民に配っている、あるいは自治基本条例をつくりましたけれども、ああいう書類のつくり方が中学生にもわかるというコンセプトですよね。つまり、わかりやすく単純化していくことで、事業そのものが見えてくるということにもつながっていくかと思います。この行政評価自体もこれから変わっていくということは重々承知していますけれども、中学生でもわかる、できれば小学生でもいいのかもしれないですけれども、だれでもがわかりやすくしていくという観点を持って、今後研究していただきたいと思いますが、この点についてまず伺いたいと思います。

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◯市長
実は、ともすればさまざまなきちんとした評価をしていこうとなると、さまざまな評価尺度、きめ細かくシートをつくらなければいけないということにとらわれがちでありまして、そうしますとつくる側もなかなか物理的な時間もかかるし、手間暇もかかるということと同時に、それを見る側も大変手間暇かかってくるということで、何のためにこれをつくっているか、なかなかわかりにくくなる状況もございます。かつ、これからの視点としては、事務事業評価のシートにつきましても、これは市民にもわかっていただく必要があろうかというふうに思っておりますので、現在、過程の段階ではございますけれども、最終的にはこれはやはり市民の皆さんも見てわかるような評価シートの作成、しいては全体のシステム構築を図っていきたいというふうに思っております。

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◯川名ゆうじ
今回は行政評価と駐輪場と政策研究室という話をしたんですが、みんなばらばらのようで、実は一つの同じコンセプトなんです。そのコンセプトというのは、大きくいえばパラダイムシフトをしようという話なんです。邑上市長の市政運営として、市民が主役というか、市民が真ん中という考え方があると思うんですが、施策運営そのものを市役所の都合で考えるのではなくて、市民にとってどうなのかという発想に変えていくということが必要だと思うんです。現状でもそういうことをやっていらっしゃると思うんですが、この行政評価についても、これをやって、じゃ、市民の生活がどうなるのということに観点が落ち着かないと、何だかよくわからない。結局、市役所の専門用語の羅列になってしまうということがあると思うんです。つまり、発想を変えていく。

先ほど自転車駐輪場のことを発想を変えると言ったんですが、行政評価についても同じことだと思うんです。駐輪場についても、確かにこの自転車というのは乗りにくいです。ただ、現状のままで駐輪場を同じようにどんどんつくっていくとお金がたくさんかかってしまうと。それでいいんですかということを逆に市民に投げかけていくことがこれから必要だと思うんです。市民が多少不便かなと思うんだけれども、その分、例えば駐輪場が倍につくれるとなったときに、果たして市民はどっちを選択するのかという判断基準として、例えば行政評価を使う、あるいはこれからの施策についてこういう情報を公開していくということが、市民との協働あるいはともに自治をしていく協治という考え方がありますけれども、社会の新しいあり方だと思います。
そういう観点から、こういう駐輪場も考えていただきたいですし、行政評価システムもぜひとも組み上げていただきたいと思います。これはあくまでも要望ですので、もし御見解があれば伺いたいと思います。

もう1つ、政策研究室ですが、これは去年ですけれども、小田原市の政策研究室に私、視察に行ってきました。そこで一番印象に残った言葉というのは、市役所の政策をつくる、研究をするシンクタンクではなくて、ドゥタンクをつくる。ドゥ、実施するですよね。考えるだけではなくて、その目的を達成するためにそこまでやってくださる人たちを募集する。そのために市はバックアップしますよというコンセプトだったんです。そこで行われていたのは、いわゆるまちづくりのことですとか自転車のこともいろいろ考えていました。いろいろ課題を出し合って1年間計画をつくって、その2年後にはその人たちが自分たちで実際やってみる。そして、3年後にはその成果を出してみるという3年周期で全部考えていた。そのところで、市役所というのはあくまでもバックアップです。

先ほどコストというお話がありましたけれども、さきの第四期長期計画・調整計画でもそうでしたが、市の職員、はっきり言って頑張り過ぎです。市民だって、自分たちで考えるべきことは考えさせる、あるいは自分たちで資料をとるということはやってもいいんだと思います。そのかわり、こういうところに資料があるとか、あるいは紙資源を使うとか、あるいは場所を提供してあげるとか、そういう相談相手になってもいいと思うんですけれども、市民が自分たちで自主的にやろうとする仕組みをつくっていくというのが、この政策研究室、要は目的達成型というコンセプトなんですよね。ここにも書きましたけれども、今まで各種検討会とか、いろいろ協議をしています。協議をしているのはいいんですが、協議の先というのがなかなか見えてこない、このことをこれからの課題として考えていただきたいと思います。

第四期長期計画・調整計画もあれほど議論があって、あれほど時間を使ってできました、今、実施しています。その評価をどうするんでしょう。あそこにいたメンバーの方々、いろいろ頑張ってやっておられました。その人たちが集まって、自分たちの計画がどこまで進んでいるのか、あるいは当初の目的がどう変わっているのかということを評価するシステムもできていないと思うんです。多分、そういうことをこれからじっくり考えていかないと、行政評価も進化していかないでしょうし、第四期長期計画・調整計画自体も絵にかいたもちになっていってしまいます。こういうところも全体的に考えていくこと、いわゆる発想の転換をぜひとも考えていくべきと思いますが、最後に御感想を伺えればと思います。

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◯市長
最初の方のお尋ねの中で、市民のためにやるのが原点でありまして、それをわかりやすく市民にも説明し、理解していただくというのが必要だというふうに思っております。ただ、市民サービスの向上のために行政の効率化、生産性を上げるというのが行政評価自体の第一義だというふうに思っておりますので、当然のことながらそれを踏まえた上で、よりわかりやすいシート化あるいはシステムの構築を図っていきたいというふうに思っております。
さらに、ドゥタンクということを御紹介いただきましたけれども、まさにこれからさまざまな市民のお力をいただかなければいけない市政になってまいります。参加だけではなくて協働ということが重要視されてまいりますので、そういう意味では、これからさまざまな面で市民が計画策定で直接意見を言うだけではなくて、それがどのように実行されているかということも評価していただくような、そんな市民の役割も出てくるだろうというふうに思っております。そうしていきたいというふうに思っておりますので、今後よく検討していきたいというふうに思います。